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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
22/109

最低最悪の学校生活①

「し、ぬ」


 私……死んだわ。なんでなの! いじめが終わったと思ったら何でこうなるわけ!?

 こうなるくらいならいじめられてた方がましだったわ……。


「じゅーんかちゃん。ね、一時間目は英語だよ。予習した?」


「は?」


 よ、よ、ヨシュウ? ななななにそれおおおいしいの。

 って、私知ってますよ。予習ってあれでしょ。授業の前にその授業でやることを事前に軽く勉強しておくことでしょ。そんなことも分からないほど私ばかじゃないし。

 でもまあ、するかどうかは別。はっきり言って、というかはっきり言わなくてもですが、しません。


「予習は私、したよ。ノート見せよっか?」


「いい。いらない」


 香華のノートなんか見ない。てか、なんなの? 押し付けがましいというか、はっきり言ってうざい。いや、香華はもともとうざいやつだっけ。

 それにしてもほんと、頭がどうにかしちゃったのかな。今まで散々鬱陶しいこと私にしてきたくせに、希望が私の身代り的な感じのになってから、手のひら返したみたいに突然こんなになっちゃってさ。

 前もうざかったけど、今はもっとうざい。何でこんなことになっちゃったんだろう……。

 いや、すべては私の責任だ。私が「友達になろう」なんて言っちゃったから悪いに決まってる!

 あ、違う違う。私がそんなこと言うわけないじゃん。口が裂けても耳が裂けても、ね。

 言ったとすれば「一緒に帰ろう!」じゃなかったっけ。そうだよ、それそれ。なんかカーディガンつかんじゃったからね。ああもう、あんなことしなければよかった。しなければこんなことには……。

 というか、おかしいのは香華の方だよ! なんでいじめていた奴と友達なんかに軽々しくなれるわけ?

 やっぱり頭が最初からどうにかしてるんだよね。いじめとか平気でやる人だもん、まともな人のはずがないよ。そうそう、私はなんて愚かだったんだろう。答えはそれしかないじゃん。

 香華は肩を落としてがっかりしているようだった。だから何? ってことなんだけどさ。


「純香ちゃん」


 次に声をかけてきたのは希望だった。なんか胡散臭い笑みをうかばせてる。


「なに?」


 希望は一応同居人だし返事をする。う、なんか冷たい視線を感じたような……って、香華は私じゃなく希望を睨んでんのか。嫉妬心丸出しウケるわ。

 って、ここまで言ったらさすがに香華がかわいそう……ってか? いやいや、もともとこの方はいじめとかいう下等な人間がする下等な行動をしてたわけなんですから、かわいそうとか、その同情いらんよな。

 ……頑張って現実逃避して考え事してたけど、やっぱり無理です。


「私の両脇で私を挟んで火花散らすなあああぁぁぁ!!!!」


 耐えられませんでした。おしまい。

 無理だよこの状況。誰か助けてよ。私死んじゃう。


 完。(嘘です)

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