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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
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というわけで。

お久しぶりです。テスト二日前なのに更新するバカゆいです。

 帰りたい。帰らせて。っていうか教室から出たい。何この異様な雰囲気。


「前から思ってたけど、美冬って自己チューなんだよ! 周りのみんながウザがってるの分かんないの?」


 バカにするように、というか完全に挑発している友里恵。いや、むしろバカなのか。

 なんでわざわざいらないこと言うかな。挑発したって無駄なだけだよ。ちょっとは考えればいいのに。


「友里恵ちゃんこそ、そんなに大きな声出したらクラスのみんなに迷惑だよ? もう中学生なのに、そんなことも分からないの?」


「もう中学生……」


 すっかり時の人となった人物を思い浮かべ吹きだした。もう中学せ……。

 だめだ、私ほんとにこういうシリアスなシーン苦手だ。つかなんでシリアス苦手な私がいじめの話の主人公なんだか。


「バカにすんなし!」


 先にバカにしたのは友里恵の方だと思うが。


「すんなしってなにー? 私分かんないなぁ~」


 ぶりっ子もどうかと思うぞ美冬。

 ……なんて収拾のつかない争いなんだ。女子の争いマジ怖い。おっそろしーわ。


「そんなことも分かんないの? ほんと美冬ってバカだよねぇ~」


「えー、そんなことないよ~? 友里恵ちゃんよりはマシだし~」


 ちょっと待ってほんとに怖いってば。何これ女子ほんとに腹黒い。怖い。美冬も美冬だけど、友里恵もなんかすごい。まあ、一応いじめっ子だからこういうのは得意だよってやつすか。

 というか、友里恵は香華の手下的なやつで、香華は美冬の手下なんだったっけ? なら、これってもしかして仲間割れってやつか。怖いわー。



 と、そんな最悪の空気が流れたまま昼休みが終わった。終わっちゃった。

 まあいいや、授業中くらい大人しくするだろ。そう考えれば、ずっと授業の方がいい。休み時間なんていらん。


 先生がいる間は、美冬はおとなしく優等生ぶっていた。それがきっと友里恵たちからすればうっとうしいのだろうけど、先生がいるときに無駄に攻撃すると、優等生の美冬ちゃん率いる先生軍団に怒られちゃうからだめなんだよね。

 美冬、恐るべし。一人でも先生を味方につけてるから平気ですってか。強いな、鋼の心の持ち主だな。


 5時間目が終わって先生が出て行った瞬間、昼休みの闘いが再開された。ほんとに先生がいなかったら何でもするんだな、こいつら……。

 美冬も、先生の前でだけいい子ぶって、いなくなったらすぐ口悪くなる。友里恵とかも、すぐ言い返す。あの人たち、美冬にチクられるって言う考えはないのかな。まあ、チクったら美冬の本性も先生にバレるからしないか。


「……純香ちゃん、なんかみんな怖いんだけど」


「それは私も同感だけど」


 希望とひそひそ声で話していると、友里恵に睨まれた。えっ、なんで!? 私、敵じゃないよ。友里恵の方に付きたいかと言われればそうでもないんだけど、少なくとも美冬の味方ではない。美冬はやだ。なんか怖いし。

 っていうか、私をいじめてた中の主犯なんだよな? なら、あっちの味方になる理由なんて何もない。いや、友里恵の方に付く理由もないけど。だってどっちもいじめてたんだし。信じれるのは希望くらいだよ。

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