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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
18/109

帰り道→地獄行き

 ……地獄だ!! よりによって香華と一緒に帰らなきゃいけないなんて!

 まあ、誘ったのは私なんだけどさ……。でも、まさかオッケーしてくれるなんて、思うわけないじゃん! ほんと、最悪……。


「えーっと、純香、ちゃん? で、いいの?」


 ああああああああ、すっっっっっっごく嫌すぎるぅぅぅうぅ!

 じゅ、純香ちゃん!? アホじゃない!?


「アーアー、もう勝手にどうぞ」


 香華と帰るよりそう呼ばれる方がマシ――――じゃない!! ぜんっぜんだめ!

「じゃ、純香ちゃんで♡」

 ♡って!! お前何なんだよ! いじめといてなんなんだよ! いみわかんねーぜ!?

 ……まあとりあえず、逝くか。


「純香ちゃん、あの、ほんとにごめんなさい」


 ええええええええええええええ!?

 何故に? 何故に!? 意味わっかんないですから!

 あーもうやだぁ~。なんであんな下等な人間と一緒に帰らなくちゃいけないわけ?


「はいはい。でも、なんで結局謝るのにいじめとかするわけ? あんたのその神経が分からない」


 謝られても、なにも親近感・感謝・ウザさ・悲しみ・喜怒哀楽出てこない。

 何にも感じないのは、私の感情が腐ってるから? それとも、香華の何も感じ取れないようなたいしたひねりもない言葉のせい?

 うーん、分かんない。まあ、それも仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。

 人をいじめてたような人だし、感情を感じないのも……仕方ない?

 ……人間って、分からない。いじめる理由も、なにもかも。まあ、いじめに理由なんてあるわけないか。どうせ、何も楽しいことないから――――とかでしょ?


「じゃあ……ここだから」


 香華はそう言って右に伸びる細い道の方を指差す。


「あぁ……。ばいばい」


 面倒だから適当につぶやく。


「ばいばぁい!」


 そのときの香華の笑顔が、見たことないくらいに可愛かったから、私は驚いた。


「……ばぃ」


 私はそう言って手を振った。バカみたい。でも、たまにはいいかな、なんてさ。

 ま、それもこれも、私がバカなだけなんだけどさ。香華のこと、ちょっといい奴かも? なんて思ってるなんて。

 それもこれもすべては私。全部全部……私。

 なんてさ……私、ほんとバカみたい。なんで私が香華なんかと……? しかも、いじめてた人といじめられてた人だよ?

 それから、私の友達ってやつがいじめられてるっていう話と、不審な紙――――。

 あ~もう、めんどくさい。なんで私がこんなこと考えなくちゃいけないわけ? あーやだやだ。

 私はため息をつくと、ぼちぼち行くか、という感じで歩き出した。

 何も考えたくないし、面倒だ……。もう一度ため息をつくのが精いっぱいだった。

 ほんと、いじめるとかいずめられるとか、バカみたい。

 大体、なんで私、香華と一緒に帰るとか言ったんだっけ? あ、カーディガン……ん?

 香華……ふっつうに美冬のカーディガン返してないよね? やっぱ立場的なことが……。

 う~ん、なんなんだろう、怖いですねぇ。

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