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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
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「っていうわけなんだよ希望。何とかしてくれっ!」


 中学1年生片原純香、幼馴染の希望に頭を下げています。詳しく知りたい方はもうちょっと時間をさかのぼってみてくださいね☆ って私キモイ!


 とかいう私がこのバカ希望に頭を下げてる理由っていうのも……あぁもう説明すんのめんどくさいっ!!

 やっぱり時間をさかのぼってください! 私は説明なんかしないっ! あ、もう私完全に怖い人。

 まあそんなかんじでいじめられちゃってる下等な人間じゅんかがいじめっ子と仲良くなるっていうほんわかストーリー……じゃねえよっ!

 なんで私があんなカスみたいな奴と仲良くならなくちゃいけないわけ!? 意味分かんない!

 香華だよ? 最強に最低な下等人間だよ!? ま、人のことは言えないけどさ。

 とまあそんなこんなで希望に頭を下げています。いや、希望に何とかしろー! じゃないところすーとか言っても、出来ないもんは出来ないよね。だって希望学校行ってないし。

 でも、私が希望が言うであろうと予想していた返事は希望が実際に私に言ってきた返事とは全然違った。


「うん、いーよ」


「ええぇぇえ!?」


 こっちが驚く。頼んだのはこっちなのに。

 待てよ、何の作戦だ? 出来るのか? 意味が分からんぜよ。って口調が。

 私最近キャラ崩壊しまくりじゃない? ちょっと原点に戻りたくなってきました……。


「なんで驚くの? 純香ちゃんが頼んできたんじゃん~」


 いや、私もそう思ってるんだけどさ。


「だからどうやってやんの?」


「あたしが断ると思ってたの?」


 うん、断ると思ってた――――とは言わず。あ、そういえば希望に言うことがまだあったんだっけ。


「あ、それとね希望。うちのクラスにいじめられてる子がいたんだよ。名前、なんだったかな。たしか、上山――――いや、上川だったかな。うん、そんな感じの」


 言い終わって顔を上げると、その時の希望の顔! 思わず爆笑した。

 なんか、ポカンって口開けてて、目を見開いてて。なんでそんな驚いてるんだ? みたいな。


「純香ちゃん、それ……あ、ううんなにもない。てか、あの、それが純香ちゃんの身代わりになった子だよね? へーあはは、その子に感謝しなきゃだねーえはは」


 えははって……希望なんか隠してるだろ。完全に棒読み。ん? 上川さん?

 そういえば希望の苗字って……。


「上川希望!?」


 そうだよ! お父さんが新しくなっちゃったから苗字がたしか変わって、上川さんになったんだよ!

 上川希望!


「えへへ、気が付かなかったんだね。あれはあたしだよ。純香ちゃんがいじめられてるとこなんて見たくないもん。まあ、出来れば気付いてほしくなかったんだけど……仕方ないよね」


 あはは、と希望は笑う。ああ、そっか。うちに来た時希望は言ってた。

「なんで平気なの?」って。今、私はその時の希望と同じ気持ちだと思う。

 なんでそんなに笑っていられるの? って。

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