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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
28/109

第1試合 ラウンド2 純香VS香華

お久しぶりです

さぼっててすみません

「ってかさ、純香ちゃん」


「なんでしょう香華サン」


 絶賛ふざけ中。もう私、疲れました。放心状態。そのせいでキャラブレが激しい。最初の自分見たら「誰これ」ってなるフラグ立ちまくり! だよ!

 ちょっと前の私からしたら、今の私を見たら「え! 誰これ!」と思ってるだろうなー。だっからやっぱりキャラがぶれすぎなんだよ、多分。


「話し方がおかしいよ」


「はあ」


 話し方がおかしいと言われても。


「それとね、純香ちゃん」


「はあ」


 まだあるのか、香華。


「もうちょっと真面目に聞こう?」


「はあ」


 真面目に聞こうと言われても。


「それからね純香ちゃん」


「はあ」


 まだあるのか!? 香華。


「そういうとこも好きだけど、やっぱりもうちょっと私の目を見て聞いてほしいなあ」


「はあ」


 目を見て聞いてほしいなあ、と言われても。


「困ります」


 あ、つい本音が。私は口を押さえた。無駄だけど。いいんだよ無駄でも。雰囲気雰囲気。


「え? 困る、って?」


 不思議そうな顔をして訊いてくる香華。あーあー、顔近づけるんじゃない~。キモいって! ったくもう!


「やーめーろっ!」


 香華の顔を手でぐりぐりしてつぶしていく。ふははは、いい様だ。って、なにこれ私完全悪役だろ。違うっ、違うからっ! もともと悪役は香華! 私は被害者! 一応これでもいじめられっこ役だよ!!

 ……ああ、もう興奮すんのやめよう。バカらしくなってきた。


「ちょっ、純香、ちゃん!? 痛いし、痛いし! しかも、顔つぶれるよ!?」


 香華の嘆きは私の耳には届かない。自分の世界にダイブ中。マイワールド最高!

 私って、いじめっ子っぽい性格なのかな……。うん、そうだよね……だって、こんなに性格ひねくれてるんだもんね。ふはははとか一応心の中だけど言っちゃってるし、いい様だって人の不幸を嘲笑ってるし、ああもう、私完全に悪役じゃないですか。

 そんなことを考え続けてうーむうーむと悩んでいた。どれくらい経っただろう。気がつけば、香華はいなかった。だろうな。

 ついに香華も私を裏切ったよ。このやろー。いや、別にいいんだけどね。香華なんてどうでもいいんだけどね。……私、ただのツンデレじゃないか。どういうことだよ。


「あ、あれって片原さんじゃない?」


「え、あれ? ほんとに? あんな感じじゃなかった気がするんだけど」


「トゲがないよね」


「前までトゲだらけだったくせにね」


 廊下からそんな声が聞こえてきた。……何で噂されてんの? 私なんかした? やらかした?


「ってかさあ、片原さんって怖くない?」


「あっ、わかるー。目つき悪いからかな? なんか話しかけにくいというか」


「それ、トゲのせいじゃない?」


「えっ、じゃあ歩夢あゆむは今は話しかけられるってこと?」


「いや、そんなんじゃないけどさあ」


 一方的な意見ヤメロ。目つき悪くて悪かったな。ってか私、怖いとか思われてんのかー。これでも一応元いじめられっ子なんですけど~? 皆さん、なんか私には冷たいですね。これでも元いじめられ(以下略)


「純香ちゃん純香ちゃん」


 つんつん肩をつついてきたのは希望。あの、つんつんするのやめてくんない? 地味にこしょばい。

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