表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

旅の語り屋・終

「さて、この二つの話を聞いて、どう思った?坊や」

男の子はぽかんとしたまま、男の方を見続けている。

「これは今もなお語り継がれている『魔王と勇者の伝説』の裏側を記したものなんだよ。坊やも一度は聞いたことあるだろう?」

その言葉に対しては、首肯を示した。

「『虚言の王』と『平和王』、『勇敢な魔導師』と『裏切り勇者』は同じ話だけど、語りが違えば真実も違ってくる。かたや王国の苦難と栄華の物語。かたや魔王や勇者の知られざる人生の物語。物は語られるなかで尾ひれ胸びれがつくものだから、これはどちらかが嘘かもしれないし、どちらも本当かもしれない。これが遠い過去となってしまった今、真実を知ることは不可能に近い。だから坊や、君は自分の目で、それを見抜いていくんだ。後世に伝えられるように、ね」

男の子は本当に話がわかったのかは定かではないが、力強く頷いて見せた。

「はい、これでお話は終わり。日が暮れないうちに、親御さんとお家に帰るんだよ」

「お兄さんはなんなの?」

不意に男の子が質問を投げ掛けてきた。

「え?、私が何かって? 最初に言った通り、旅の語り屋だよ。お話をしながら、旅をしてるんだ。じゃあね坊や。ほら、いったいった」

バイバイと言い残して、男の子は向こうへ走って行く。そこには、親とおぼしき大人が二人、立っていた。

その姿を見送ってから、男は荷台に手をかけて、ぼそっと呟いた。

「あなたの良い話が語れる日を、楽しみにしています」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ