第3試合 ラウンド2 純香VS美冬
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そして時はきた。そうです、放課後です。……どこ行けばいいんだっけ? ああ、そうそう調理室だ。あっぶね、なんとなく呼び出される場所と言えば屋上だからって、屋上を想像してたな。
この学校は最近では珍しい(?)屋上開放中学なんだよね。屋上使ったことないけど。どろどろの水たまりだらけで汚いらしいからさ。誰も寄り付かないって噂。お姉ちゃんがそう言ってたんだよねー。そう言えば最近お姉ちゃんの態度もだいぶ軟化してきたんだ。なんかいいことでもあったのかな?
無事調理室に到着。しかし、あいつはいない。人の影さえ見当たらない。こっちの方は誰も来ないからたしかに呼び出しには最適な場所かもしれないけど、待たされてる方は怖くてやばいよ! 膝が震えてきた。やべえ。
「おまたせ純香ちゃん」
おせーよ! そう叫びたくなった。呼び出した方が遅刻とかありえねえんだからな! ふざけんなっ、いつまでも清楚系お嬢様の立場でいられると思うなよ! 今日からお前の立場は悪役お嬢様に転落だからなっ!
……こういうこと考えてるから私は悪役なんじゃんか。
「それで、用件は?」
「ふふ、わかってるんでしょ?」
いやいや、知らねえし。あんたに呼び出されるようなことした覚えねえし。意味不明、理解不可能。却下論外以下同文。
「香華ちゃんってさあ、バカだと思わない?」
「は?」
なんか唐突だな。あれ、こいつ香華のこと下に見てる? えっやっぱこいつラスボス?
ってか、香華がバカなことくらいみんな知ってますけど。あの子は確かこの間のテストの結果がさんざんだったって噂……。もうそろそろまたテストがあるから、香華は確実に死ぬな。中1の時も相当だったらしいし、私立行きかもしれない。それか中卒? いやいや、中卒ではろくなところで働けないよな。今はみんな高校行ってるし、高校は出なきゃ生活していけないよ。
って話がそれた。で、何の話だっけ?
「香華ちゃん、私に秘密がばれて散々こき使われて、結局あなたのところに寝返っちゃったのよ? あの子、私との取引忘れたのかしらね……」
「何の、話……?」
秘密? 取引? 何の話だよ……。全っ然わからん。さっぱりわからん。
でも、美冬の話が本当なら、香華は私の事が本当は好きで、美冬に指示されて動いてたってことか・ なら友里恵は手下の手下だな。あ、なんか友里恵って名前久しぶりに聞いた気がする。あの人、うちのクラスだったっけ。
クラスの人の名前なんて覚える気ゼロだったけど、香華のせいで3人も覚えちゃったじゃん。あーもう、ふっざけんな。
私がそんなことを考えてボーっとしていると、美冬が妖艶に微笑んだ。って、妖艶ってどういう意味だよ。
「純香ちゃん、わからないの? 香華ちゃんは私に弱みを握られていたってことよ」
「……はあ」
それをわざわざ私に言ってなんだっていうんだ。別に驚かないし、あぁだから香華はあんな態度だったのかーと納得できたくらいで。え、なになに? 私が驚くとでも思ってたの? 美冬は反応の薄い私を見て目を細めた。
「純香ちゃんって、見かけによらず読解力ないのね。理解力、っていうのかな? なーんか、バカっぽいし」
……バカっぽいお前がなにを言う。読解力ないのはそっちだろ。理解してるっつの。反応が薄いだけだよ、勝手にバカ扱いすんな。こういう決めつけタイプ女子嫌い。ってか、女子という生き物が嫌い。特にこういう女子ほんと嫌い。なんなの人をバカ扱いして。マジでうっとうしい。一言で言うと、消えてほしい。
…………あっ、今の冗談。