自己紹介は簡単に
俺には二人の幼馴染がいる。
一人は男。性格が良く、金持ちで、顔も良くて、頭もいい高スペック野郎。
もう一人は女。自分の弟を天使と讃え、溺愛してるブラコン。
そんな二人からしてみれば俺は、
「うだつの上がらない霊能者」らしい。
ははは、…放っとけ!!
なんで共通点のないこの三人が幼馴染という括りに入るかというと、同じ商店街でたまたま同年代がこの三人しか居なかったからだ。
過疎化?まぁ、上の世代がかなーりいるから平気だろう。
まあそんな在り来たりな地域事情で俺たちは繋がっている。
たまに二人が家(自営業:御茶屋)にきて茶飲みながら買ってくれているのがシャッター街化しつつある商店街一店舗としてはたいっへんありがたい!
その代わりにもならないが、文房具は女の実家(自営業:文房具店)で、女が嫁いだ大手文房具メーカのものを買うようにしてる。
ほかは…男が叔母(注意1)に買ったお茶をめちゃくちゃ綺麗に包装して、商店街の魔窟……一番老舗の呉服屋に届ける事ぐらいだろうか…(注意2)
二人は商店街を出て色々やっている。
まぁ一人は既婚者だからやる事いっぱいだろう。次はどうやって夫と義理の娘から逃げるのか考えるだけで一日が終わるらしいからな。世の奥さんとお母さんは大変だなー。(棒読み)
もう一人は彼女(恐らく地縛霊)とよりながくいるために大学の研究室や山とかに駆け回りながらイチャイチャするという忙しさぶり。
正直に言おう、羨ましいなぁこの野郎!!
仲が良くも悪くもない。
付かず離れず、けど生存確認は絶対する。
お互いが友人以上、家族未満。
そんな俺たち、幼馴染。
注意1 生物上では叔父。けれど幼馴染の男の親族なので恐ろしく顔が良く、化粧して女物の着物を着れば、妖艶な未亡人になる人。どういう原理かは考えてはいけない。
この商店街のかしまし娘(…?)の一人。または逆らったらエライ目に会う三人衆の一人。
注意2 めちゃくちゃ笑顔と爽やかさを必要とし、頑張ってんのに説教される無理ゲー。