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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
3/109

授業

 一時間目は数学だった。教科書なんてもちろんないし、適当にやっておいた。

 私って、影薄いから目立たないし、ラッキー。絶対授業で当たらないんだよね。いや、無視されてるのか……?

 ま、どっちでもいいんだけどね。勉強しないからテストやばい、とか気にしない気にしない。

 幸いお姉ちゃんの教科書があったから、それ使って勉強してる。あ、なんで持って行かないのかというとそれはまた盗まれちゃうからで……。

 いじめの事を知ってるのはお姉ちゃんだけだし、お姉ちゃんもたまに教科書使ってるから、迷惑かけるのもあれだしね。てなわけなんだよ。

 って、私最近独り言多いな。しゃべる人がいないからか? 悲しい。

 まあ、それはいじめられてないときでも一緒だったけど。ま、いじめなんてどーでもいいんだけどね。私からしたらただうるさいだけだし。こんなくらいで傷ついてたらダメだね、この世界で生きていけないよ。

 死ね?

 ふざけんな。

 消えろ?

 お前がな。

 ブス?

 それがどーした。

 って感じの人間だから、いじめなんてへっちゃらなんだ。こんなのでいいのかってちょっとある意味心配なんだけどね。

 でも結局、まあいっかーで終わっちゃうっていう、適当な人間ですね、はい。そういう人間なんです、私。


「あー、数学ダルーい。ストレス発散でもしよっか。もちろんあれでね~」


 授業が終わって先生が教室を出て行った途端、香華が私の方を指差して言った。人の事指差しちゃいけないって、幼稚園の時習わなかったのかな? それにしても先生いなくなった途端あれかよ。女子怖い。

 ま、バカで下等な人間だから仕方がないか。なーんて、私が侮辱してるなんてことも知らずに、こそこそ話ってのをしてる。多分、作戦会議でもしてるんじゃないかな。いじめについての。

 相変わらずバカな猿たちだな。見てて面白いよ。ギャグマンガ見てるみたいで。よくあんなことして生きていられるよね。すごいよ、うん。

 私はしばらく猿たちのこそこそ話とジェスチャーのようなポーズを鑑賞して笑ってたんだけど、10分休みが終わってチャイムが鳴ったので、猿たちはやっと自分の席に帰った。

 あぁ、動物園で珍しい猿を見た気分だったよ。って、私がまた侮辱してることも知らずに、授業に励んでる。まったく、ころころ態度変えるんだね。

 あの香華って言う猿は、理科の何とか先生のことが好きらしい。

 さすが猿。考えてることがすぐに顔に出るんだね。よくそんなに分かりやすい態度とるよね。自分がいじめてる人がいるっていうのに。弱みとか握られちゃってもいいのかな。


 ――――――カサッ


 突然、何かが私の足元に落ちた。白い球、いや、紙だった。

 落としたのは、あの猿、香華。何のつもり? これ開けるとめんどくさそうだし、帰ってから開けよう。いや、イモムシでも入ってたら困るし、帰り道に開けよう。

 うん、そうしよう。

 私はその白い紙を拾って、机に置いた。香華はとても驚いていた。

 でも、私は思いっきり無視する。理科の授業では6人班にならないといけないので、机を動かしくっつける。そして、私たちの机に配られたプリントを自分の方に一枚引っ張った。同じ机に座っている人たちは私から思いきり離れているけど、まぁいいや。

 なんか、気を使ってくれてるのかな? って、んなわけないか。私が嫌なのか。

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