第3試合 ラウンド1 純香VS美冬
遅くなってごめんなさい
暮羽編も頑張ります
新編も作ってますので、もうしばらくお待ちくださいm(__)m
前回のあらすじ
勝者:希望
勝者より一言:えっ、えっ!?
ついに最終決戦の時は来た。ラスボス美冬が現れたっていう、さ。
「ねえ純香ちゃん、ちょーっといいかな?」
皆さん、このぶりっ子のことを覚えているでしょうか。私が以前香華の手下だと思っていたあの雪谷美冬です。通称ぶりっ子です。あれ、なんかうちのクラスぶりっ子族多いな。まあそんなことはおいといて。
「なに?」
私が聞くと、相変わらずの笑顔で彼女がささやく。希望には、聞こえないように。うわーこういう系の女子ほんと嫌い。あれでしょ、女子がよくやるこそこそ話とかして悪口とか恋バナしてにやにやしてんの。何が面白いんだよって思うけど、私も一応女子だっけ。
「――――放課後、調理室の前に来てね」
ひー怖っ。呼び出しかよ、マジでめんどくさい。やめてほしいんだよね、こういうやつ。なんでわざわざ私がお前なんかのために放課後の貴重な時間を割いてやらねばならんのだよ。
あ、そういえば最近、下等な人間って言うことなくなったな。ちょっとは私も性格が良くなったのかも。いや、でも私の心の声を聞けば誰もが「性格悪いな」と口をそろえて言うだろう。うん、超予想できる。
「はい、はい……」
「二つ返事は信用できないよ~」
適当な返事をすると美冬にそう指摘された。知るかそんなもん。私が大人しく言うこと聞いてるうちにさっさとどっか行け。これ以上なんか言ったらほんとにキレるからな!
「はいはい」
「…………まあ、純香ちゃんだからいいよ。純香ちゃんだから……ね」
えっ何その特別感マジ怖い。えっ怖っ。マジで怖いんですけど。純香ちゃんだからねって、やだほんとに怖いんですけど。何こいつもしかしてヤバいタイプか?
「じゃあ、後でね」
美冬はにこにこといわゆる偽善者っぽい笑顔で去って行った。
「じゅ、純香ちゃん、今の何だったんだろうね……なんて言われたの?」
「秘密」
「えーひどい! いいでしょ、あの子だってきっと香華と仲良いんだから敵だよ、敵!」
別に私は敵とか味方とか考えてない。自分にとって邪魔な存在とは仲良くしない。ただそれだけ。香華はともかく、美冬は結構厄介だな。香華と違って、頭良さそうだし。あいつはバカだからな。人は見かけによらないって、まったくその通りだよ。
香華は勝気な感じのお嬢様……あれ、バカそうに見えてきた。んで、美冬は清楚系お嬢様……うん、普通に秀才タイプだな。あれ、なんか私間違えた気がする……いろいろと。
っていうか、横でぎゃあぎゃあうるさいぞ、希望。私の邪魔をするやつは許さないからな! 私の邪魔をするやつな! ここ重要! 別に香華の邪魔してくれたって結構だけど! 香華は別にどうでもいいし、はっきり言って!
……え、香華に失礼? あんなやつに失礼も何もないですないです。一応いじめっ子だよ? みんな覚えてるー? そして私はいじめられっ子だよー? なんでみんな私の立場を悪くするのかなーなんでみんな私を責めるのかなーなんでみんな純香が悪いみたいな目でこっちを見てくるのかなー?
なんかみんなひどいぞ。私の扱いが雑すぎるとは思わないか。これでも主人公なんだからな。おいお前、希望の方が好きとか思ってるだろ。別にいいけどさ。あ、あと私はツンデレではない。
「ねー純香ちゃんってばー」
希望がゆっさゆっさと肩をつかみ揺さぶってくる。あーもーこういうのウザいからやめていただきたく。なんで女子ってこういうことするんだろうなぁ……。
女子の群れなんてどうせ自分にとって得である情報を聞き出すためだけのものでしょ。愛だー友情だーなんてそんなものはなくて、ただの薄っぺらい関係なわけだし。男子みたいにぎゃあぎゃあ騒いで、たまーに悪口を言い合うだけじゃない。ほとんどが悪口とか恋バナとか。あいつはあいつが嫌いとか好きだとか、正直どーでもいいんですけど。なんで人の恋愛沙汰に首突っ込むわけ? あんたバカ? ……って、私の意見なんか間違ってる? ほんっと、くだらない。
「はいはい希望はあとでかまってあげるから黙ってて」
「えっ純香ちゃんなんかひどいよ?」
はい無視無視。私の本命は美冬だけだかんねー。放課後なにされるんでしょうねーわー久しぶりだなぁめっちゃ楽しみー。と、まあ棒読みなわけですけれども。
手を出さないように気をつけていないと。気がつけば殴ってましたなんていうことになったら、私今度こそ悪者だからな。悪役なんてなってたまるか。これでも私は元いじめられっ子だよ! っていうか、現在進行形でもいいかもしんないけどっ!