金曜日③
純香編ではお久しぶりです。
今月は頑張る!今月は頑張る!
……そう言って三ヶ月ほど経ちました(笑)
今月は……そうですね、受験生なので、微妙ですね。
出来るところまで頑張ろうと思います。
「香華ちゃんさあ……自分の立場分かってんの?」
美冬がそう言うと、香華は少し戸惑ったように視線を床に落とした。え、なにこれ、このままドラマ的な展開が始まっていく感じ!? 嫌だ嫌だ、私の席で変なことするんじゃない!
「なんで、そんなこと言われなきゃいけないの?」
お、香華が言い返した。でも、やっぱり香華の方が立場は下っぽい。じゃあ、あのカーディガンを貸した時のあれはなんだったんだ……。
あの時のかわいこぶってた美冬はもういない。今の彼女は、最高に怖い。ほんと怖い。まじでボスっぽい。さすがモンスターペアレンツの娘!
って、何言ってるんだろう私。さっきからキャラおかしすぎんだろ。
「は? マジでさ、香華ちゃんもうちょっと立場わきまえたら? それともさ」
美冬は一度そこで言葉を止めた。それから、今まで聞いたこともないような低くて、まるで井戸から響いてくるような心霊現象的な声で、香華の耳元でつぶやいた。
「――――バラしてもいいの? あのこと」
あのことが何かは、私には分からなかった。けど、その瞬間香華の顔色が変わって、下唇を噛んだから、きっと何かあるんだろうということは私でもなんとなく察することができた。
そうか、香華、なんか美冬に弱み握られてるのか。なるほどなるほど、だからか。って、なに納得してるんだろう私。
まあでも、私に香華をかばう義務はないから、ここは放っておこうと思う。ひどいと思われるかもしれないけど、私は構わない。ひどいと言われたって、そんなのどうでもいい。
面倒な事にはかかわりたくないし、わざわざかばってやるとか、そんなかっこつけたようなことはしたくない。第一、私そういうキャラじゃないし。
このままだと私も巻き込まれかねないので、悪いとは分かっていたけど私は言った。
「悪いけど、私の席でそういうのやらないでくれない? めんどくさいから」
「ちょっと純香ちゃん!」という、希望の声が聞こえてくる。うるさい黙れ。鼓膜潰れるだろうが。
「あ、うん。ごめんね。ほら、美冬ちょっとこっち来て――――」
「触んな」
香華が私に謝り美冬を連れて行こうと彼女の腕を掴むと、美冬はその手を振り払って刺々しい声で言った。こっわ。女子怖いんですけど。なんなのこの人一週間前とキャラ変わりすぎだろ。
いや、ほんとに怖い。触んなとか、いくら私でも傷つくわー。
「香華ちゃんさ、何自分一人で勝手に仕切っちゃってんの? マジでうっとうしいんだけど」
いや、うっとうしいのはどちらかというとお前なんですけど……。っていうか、マジでさっさとどっか行けよなこの二人。
ちなみにおろおろしている希望は意外にもかわいかったので放置した。




