暮羽さん怖い。の話
祝☆50話目!!
純香編が50話に突入しました!
第一話のプロローグに表紙的なものを貼り付けました。
よかったら見てください!
嫌だもうほんと怖い。
なに? あの言い方。普通に言ったよ! サラッと言ったよ!
「……これだから女子は、ほんと怖いわー。マジ怖いわー」
「純香ちゃん、棒読みでぼそぼそ言ってるの怖いよ。やめて」
暮羽がそう言った。お前には言われたくない。
なんなの? もうほんっと怖いわー。ホラーだわー。人間の恐ろしさ目の当たりにしちゃったわー。
「純香ちゃんがおかしくなった~! ねずみのせいだ~!」
希望がうるさい。おかしくなんかなってないぞ。私的には、どちらかというと暮羽の方がおかしい気がする。ねずみとか持ってるし、子供っぽいってサラッと言うし、悪びれてもないし。
もう、なんかほんと、とりあえず女子怖いね!
はい、以上! QED! 証明終わり! 証明してないけど! まずQEDって意味あってるのかすら分からないけどな!
「希望、何気なくあたしのせいにするのやめてよ」
暮羽がなぜか希望に怒っている。ねずみの話か。希望、なんかいっつもとばっちり受けてるな。かわいそうに。私は関係ないけど。
「え、してないよ! 私は、ねずみのせいだって言っただけで……あ、ごめん」
暮羽の言った意味に気付いたのか、希望はしおらしく謝った。うーん、別に今のは希望が謝る必要はなかったと思うんだけど。でもまあ、別に希望が嫌がってないんだったらいいのか。
暮羽は「いーよいーよ」とか言ってるけど、そんなにすぐ許せるんだったら最初からキレるなよって私は思う。ほんと女子意味分からん。
「ねーねー純香ちゃん。それで、トランプは?」
「は?」
トランプ? 一緒にするってこと? それとも、くれってことか?
「いや、今一緒にやるのならいいけど、あげるのは無理だよ?」
「あ、くれなくてもいいの! そりゃーくれるって言うんだったらもらいたかったけど、仕方ないもんね! ネットで探してみるよ!」
ネットで探すのか。まあ、頑張れ……。
「あっ、それで、一緒にトランプしない?」
暮羽はそう言って私の家にある唯一のトランプを拾い上げた。トランプするなんて、久しぶりだなあ。
「別にいいけど……。希望は?」
「あ、うん! 私もやる!」
私が訊くと、希望はこくこくと頷いた。すっかり乗り気だな。さっきまで、あんなにねずみねずみってうるさかったのに。
暮羽の方を横目で見たけど、別にどうってことなかったから三人でやるってことでいいんだろう。というか、むしろこの三人で狭い部屋にいるっていうのに、希望だけトランプに参加させないとかだったら、もうそれいじめだろ。
……そういえば、私、最近いじめられてる感が全くしないな。そうか、香華がなんか知らないけど私に引っ付いてくるようになったからか。
そのせいで私は美冬にとばっちり受けてるんだけどな……。ほんとめんどくさい。
 




