解決したい
先週投稿するのを忘れていました。すみません。
今回からはまた通常通り連載します。
凛音を保健室に連れて行きあたしが教室に戻ると、万実は彼女をいじめていた子たちに向かって叫んでいた。嫌なところに来ちゃった……。凛音のところにいればよかったかも。
「なんでみんなあたしをいじめるの!? 悪いのは暮羽だったんじゃなかったの!? みんな暮羽をいじめてたじゃない。なんで、あたしがいじめられなくちゃならないのよ!」
万実の言いたいことはよく分かった。あたしだって、万実がいじめられていい理由はないと思ってる。なんで平和的に解決できないのかが不思議だ。
でも……止める勇気はない。そんな卑怯な女の子。それがあたしなんだ。大体、あたしがみんなの中心にいたのがおかしかったのかもしれない。あたしには、みんなをまとめる力なんてなかったのに。ただ、みんなの言うことに合わせて動いて、みんなに喜んでもらおうとしてズルしてた。それだけ。
「はあ? アンタ、まだ言うの?」
「今さら暮羽のこと持ち出してどうするつもりよ。暮羽はもうあたしたちの味方についたんだからね。あんたの味方は誰もいないってわけ!」
つらい。つらい。
あそこに座り込んでいるのは、泣いているのは、昔のあたしなのに。ついこないだまでの、あたしだというのに。
なんであたしは助けない? なんで手を差し伸べない? なんであたしは見てるままここに立ち尽くしてるの? これでいいの?
たくさんの疑問が頭の中を駆け巡る。なんであたしはここにいるんだろう。ここで万実を助けなかったら、今まで通り平穏な日常を取り戻すことができるだろう。でもそれは、目を閉じて耳を塞いだ時だけ。
目を開ければ万実の絶望している姿が。耳を澄ませば万実の悲痛な叫び声が。見える、聞こえる。ああ、あれはあたしなんだって、思い出してしまう。それでいいの?
ここで万実を助けたら、あたしもいじめられてしまうかもしれない。でも、あたしには凛音がいる。唯愛がいる。4人でいれば、きっと大丈夫な気がする。あの二人はきっと、裏切らない。そういう確信が、あたしの中にはあった。
――――あたしは、走り出す。
「あたしは、万実の味方だよ」
万実のところへ駆け寄ってしゃがみこみ、あたしははっきりと言った。朔良たちは驚いてあたしを凝視している。あたしの後ろに素早く隠れた万実の手は、冷たかった。
「ちょっと、暮羽? あんた何言ってんの。そいつは暮羽とか凛音の悪口言ってたじゃん。それに、わがままだし。こんなやつ、消えた方がいいよ」
咲良の言葉に、あたしは反論した。
「そんなのおかしいよ。朔良たちだってあたしのこといじめてたし、前は凛音の悪口も言ってた。万実だけがいじめられるなんて、そんな理不尽なことないと思う」
彼女たちが唇をきつく噛みしめてうつむくと、あたしは振り返った。
「万実」
万実は、ゆっくりと顔を上げた。




