学校生活
「おはようっ、暮羽!」
後ろから肩を叩いてきたのは、あたしの友達、希望。元気で活発な女の子。
この子は、クラスの中でも、あたしの尋常じゃないほどのファンじゃない子。
最近、あたしのファンみたいなのが増えちゃってて、怖いんだよね。
でも、希望がいれば、何とかやっていけそうな気がする。
あたしはとても、希望がいることが心強かった。
「希望、今日は何かあった?」
毎朝、こうやって今日の出来事を聞く。
朝なのに、今日の出来事? って思うかもしれないけど、それは仕方ないこと。
だって、希望はすごく、色んなことに巻き込まれちゃう体質なんだもん。
だから、一応聞いておかないと、心配でたまらなくなる。あたし、もしかして希望のファンなのかな?
あたしがそんなことを心の中で思っていると、希望が心配そうにあたしの顔を覗きこんで「大丈夫?」と聞いてきた。
あたしは、にこっと笑って「大丈夫」と答える。
希望も笑顔になって、二人で笑いあった。
そんな、楽しい日常だった。
明るくて、希望に満ち溢れた、二人の世界。
希望とあたしの、幸せな日常。
すべてを、あたしは失った。
そんなこと、あたしは知らなかった。
いつもの日常。
朝は、希望も普通にあたしに接してくれて、怖いくらいにあたしに優しいクラスメートたちも、いつも通りだった。
なのに、今――――――。
どうしてあたしの体が濡れているの?
あたしは何もしていない。
何も、何もしていない。
みんなに嫌がられることなんて――――――!
なのに、どうして……?
どうしてあたし、今、いじめられているの?




