表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
暮羽編
99/109

純香ちゃん

すみませんーー。

すみませんーー。

先週忘れて本当にすみませんーー。


ブックマーク減るのも納得。

 しばらくすると、純香ちゃんがリビングに入ってきた。

 希望のお姉さんとは、会ってきたのかな?


「あ、じゅ、純香ちゃん」


 希望は少しびくびくしているようにも思える。大丈夫だって、言ったのに。

 まあ、不安になる気持ちが分からないわけではないけど。


「何、その顔。てゆーか希望、あんたのシスター暴走してんだけど。止めてよ」


「じゅ、純香ちゃんのせいじゃん」


「は?」


 純香ちゃんの「は?」に賛同します。だって希望、全然説明できてないし。そりゃ、「は?」とも言いたくなるわ。

 その前に、シスターってなんだと思ってしまった。

 あれだね。修道士? 修道女? とか、そこら辺の方だと一瞬思ったけど、姉って意味だね。

 でも、わざわざ英語使わなくてもいいのに。


「なんで?」


 純香ちゃんは首を傾げながら尋ねる。

 希望は「なんでって……」とあきれたような表情を見せていた。うーん、じゃあここは希望に乗った方がいいのかな?


「これだから希望の友だちは……」


 とりあえずそう言ってみた。希望に拗ねられると面倒だしね。

 あ、純香ちゃんに睨まれた。


「ちょっとぉ、希望! あたしの純香ちゃんをとらないでよぉ~」


「いつ私はお前のものになったんだ」


 光輝さんがぎゅっと純香ちゃんに抱きつき、彼女は嫌そうにしている。

 すると、純香ちゃんの横にいた女の子が叫んだ。


「光輝さん、邪魔しないでよ! なんで純香が光輝さんのものになるわけ? どう考えたって、純香は私のものだもん!」


「ちょ、お姉ちゃんくるしい。つか、キャラ変わってない?」


 お姉ちゃん、らしい。純香ちゃん、そういえばお姉ちゃんいたんだっけ。

 純香ちゃんのお姉さんは純香ちゃんに抱きついている。首のあたりに腕を巻きつけてるから、純香ちゃん苦しそう。バイオレンス。


「純香、こういう人にはね、近寄っちゃダメなんだよ。面白そうだなーって思って近づいたら、一瞬でガブッだからね! ガブッってくるから!」


「なにその例え」


 純香ちゃんの言葉に、全力で同意。


「ちょっとぉ、萩香ちゃんっ! あたしはそんなことしません~」


「お姉ちゃん、その歳して恥ずかしいよ。やめてよ」


 希望と光輝さんもなんかしゃべってる。あたし、話に入れない。なんか悲しい。

 というか、純香ちゃんのお姉さん萩香さんっていうんだ。なんか、やっぱ姉妹って感じだね。名前似てるし。


「……希望、お姉ちゃんいたんだ……」


 とりあえず、そうつぶやく。だって、それはそれでめちゃくちゃショック。知らなかったからってのもあるけど、うーん、まあ、とりあえずショック。

 さっきも会ったけど、こうやって見るとやっぱりそうなのかーってなるっていうか、なんていうか。お姉さんの話なんて聞いたことなかったからなぁ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ