小学生の頃。
お、遅くなったのに関してはですね……これには、深い事情がありましてですね……。
……。
……。
申し訳ありませんでしたぁ!(土下座)
よく考えると、あたしは結構クラスの中心みたいな存在だったとは思う。まあ、ちょっと偉そうにしすぎてたけど。……あ、黒歴史よみがえってきたあぁぁ……。
もう、自分が嫌になっちゃうくらいの黒歴史だよ。勝手にやってみんな従わせて……って、もうあたしほんとに嫌だ! このバカ!
というわけで、ちょこっとあたしの小学生時代を振り返ってみたいと思います。
「暮羽ちゃん、遊ぼ~!」
「えー、美羽が先に遊ぶって言ったー!」
「暮羽はわたしと遊ぶよねっ♪」
こういうことは、日常茶飯事。みんなが、あたしと遊びたいって言って寄ってくる、休み時間。あたしは誰と遊んでもいいんだけど、その相手同士が仲良くなかったりして色々と面倒。だからあたしは、あんまりこういうことには口出ししないタイプだった。
そっちで今日は誰があたしと遊ぶかとか決めてもらっていた。あの子は明日、こっちの子は月曜日、その子は放課後……。そういうことを、こまめに。
放課後残れない子は休み時間を優先にしたりとか、結構考えているつもりでいた。一応話し合いにはあたしも参加して、それで朝休みがなくなっちゃったりすることはよくあったけど、平和に過ごせたらそれでよかった。
――――だけど、平和は長く続かない。戦争はちょっとしたことでもすぐに起こってしまうものなのです。
「美羽ちゃんいっつもわがまま!」
「なんで約束守んないの? 美羽ちゃんは放課後遊ぶって言ってたじゃん!」
「放課後遊べる人は昼休みは遊ばなくてもいいじゃん!」
よくあたしと一緒にいた美羽ちゃんが、他の友達の反感を買った。放課後遊ぶ約束をしていたのに、昼休みも遊びに混ざってきたからだ。
最初に言ったように、あたしは別にみんなで遊べばいいじゃんって感じなんだけど、女子って難しいみたい。そう簡単にはいかないんだ。
「もうわたし美羽ちゃんと遊びたくなーい」
「あたしも~」
そして、美羽ちゃんから友達がいなくなった。あたしも、周りに流されて、なんとなく美羽ちゃんと話しづらい雰囲気になってしまった。
美羽ちゃんが、あたしを見ている。すがるような視線で、助けてって言っているようだ。
もやもや、する。けど、もし、美羽ちゃんを助けたら。もしかしたら、あたしから友達がいなくなってしまうかもしれない。
どうしよう、どうしよう。美羽ちゃんを、助けないといけない? それとも、あたしもみんなに合わせて無視したほうがいいの?
結局、美羽ちゃんとは話すことがないままクラス替えが行われた。そして、夏休みが終わったあとの始業式で、美羽ちゃんが転校したことを知った。
今、美羽ちゃんはどこにいるだろう。何を考えているだろう。
楽しくやってるかな。あたしのことはもう忘れてるかな。って、もう、別にあたしには関係ないか。
ぼんやりと、あたしは純香ちゃんが希望に勝って希望が悔しがっているのを見つめた。
うわあ、なにこれあたし暗い。気持ち悪っ。