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教室 ~いじめ~  作者: 青木ユイ
純香編
13/109

テスト勉強

 眠い……。

 私は机の電気のみ点けて、一人テスト勉強に励んでいた。希望はすっかり寝てしまっているし、部屋の電気をつけるのは良くない。

 何しろ、今はもう11時過ぎだ。徹夜は良くないと言うけれど……無理だ。徹夜なしではやりきれない。時間がないからだ。

 てか、眠いんならさっさと寝ればいい話なんだけどね。それより、希望って、いつ帰るんだろう?

 学校にも来てないし。って、来るわけないか。希望にも自分の通っている学校があるんだもんね。

 あっ……。また、脱線しちゃった。全く、私はなんてバカなんだぁ!

 深夜に近いので、心の中で私は叫ぶ。時計を見ると、いつの間にかもう日にちが変わりそうになっている。

 窓から空を見ると、月がぼんやり光っていたけど、真っ暗だ。集中できないし、もう寝よう。

 私は机の電気を消すと、寝転んで布団をかぶった。今日は意外と寒くて、布団をかけずに寝るのは止めておいたほうがよさそうだったからだ。

 それにしても……希望はいつ帰るんだろう? 多分そろそろ帰ると思うんだけど。

 だって、希望が住んでいるのは日本。夏休みが始まる日とかは一緒のはずなんだけどな。

 暗闇の中で私は考え込んだ。そのうち、ちょっとうとうとしたかと思えば、寝ていた。

 


 ガシャン


 物が壊れたような大きな音に驚いて、私は目を覚ました。

 横では、希望が目を擦りながらあくびをしている。


「うぅ……何? 何今の音」


 希望は小さくつぶやく。私は起き上がって下に降りた。特に何もない。

 ぐいっと服の裾を引っ張られた。希望?

 振り向くと、予想通り希望が裾をつかんでいた。何だよ……。睨んでみると、希望は泣きそうな顔になった。


「うっ……うえぇぇ~」


 嘘泣きはやめた方が良いよ、希望。嘘泣きする女子は女子から嫌われるよ。ぶりっ子だと思われるよ~。

 ……多分。

 予想だから、言うのはやめとこう。確信出来たわけじゃないし。


「はいはい」


 面倒くさがり屋な私は適当に返事をすると、残りの階段を降りきる。希望は不安そうな顔でまた裾をつかむ。

 歩きにくいけど、仕方ないよね。

 

 振り向かずにそのまま進んで、キッチンの方を見る。食器棚のドアが開いていた。その下を見ると、皿か何かが落ちたようで、ガラスの破片が飛び散っていた。


「希望、こっち来ちゃダメ。ガラスが割れてるから」


 歩き出そうとして来る希望の前に腕を伸ばして止める。希望はガラスの破片を見たのか、すぐに後ろに下がった。

 でも……お母さんたち、どこ行ったんだろう?


「あ、ねぇ、純香ちゃん。純香ちゃんのお母さんたち、どこに行ったんだろ?」


 私にわかるはずないだろ。って、そんなこと言っても意味ないか。

 それにしても……私たちが寝ている間に、何があったんだろう? 寝ていた人にはわからないことだけどね……うん。

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