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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
暮羽編
98/109

謎です

「あーえっと、暮羽ちゃんだっけ? あたし、希望の姉の上川光輝って言うんだ~。よろー!」


「は、はい。よろしくお願いします」


 あたし、ちょっと緊張。だって、初対面だし、年上だし。

 それにしても、光輝さんって何歳なんだろう? すごく年上そうなイメージがあるんだけどなあ。性格は希望そっくりだけど。


 光輝さんとあたしたちは、しばらく楽しんで話した。やっぱり、姉妹ってだけあって希望とそっくりだ。性格も何となく似てるし、あと、話し方とか。


「あ、じゃあ、あたしちょっと純香ちゃんの部屋行ってくるよ~」


「え、あ、うんオッケー」


 光輝さんがそう言うと、希望は少しおどおどしながらうなずいた。そうだ、純香ちゃん、まだ部屋にいるんだよね?

 光輝さんが純香ちゃんを探しに二階へ行くと、あたしたちはため息をついた。結構、特大の。


「……暮羽、なんか疲れたね」


「そう? 希望、大丈夫?」


 何が疲れたんだろう? お姉さんと久しぶりにあったことかな?


「純香ちゃん、私のこと嫌いなのかなー」


「え?」


 希望は、何気なくというようにつぶやいた。でも、全然何気なくもなんともない。言ってることは、かなりきつい。

 純香ちゃんが、希望のことを嫌い――――? いや、でも、純香ちゃん、なんだかんだ言ってきっと希望のことを好きだと思うんだけど……。


「きっと、そんなことないよ」


 あたしはそう口走った。だって、二人は仲良いし。それに、純香ちゃんは希望に心を許しているような気がする。根拠を訊かれても困るけど、なんとなく客観的に見ててそう感じるというか、なんというか。

 まあ、とりあえず、少なくとも嫌われてはいないと思う。純香ちゃんのことはあんまり知らないけど……。


「そう、かな? なんか、暮羽に言われたらそんな気がする」


 希望は、少し首を横に傾けて笑った。これ、希望の癖だよね。かわいい。

 うん、きっと純香ちゃんは希望の事好きだろう。だって、あのつんつんした雰囲気を見たら、多分そうだと思う。これはあたしの勝手な考えだけど、多分純香ちゃんみたいな子は、少なくとも好きじゃない人とあんなに話したりツッコんだりしないと思う。

 だからきっと、純香ちゃんは希望のことが好きで、希望はもちろん純香ちゃんのことが大好きなんだ。


 あたしにもこんな友達ができたらいいのにな。

 希望と純香ちゃんみたいな、ケンカして意地張ったりしてもやっぱり最後には仲直りできちゃうような、そういう友達。

 唯愛、凛音、万実。あの中に、あたしの本当の友だちはいるのかな? それとも、もっと違う人……?

 叶さん、は、なさそうだけどなあ。誰だろう?

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