たろうくんとひろしくんのかくれんぼ
あるひ、たろうくんがこうえんでひろしくんにかくれんぼをしようといいました。
さぁ、たのしいたのしいかくれんぼのはじまりです。
1かいめ
「じゃあ10かぞえてねーっ!」
「うんーっ! いくよー?」
「いいよー!」
たろうくんは、はしってかくればしょをさがします。
さぁ、どこにかくれるのかな?
「10」
「ッ!!?」
「いつから10カウントだと錯覚していた……?」
1かいめはひろしくんのかちです。
2かいめ
「じゅ、10カウントしてねーっ!」
「うんーっ! いくよー?」
「いいよー!」
「いーち、にーぃ、さーん、しーぃ」
たろうくんは、ちかくのしげみにかくれました。
うまくかくれきれるのかな?
「……はーち、きゅーう、じゅー! もういいかーい?」
「もういいよー!」
するとひろしくんは、らいたーをぱちんぱちんしはじめました。
「さて、雑草でも燃やすか……」
「ッ……!!?」
あらら、たろうくんがしげみからでてきてしまいました。
2かいめもひろしくんのかちです。
3かいめ
「じゅ、10カウントしてねー」
「うんーっ! いくよー?」
「いいよー」
「いーち、にーぃ、さーん、しーぃ」
たろうくんは、すべりだいのうえによじのぼりました。
うまくかくれきれるのかな?
「……はーち、きゅーう、じゅー! もういいかーい?」
「もういいよー」
するとひろしくんは、ぶらんこのくさりをひきちぎりました。
「ッ……!!?」
「フン、脆いな。……次は滑り台か……」
あらら、たろうくんがすべりだいをすべってきてしまいました。
3かいめもひろしくんのかちです。
4かいめ
「じゅ、10カウントしてねー……」
「うんーっ! いくよー?」
「いいよー……」
「いーち、にーぃ、さーん、しーぃ」
たろうくんは、こうえんのといれにはいりました。
うまくかくれきれるのかな?
「……はーち、きゅーう、じゅー! もういいかーい?」
「もういいよー……」
するとひろしくんは、きょだいなみずのかたまりをしょうかんしました。
「ッ……!!?」
「トイレだからな。汚物は流さねぇと……」
あらら、たろうくんがといれからでてきてしまいました。
それに、といれにはいっていたのにおもらししちゃってる。どうしたんだろう?
4かいめもひろしくんのかちです。
5かいめ
「じゅ、じゅっかうんとしてねぇ……」
「うんーっ! いくよー?」
「いいよぉ……」
「いーち、にーぃ、さーん、しーぃ」
たろうくんは、ひろしくんがかおをふせているきのすぐうしろにかくれました。
うまくかくれきれるのかな?
「……はーち、きゅーう、じゅー! もういいかーい?」
「もういいよぉ……」
するとひろしくんは、きをまっぷたつにしました。
「ッ……!!?」
「ゴミムシの気配がする……おまけに、臭うぜ」
あらら、たろうくんがきのかげからでてきてしまいました。
5かいめもひろしくんのかちです。
「うわあぁあぁあぁああぁああぁあん!! もうひろしくんやだああぁあぁあぁああぁああ!!」
あらら、ついにたろうくんがなきだしてしまいました。
「もう帰るぅうぅうぅううぅう!!」
たろうくんは、はしってかえってしまいました。
「『ひろしくんはおこりました。「まったく、ひどいやつもいたもんだ!」』……おしまい」
「わーっ!おもしろかったー!」
「このご本のたろうくんみたいに、自分の気持ちだけで勝手に行動しちゃだめですよ?」
「うんーっ!わかったー!」
ピンポーン
「あ、はーい」
ガチャ
「……ひろしくーん……おにごっこしようぜー……?」