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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
暮羽編
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高校→顔

暮羽と純香の住む県は隣り合ってるって設定にしておきます。

なんか設定ばかりですみません。

あと、市の名前などはすべて架空です。もしかしたら、現実にある市の名前とかぶってるところもあるかもしれません。

今回もいつも通り短めです。

「あたし……あたしは、岸羽きしば高校に行きたいんだ!」


「え?」


 心美の言葉に、あたしと朔良は顔を見合わせて首を傾げた。岸羽高校って、どこ? 聞いたことない。

 あたしが訊くと、心美は自信満々で答えた。


「大見市にあるめちゃくちゃ頭良いところなんだけど、あそこ、すごい雰囲気よくってさ! だから、頑張ってそこを目指そうと思って!」


 心美はきらきらと目を輝かせていた。ふうん……。って、大見市って希望が前に住んでた木津山市と同じ県にある市じゃない?

 心美って、そんなに頭は良くなかったはずだけど、本人がここまでやる気になってるんだからきっと勉強も頑張れるはずだよね。そっかあ、みんな結構考えてるんだなあ。

 あたしは今パッと考えて家と近いからって理由だけで北桜高校を選んだけど、本当にそれでいいのかな?

 あたしに合った高校が、他にもあるんじゃないのかな?


「頑張れ、心美!」


「うん、頑張るっ!」


 朔良と心美は抱き合いながらきゃあきゃあはしゃいでいた。本当仲良いなあ、この二人は。

 そういえば、小学校も同じだったんだっけ。あたしは違うけど、今年同じクラスになってまあまあ話すようになったんだよね。と言っても、元信者ですが。


「心美だったらいけるよ! 心美はやればできる子だもん、絶対大丈夫だって! 私が言うんだから、安心して勉強してな!」


「うん、うんっ! あたし、朔良に言われたらなんでもできそうな気がするよ! 朔良大好きー!」


「わ、ちょっと抱きつくな暑苦しい!」


 朔良はそう言いながらも嬉しそうにはにかんでいた。心美も楽しそうにしている。

 二人は本当はいい子なんだけど、なんで万実をいじめるのかな? あたしが人のことを言える立場じゃないけれど、いじめる必要はないと思う。

 万実はあれでもきっと反省してると思うし、あたしも別に恨んだりなんかしてないし、そもそも朔良と心美だってあたしのこと無視してたんだから、万実だけを悪者扱いするのはダメじゃない?

 って、なんかあたし、いい子ぶってるみたいだ。


「ねーねー、暮羽もそう思うよね?」


「え?」


 心美に上目づかいで言われて、やっとあたしも会話に入れられていたことに気付いた。

 あたしはもう一度質問の内容を訊き直す。すると朔良が口を挟んだ。


「聞いてよ暮羽。心美ってば、私はアイドルっぽい顔してる、なんて言うんだよ? ひどくない?」


「えええ?」


 アイドル?

 あたしは朔良の顔をまじまじと見つめる。たしかに、そう言われればそうかも?


「ね、ね、やっぱりそうでしょ? 暮羽も、咲良はアイドルっぽい顔だって思うでしょ?」


「そんなわけないって、心美。暮羽に変なこと吹きこまないで!」


 両方から顔をずいっと近づけられて、思わず後ずさりする。二人とも、たかがそれだけでなんでそんなに必死になってんの?

 高校の話だったはずが、なんで顔の話になってんのー!?

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