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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
37/109

帰らせろ

 そのあともずっとずっとずっとずっと!!

 暮羽って子と希望は感動の再会を果たしてべらべらくっちゃべってんだよバカ野郎!

 なんかもう暇だし、私帰りたいんだけど。この二人の会話意味不明だし、つーか佐伯市ってどこだよ。聞いたこともねえよ。


「あ。ねえ、純香ちゃんはなんの部活に入ってるの?」


「は?」


 暮羽ちゃんに突然話を振られて、私は間抜けな声を出した。やっべ、は? とか言ったら絶対キレられる。

 いくらこんなに優しそうな顔してる暮羽ちゃん……いや、暮羽でも、キレる。多分。

 と思ったけど、寛大な心の持ち主二篠暮羽は笑顔でもう一度質問内容を復唱してくれた。いや、質問は聞き取れていたんだけどね、話しかけられたことに驚いて「は?」とか言っちゃったわけであって、決して質問を聞いていなかったわけではなく……って、なんかめちゃくちゃ言い訳だな、これ。


「いや、部活は入ってない」


 だから今日も美冬に連れ去られたわけなんだけどな!

 まったく、あいつの態度は本当にムカつく。そしてなにより美冬の母親ボス

 なんなんだよ美冬の母親ボス! この私のどこがいじめっ子に見えるってんだよ!

 たしかに目つきは悪いわ愛想も悪いわいつも不機嫌そうな顔してるわ、明らかほんわかタイプじゃないことは自分でも分かってるけどさあ! でもさあ!

 自分で言うのもなんだけど、人様の娘にたいしてその態度はなくない?

 美冬の母親ボス、あなた絶対ママ友にひかれてるタイプでしょ。出しゃばりすぎて陰であるぐち言われちゃうタイプでしょ。

 PTA会長とかなっちゃうタイプでしょ。んで、出しゃばりだとかこそこそ言われるタイプだろ!! そういうテンプレあるんだぞ! 知らないけど!


「そうなんだ~! あたしも入ってないんだ。あんまりいい部活ないし、運動部とかって暑苦しいじゃん? あたし、ああいう雰囲気苦手でさあ……」


 そこから暮羽のいかに運動部が暑苦しいかという熱弁を、私は黙って聞き流していた。暮羽よ、一番暑苦しいのはまさに今語っている・・・・・お前ではないのか。


「それでね、女子のバレー部の先輩なんて怖いんだよ!『やる気ないんだったら今すぐあたしの目の前から消えろ!』とか言ってるし、女バスなんて毎日誰か泣いてるもん。あーゆーのほんと無理。めっちゃ怖い」


「ソウカソウカー、ワタシモオンナジカンガエダヨー。キグウダネ、ワタシタチキガアウネー」


「純香ちゃんめっちゃ棒読みだけど!」


 暮羽の熱弁をちゃんと聞いてるよ宣言をするために同意してみたけど、逆効果だったようだ。希望が棒読みという最大の欠点を早速指摘してきやがった。ちっ。

 それより早く帰りたいんだが。私制服だぞ。忘れてるのか希望。

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