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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
暮羽編
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連絡

すっかり亀更新になっちゃってごめんなさい。

これからも亀更新ですがよろしくお願いいたします。

 お母さんが学校に連絡して、早速学校に行くことに。

 校長先生とか担任の先生と話すのは緊張したけど、そんなこと言っていられる場合じゃない。

 そう、あたしはいじめられているんだから。仕方ないことなのかもしれない。

 あたしの性格は絶対悪かった。人を見下したりとか、調子乗ったりして……。

 今振り返ると、目をつぶりたくなるくらい嫌な思い出。というか、思い出にもしたくない。

 それでも、それが仕方ないことだというのなら、仕方ないでいいかもね。


 ――――――だってこれは、神様があたしに下した天罰なんだから。


 それに文句を言う筋合いは私にはない。だから、いじめのことだって黙って耐えていれば良かったんんだ。

 そうしたら、お母さんにも先生たちにも迷惑をかけることなんてなかったのに。

 生きていてごめんなさい。

 あたしが初めて自分が下等な存在だったことに気付いた、ある秋の初めの日だった。


「暮羽、起きて」


 体を揺さぶられる。目を覚ますと、そこには懐かしい顔の子がいた。

 夏川梨央。小学校の時ちょっと仲良かった子。でも、何で梨央がここにいるわけ?

 っていうか、ここ……教室? あたし、確か話が終わった後、お母さんと先生だけで話すから外で待ってなさいって言われて、暇だから教室に入って自分の席に座って……あ、そのまま寝ちゃったのか。


「なんでいるの?」


 聞いてみると、梨央はにこっと笑った。キモいって。


「暮羽に会いたかったから」


「なにそれ」


 とりあえず二人でひと笑いする。そうだ、あたしはこういう友達を求めてたんだ。

 あんなおかしくなった友達じゃなくって、希望や梨央みたいな、私を本当に必要としてくれる人――――。

 ん? 本当に必要としてくれる……人? 私を本当に・・・必要としてくれている人なんているのかな。

 いっぱいいるってずっと思ってたのに、おかしいよね。今さらこんなことに気が付くなんて。


「暮羽? どしたの?」


「あ、なんにもないよ」


 そう言って愛想笑いする。愛想笑い、というかただ単に気持ちこもってない形だけの笑顔。

 あたしがたくさん持っていたのは形だけの友だち。

 あたしは、周りから見てどうであろうと、自分で思い込みしてただけなんだろう。あたしたちは友だち、あたしは女王様、高嶺の花。そういうつもりで・・・・・・・・いただけ・・・・だったんだ。

 本当は全然違うくて、ただの……ただの、クラスメイト。おかしくなっちゃった人たち。

 でも、おかしくなったのはみんなだけじゃない。あたしが一番最初におかしくなってたんだ。

 バカみたい。


「暮羽、行くわよ。もう、こんなところにいた――――あ、梨央ちゃん、だっけ? こんにちは」


 お母さんが教室の前の廊下に立って、手招きしている。梨央は「こんにちは」と愛想笑いらしくて、でも本当の笑顔で挨拶している。

 あたしも梨央や希望みたいになりたいな。

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