第1試合 ラウンド1 純香VS香華
遅くなってすみません
純香の攻撃!
「あんたさあ、なに人のことバカだとか言っちゃってんの? ちょっと許したらこの有様? 救いようがねえな」
香華に50のダメージ!
「し、仕方ないでしょっ、だって、それはっ」
香華は『言い訳』を使った! しかし、純香には効かない!
純香の攻撃!
「私さあ、嘘つくやつと誤魔化すやつ、大っ嫌いなんだけど」
香華に100のダメージ! 香華はひんし状態だ!
「あと、いじめするやつもな」
香華に1000のダメージ! 香華は降伏した!
「ごめんなさい」
そして、今に至るわけなのである。
「香華?」
「な、なに」
「さっきの告白は結局何だったわけ?」
「あ、あ、あれは本気だったよ、でも」
「言い訳するやつも嫌い」
「嫌いな人多いね」
なぜに私がこんなことを言われなければならないんだ。私は悪くないんだぞ、多分。
「うるせえ」
「なんで口調がおかしくなってんの」
「一番変わったのはあんただけどね」
「うん、それはそうだけど、でも」
「さっきからでもでもうるさいんだけど」
会話ばっかりになるのは面倒なので、そこから私は黙ることにした。面倒だ。
それにしても、なんで香華は私に好意(?)を寄せているんだ。私はこいつに好かれるようなことなど一度もしていないが。
「純香ちゃんさ、かわいいよね」
「……は?」
「だから、ほら、かわいいねって。だって、照れてるし」
「……は!?」
照れて、る? どこが! 私は無視していただけなんだけど。これだから香華は。
「顔赤いよ?」
……さっきは私が有利だったのに。なんで形勢逆転。赤くないし。なんで香華がいじる側になってんの。どちらかというといじめる側であって、なにそのSな感じ。うざい、私はマゾじゃないんだぞ。
「もー照れないでよ、こっちが恥ずかしくなるじゃん」
「意味わかんねえけどな!?」
何が照れないでよ、だ! 私は照れてなんかないって言ってるじゃねーか! このやろうふざけてんじゃないぞ。ちょっと私が下手に出たらなんだ、さっきの降伏はなんだったんだ。
「意味わかんないの? なら教えるよ~。だからね、純香ちゃんが~」
「もういいから黙れ」
「ひっ、ひどい!」
相変わらずうるさい香華は無視することにした。これ以上相手にしていてもなんの意味もない。私には何の得もない。得がないのならわざわざ話し相手になってやる必要もないんだし。
ふてくされる香華をしばらく放置していると、なぜか逆ギレしてきた。
「なんでそんなにあたしのこと嫌いなのっ! ひどいよ! あたしが純香のこと好きなの知ってんじゃんか!」
私、ぽかん。好き? ああ、友だちとしてね。いや、そうじゃなくて。純香? 呼び捨て? ふぁ?
「どうしたの香華」
「いや、なにもない、忘れて」
「うん」
「絶対忘れてくれないよね」
「うん」
私はそんなに記憶力は悪くないぞ。だからこんな面白いこと忘れるはずないんだよ。ふははは、残念だったな。これでお前の黒歴史が新たに刻まれたのだ! ……何キャラだよ、私。バカかよ。
とりあえずまたまた形勢逆転。私は所詮マゾになんてなりきれないんだ! ……だから、私、何キャラだっつの。ふざけんなこのやろう。
「お願い、忘れて」
相変わらず頼んでくる香華。そんなさあ、忘れてと言われて忘れられるものなんかじゃないんだよ。私だって忘れたいものいっぱいあるよ! 一回だけテストで0点とって死ぬほど悲しいというか悔しいというか、とにかく絶望したことだってあるし、二十歳まで覚えてたら不幸になる『ムラサキカガミ』も忘れられねえよ! 二十歳になる一日前の晩になんか唱えたら解除されるらしいけど、そんなの知らないし。
「勿忘草でも持って来い」
ちなみに勿忘草の花言葉は『私を忘れないで』だから、忘れるんじゃなく忘れられなくなるのだ。……逆じゃん。
「忘れてくれる?」
「ヒトの記憶力を甘く見ちゃいかんぜよ」
勿忘草の話はもういい。ヒトの記憶力はいい方なんだよ。個人差あるけどね。ホモサピエンスの底力、見るがいい! って、どこのラスボスだよ、私。モンスターモンスター。




