4人で
「暮羽、遅い」
唯愛に叱られてしまった。凛音はそれを見て笑っている。万実に至っては無視。完全なる無視。こっちを見ようともしない。おいおい。
今日は土曜日。4人でショッピングモールに行く予定です。いじめは終わり、みんな仲直り――――とはいかないんだけど、まあそれなりに平和が訪れたって感じ。
相変わらず神崎さんは超怖いし、あたしを受け入れてくれないような子だっている。けど、唯愛たちがいてくれるから、あたしは学校に行きたくないなんて思わなくなったんだ。あの時、死んだりしなくてよかったって、すごく思う。あの時死んでたら、あたし、すっごく後悔してたと思う。本当によかったって、思ってるんだ。
「ごめんごめん」
ショッピングモールに行く方法は、バスで30分。最寄のバス停に集まって、9時55分に来る予定のバスを待つ。今は、53分。あと少しで、バスが来る。その間、あたしたちはおしゃべりに夢中になっていた。
バス停にはあたしたちと若い女の人がいた。女の人はシルクハットみたいなのをかぶっていて、顔がよく見えない。暑いのに、真っ白なカーディガンを羽織っている。レースのマキシワンピースをその中に着ていて、なんでか大人って感じがした。
でも、なんだか、この世界の人ではないというか、あまりにも綺麗すぎる気がした。人間とは思えないほどで。カーディガンの袖から覗いている指先は、雪みたいに本当に真っ白。ううん、むしろ、青白いといってもいいほど。誰もが見とれてしまうほどの美しさでうらやましいんだけど、綺麗すぎて、不気味にも感じられる。あたしは、早くバスが来てほしいと願った。
「あ、ねえ、バス来たよ!」
凛音が車道を指差す。その指が差す方を3人で覗き込むと、黄土色のバスがやってきた。一番後ろの4人掛けの座席に並んで座る。さっきの女の人は、優先座席に座った。
バスの中は冷房が効いていて、涼しかった。再びあたしたちはおしゃべりを始める。万実が携帯を取り出して、いろんな写真を見せてくれた。神崎さんが写っているものもあって少しびっくりしたけど、去年のクラス会だと聞いて納得する。そういえば、万実と神崎さんは去年同じクラスだった。それで、春休みにクラス会をしたらしい。
30分はあっという間に過ぎ、ショッピングモールに辿り着いた。
あたしたちはまずお昼ご飯を食べるために、フードコートへ向かう。そこでハンバーガーを食べてから、雑貨屋さんに入った。
雑貨屋さんの名前は『ORANGE』。ORANGEにはいろんな可愛いストラップがたくさんおいてある。だから、それを4人の仲直りのしるしとしておそろいにしようと考えたのだ。




