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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
62/109

これは昼休みの話である。

 と、まあ美冬さんが暴走して怖くなったところで前回は終わっておりましたー。んで、授業があって、そこらへんは特に何もなかったのですっ飛ばして。昼休みです。

 いつもなら私は平和に読書をするか希望と香華と何か話しているかどっちかなんだけど、今日はそうはいかないようなので、私も出来る限り美冬に攻撃を仕掛けようかと思ってます。

 ……です。



「ねー、美冬なんか偉そうじゃない?」


「先生味方に付けて絶対調子乗ってるよねー」


 教室がすごいことになっている。最近平和だったから「これ題名詐欺じゃん」状態になってたけど、そろそろ本格的に始まりそうだよ。

 っていうか、これってもともと私がいじめられてるっていうだけの話だったよな? なんで私平和に暮らしてんの? 話変わってますよ。


「ねえ純香ちゃん、そろそろ美冬にムカついてきた?」


「いや、もともとムカついてるけど」


 香華がひそひそ耳元で小さな声で話しかけてくる。気持ち悪いからやめてほしい。私はそのひそひそした声が気持ち悪くて嫌なんだよ。特に、耳元とかほんとにやめて。

 ん……? なんか、私の性格結構悪くなってる? ……もともとか。悲しい。


「だよね! 私も今すごくイライラしてる! 香華と同じ気持ちってのは嫌だけど!」


「希望まで参戦してきた」


「おいコラ」


 どうやら希望もイライラしているらしい。なんか、不穏な空気になってきたな……。怖いよ、なんか、いじめが始まりそうな予感がするよ!

 あ、ネタバレしちゃっ……げふんげふん。

 ちなみにキレてるのは香華。希望がいらないこと言ったからだろうけど、私はスルーする。


「まあ、みんな嫌がってるみたいだし、しばらくすれば美冬も落ち着くんじゃない? あの絶対的な女王様が、国民を無視して政治を続けるわけが……いや、続けるかも?」


「香華何の話してんの?」


 女王様だとか国民だとか、訳が分からん。そもそも、私は美冬が女王様だなんて認めてないぞ。あと、この教室は国じゃない。

 まあ、中学は社会の縮図とか言うし、気持ちは分からなくもないけどさ。


「でも、ほんとに美冬の事どうにかしなくちゃね。このままじゃ、クラスの雰囲気超悪いよ」


 希望が美冬の方を見ながら言った。美冬は、平然とした様子で席に座って文庫本を開いている。よ、よくそんなことができるな、この敵地の中で……。

 すげえよ、お前。尊敬する。いや、バカにしてるんじゃなくてほんとにマジで。


 その時、勇気ある集団たちが美冬に近づいた。


「ねー美冬、ちょっとうちらと話そ?」


 それは、香華の元手下の友里恵。めっちゃどす黒いオーラをまとっている。美冬に向けて放っているんだろうけど、こっちまで寒気がしてくる。友里恵さん怖いよ。


「なんで? 私今本読んでるんだけど。邪魔しないでくれる?」


 おお、美冬も美冬で言うね。いや、ほんとに私には真似できないよ。すごいね、この人たち。


「友里恵、やりすぎでしょ……」


 香華が苦い顔でそのやりとりを見つめる。希望も、食い入るようにして現場を見ている。私はかるーく眺めているだけ。差があるけど、仕方ないと思う。だって興味がないんだから。

 それにしても、これどうなるんだろうね? ま、どうでもいいけど。

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