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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
42/109

つまらない。

「だあああぁぁぁっ!」


 私らしくない。そう思った。

 なんで、私叫び声をあげてるんだ? 別に、叫ぶことなんて何もないはずだ。ならなんでイライラしている? ……分からない。


 それもこれもきっと、希望と暮羽のせいだ。うんそうだ。それしか考えられない。そうだ、きっとそうだ。

 なんだよ、無理やり押しかけといて出て行かせたら別にドア開けたりしないんじゃん。

 鍵閉めるなんてそんなホラーなことしないのに(つーかまずこの部屋に鍵ないし)、バカかな、あの人たち。ドアノブひねれば開くっつの。

 これだから頭のおかしいやつは困る。オカーサンに怒られたらどうすんだよ、外であんなに叫びやがって。

 でも、中に入れようとはしない。部屋のドアのかぎがもともとついていなくて、つっかえ棒もしていなくて普通に開けられるといつ気付くか、どうせなら実験してやろーじゃねーの。


「純香ちゃん! 開けてーっ!」


 この声は希望だ。おい、ドア叩くな。だから開くっつってんだろ。

 ドアをどんどんと叩く音が、しばらくすると聞こえなくなった。耳栓していても聞こえるほど叩くとは、随分バカ力なものだな。


「……ドリームトラベル、全っ然面白くないし」


 久しぶりに読んだ意味不明な漫画は、やっぱりまったく面白くなかった。面白味がない。まったく。

 大体、なんでこんなに長々と連載続けてたんだ作者は。面白くねえし! よく連載停止にならなかったな!

 内容を簡単に言うと、まあ、普通の中学生男子が夢の中を旅する女の子に出会って一緒に夢の中の悪魔(そいつがよくある悪夢を見せているという設定)を倒す話なんだけど、そいつラスボスだからもちろん強い。

 そしてその次の展開、まったくわからん。時空を越えた~とか未来からの刺客(大勢)とか意味不明。登場人物が極端に増えて顔と名前が一致させられないようになるし、最初の設定がごちゃごちゃになる。

 暇つぶしに何度も呼んだけど、未来からの刺客編が刺客多すぎて味方か敵かよく分からん!

 だからまあ、つまりは駄作なんだ、きっと。なんでこんなの世の中に出回ってるんだろう。長く話を続けられるのはすごいと思うけど、もっとマシな設定なかったのかよ。


 ……とまあ、そんなわけなのですが。


「……希望たちは一体何してるわけ?」


 耳栓を外す。音はまったく聞こえない。シーンという音が聞こえてきそうだ。つか、そんな音あるのかよ。

 それから、とにかく耳が痛い。静かすぎて痛くなるってホントだね。耳の奥が変な感じする。

 まあまあ、そういうことは置いておくとしてもさぁ。


「……希望たちは、一体何してるわけ?」


 え? なんで二回言ったかって?


 ――――大事なことだからだよ。

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