1/17
序章
【序章】
世界は枝分かれし、また並列して存在する。
過去・未来、その時間軸上に静止した世界が連続し重なり合うようにして一つの世界が生きてゆく。そんな世界が複数同時に横軸で存在する。
だからこそ世界は無数に存在し続ける。たまに消滅し、たまに生まれる。それを気に掛ける者はいない。そんな世界の原理を知り得る者がいない故に。
けれど、
そんな幾重もの世界の狭間、未来や過去さえも超越した時空にそれはあった。
――勇者管理委員会。
そこに所属する勇者たちは今日もまた、異世界へと派遣されていた。