第1試合 ラウンド2 純香VS香華
お久しぶりです
さぼっててすみません
「ってかさ、純香ちゃん」
「なんでしょう香華サン」
絶賛ふざけ中。もう私、疲れました。放心状態。そのせいでキャラブレが激しい。最初の自分見たら「誰これ」ってなるフラグ立ちまくり! だよ!
ちょっと前の私からしたら、今の私を見たら「え! 誰これ!」と思ってるだろうなー。だっからやっぱりキャラがぶれすぎなんだよ、多分。
「話し方がおかしいよ」
「はあ」
話し方がおかしいと言われても。
「それとね、純香ちゃん」
「はあ」
まだあるのか、香華。
「もうちょっと真面目に聞こう?」
「はあ」
真面目に聞こうと言われても。
「それからね純香ちゃん」
「はあ」
まだあるのか!? 香華。
「そういうとこも好きだけど、やっぱりもうちょっと私の目を見て聞いてほしいなあ」
「はあ」
目を見て聞いてほしいなあ、と言われても。
「困ります」
あ、つい本音が。私は口を押さえた。無駄だけど。いいんだよ無駄でも。雰囲気雰囲気。
「え? 困る、って?」
不思議そうな顔をして訊いてくる香華。あーあー、顔近づけるんじゃない~。キモいって! ったくもう!
「やーめーろっ!」
香華の顔を手でぐりぐりしてつぶしていく。ふははは、いい様だ。って、なにこれ私完全悪役だろ。違うっ、違うからっ! もともと悪役は香華! 私は被害者! 一応これでもいじめられっこ役だよ!!
……ああ、もう興奮すんのやめよう。バカらしくなってきた。
「ちょっ、純香、ちゃん!? 痛いし、痛いし! しかも、顔つぶれるよ!?」
香華の嘆きは私の耳には届かない。自分の世界にダイブ中。マイワールド最高!
私って、いじめっ子っぽい性格なのかな……。うん、そうだよね……だって、こんなに性格ひねくれてるんだもんね。ふはははとか一応心の中だけど言っちゃってるし、いい様だって人の不幸を嘲笑ってるし、ああもう、私完全に悪役じゃないですか。
そんなことを考え続けてうーむうーむと悩んでいた。どれくらい経っただろう。気がつけば、香華はいなかった。だろうな。
ついに香華も私を裏切ったよ。このやろー。いや、別にいいんだけどね。香華なんてどうでもいいんだけどね。……私、ただのツンデレじゃないか。どういうことだよ。
「あ、あれって片原さんじゃない?」
「え、あれ? ほんとに? あんな感じじゃなかった気がするんだけど」
「トゲがないよね」
「前までトゲだらけだったくせにね」
廊下からそんな声が聞こえてきた。……何で噂されてんの? 私なんかした? やらかした?
「ってかさあ、片原さんって怖くない?」
「あっ、わかるー。目つき悪いからかな? なんか話しかけにくいというか」
「それ、トゲのせいじゃない?」
「えっ、じゃあ歩夢は今は話しかけられるってこと?」
「いや、そんなんじゃないけどさあ」
一方的な意見ヤメロ。目つき悪くて悪かったな。ってか私、怖いとか思われてんのかー。これでも一応元いじめられっ子なんですけど~? 皆さん、なんか私には冷たいですね。これでも元いじめられ(以下略)
「純香ちゃん純香ちゃん」
つんつん肩をつついてきたのは希望。あの、つんつんするのやめてくんない? 地味にこしょばい。




