これだから女子は①
今日は二話投稿します。
「ねー暮羽、ほんとごめんって! 許してよぉ~」
暮羽に必死に謝っている希望を見ていると、だんだんイラついてきた。どっちに? どっちも。
あんだけ言われてんのになんも言わない暮羽も暮羽だし、それに対して何も言わない希望も希望。どっちもかなりムカつく。
って言っても、私には関係ない話なんだけどね。でも、別に希望は暮羽に隠してたわけじゃないんだから、暮羽がショックを受ける必要はなくない? ほんと女子って意味不明。めんどくさいなあ。
すると、やっと暮羽が口を開いた。
「……もーいいよ! あ、あたしも、変なこと言ってごめん。希望はそんなことする子じゃないもんね。ごめんね希望」
「……暮羽ぁ~!」
希望が暮羽に抱きついた。おい、いちゃいちゃするのやめろ。
うーん、でも、この完結の仕方、あんまり私は納得いかない……。って、だから私は関係ないんだっつーの。人のことにあんまり首突っ込むと面倒なことに巻き込まれるから嫌なんだよね。
「それじゃ、三人でなんかしよー!」
希望がハイテンションでそう言った。暮羽に許してもらえたから機嫌がいいんだろう。ほんと、単純なやつだな。
「なんかって、なに? 純香ちゃんち、ゲームとかあるの?」
「あるわけないだろ、ちゃんと見ろこの殺風景な部屋を」
暮羽の言葉に、私は冷たく言い返した。この口調、自分でもどうにかした方がいいってのは分かってんだけど、そんなすぐにやめられたら私も苦労してないしね。というか、この口調がもっと早く治ってて、もうちょいフレンドリーだったらいじめられていないような気がするんだけど。
まあいいや、過去のことは。どうせ今はそこまでいじめってのはないわけだし。平和平和。
「そっか~。で、希望は何するつもりなの?」
暮羽がそう言うと、希望はうなりながら何かを考えているようだった。考えるのはいいけど、うんうんうなるのはやめてほしい。うっとうしいぞ。
「トランプとか?」
「トランプ?」
希望が言ったその一言に、私と暮羽は訝しげに聞き返した。トランプなんて、うちにあったっけ。あ、そういえばピザ屋でもらったおまけのトランプが机の引き出しに入っていたような……。
そう思って早速机の引き出しを上から順に探していくと、二段目の引き出しの奥の方にトランプがあるのが見えた。取り出して、二人に見せる。
「あったけど……やる?」
希望は目を輝かせてトランプに飛びついた。お前は犬か。
「あったの!? ほんとに言ってる!?」
「見たら分かるだろ」
希望は本当にボケ体質だな。こいつのこれもどうにかしてほしいものだ。
一方暮羽は、希望が手にしたトランプをじっと凝視していた。な、なになに? もしかして、暮羽も同じのを持っていたとか?
「……純香ちゃん、これ」
「ん? これは、どっかのピザ屋でもらったおまけの――――」
『トランプ』と続けようとしたところで、暮羽に遮られた。
「ちょうだい!!」
「……は?」
このトランプを、暮羽に?




