あの空の下でもう一度
初作品で文章の構成力もなく、駄作ですが、読んでいただけるとうれしいです。
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私の名前は藤咲ゆう。頭がそれほど良いわけでもなく、スポーツにも全然向いていないそこら辺にいるような高校二年生。そんな私にも彼氏ができた。その人は頭がよくて運動もできる、私とは正反対のカッコいい人なんだ…。
名前は川原 公貴。しかも私より一つ年上の先輩。きっかけは、部活が同じで私の一方的な片思いにきりをつけようと思って告ってみたら意外なことにOKしてくれたという、私自身では奇跡的な出来事。自慢ではないけど、今が一番の時と言って良いほどラブラブだった。
あの事故がおこるまでは…――――――
2ヶ月前のあの日、あの日は凄く綺麗な青空の日だった。部活が休みだった私達は久しぶりに二人で出掛けたんだ。
「公貴今日どこ行こうか?」
「映画とかいいんじゃない?
ちょうど今公開中の人気映画の券2枚持ってるんだ!」
「ちょうどじゃないでしょw 二人で行こうと思ってたんじゃないの?ww」
「ハハハバレたか(笑)」
「断らないから大丈夫だよ。行こうか。」
久しぶりのデートで浮かれ気分の私達は映画を見終わった後、話しながら帰っていた。
「面白かったね。」
「本当に? 開始五分で爆睡してた気がするけど・・・」
「そうだった?」
「うんw もうそろそろ帰る?」
「そうしよう。明日も早いしね。」
「うん。」
「今日みたいに綺麗な青空の下でまたこういった日を過ごせたら良いのにね。」
「俺送るから。」
この言葉がこれからの人生を大きく変えるなんて誰も知らなかったんだ。
「そう言えばさ公貴…何で私が告った時にOKしたの?」
「何でって……それはお前の事が……ーだったから。」
「え〜何聞こえなかった。もう一回言って!」
「だから―――――っ」
「お前のコトが………――」
キキキッーー
「ゆう危ないっ!」
ドンッ!
「…――貴…―公貴!」
「……ゆう…………無事で……よかっ…………た……」 パタッ
「公貴?………―公貴ー!」
ポタ ポタ ポタ ポタ ポタ ポタ ……
この点滴の音が鳴り響く病室のベッドで公貴は眠っている。
あの日から2ヶ月……公貴はまだ目覚めない。医者の診断によると、頭を強く打ったのと出血が多すぎたのが原因らしい。
あの日あの時あの場にいなければ公貴はこんな事にはならなかったんだ……あの事故の原因はハンドル操作を誤った車が突っ込んできた事だ。そこから私を助けようとした公貴が私の代わりに事故にあったのだった…。
「私が最初に気づいていれば公貴も事故に合わなかったんだ。公貴は私のせいで事故にあったんだ。私さえいなかったら良かったのに…」
「そんな事は無いわ。あの子はあの子なりにあなたを守ったんだもの。絶対あの子は目を覚ますわ、必ず。」
公貴のお母さんはそう言う。けど私は公貴がもしも目覚めなかったらどうしよう…と言う気持ちが頭の中を行き交っている。
それから数日たったある日―――RRRR RRRR RRR RR ―――
私のもとに一本の電話があった。
「公貴が……公貴が目を覚ましたから、今すぐ病院まで来て!」
それは私が待ちに待っていた喜びの一本だった。
やっと、やっと公貴に会えるんだ。あの日の事謝らないと…後お礼も言わなきゃ。
私は急いで病院に向かった。
「公貴!」
そこには目を覚ました公貴の姿があった。やっとやっと……
「……………あなたは……誰ですか?」
っ!!!
「何言ってるのよ公貴〜そんなギャグ面白くないよ!」
「………?」
「……本当に公貴なんだよね? そんな嘘やめてよ……」
「嘘なんかついてないよ……本当にあなたは誰? 俺のクラスメイト? でも君みたいな人いたっけ?」
ポロ ポロ ポタ… ポタポタポタ
「そんな…本当に私の事忘れたの? そんなそんな……」
――――――先生…公貴は…公貴はどうしちゃったんですか?
何で…何で私のことだけ………
「私の利規則ですが、大切な人を守る為に命を懸けた。そして大切なものを失いたくないという意思が強くなりすぎ、自分の中で一番大切であったあなたの事を記憶の奥深くに閉じ込めてしまった。だからあなたの記憶だけ失ったのではないかと思われます。」
「記憶は必ず戻るんですか?」
「今のところ必ずと言い切ることは出来ません……そのためにも様子を見ながら少しずつ思い出させてあげましょう。 無理に思い出させようとすると余計に負担がかかる恐れがありますので…」
先生はそう告げた
公貴の記憶が戻るのはいつになるのか分からない。けど私はこれからずっと公貴の記憶が戻るまで側にいてあげるんだと決めた。
次は私が公貴を守ってあげないといけないんだ。
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公貴の意識が戻ってから一週間が過ぎた…
未だに彼の記憶は戻らないまま…
次第に不安と悲しみを覚えるようになる私に比べ、公貴は今まで自分が過ごしていた空間に溶け込むように馴染み今までどうり勉強にも部活にも励むようになっていた。けどやはりまだ難しい事もあるみたいで、特に私との関係の事を聞かれると、答えに戸惑う様子だった。
「藤咲さん。俺たちって付き合ってたんだよね…?」
「そうだよ。」
「デートとかもしてた?」
「うん。一緒に帰ったりもしてたんだよ。映画見に行ったりカラオケ行ったり。」
「そうだったんだ…」
その言葉がさらに公貴の記憶がないということを露わにさせる。
「………………。」
「今から帰るんだけど……途中まで一緒に行かない?」
「…ごめん……今日は友達と約束があるから……。」
「わかった……それじゃあまた明日ね。バイバイ。」
「バイバイ。…………」
前と同じように見えて同じではない毎日が過ぎていく。今日も公貴の記憶が戻る手掛かりさえも見つけられなかったんだ……
「このまま記憶が戻らなかったらどうなるんだろう…………もしも私の事ちゃんと思い出してもらえなかったら……」
「……う…」
「ゆうってば!」 ビクッ!
「ああ…あゆか。びっくりした……」
この少女は加藤あゆか。同い年で一番の親友。
「ゆう。もしかして悩んでるのって、川原先輩の事…?」
「うん………だけどね公貴が私を守ってくれたように、次は私が守らなくちゃいけないって心の中で誓ったから。だから私が、私が公貴の記憶が戻るまで側についていてあげないと。」
「ゆうはいい子だね。川原先輩はこんなゆうが好きなんだね。」ニコッ
「今私に出来るのはそれだけだから………」
「そうだね………。じゃあまた明日ね。バイバイ。」
「また明日。」
最近みんなに公貴との事を聞かれる。でも今言えるのはそんな事だけだった。みんなに何を言われようと公貴の記憶が戻らない限り何の説明も出来ない……今はただ、公貴の記憶が戻ること……それだけを求めて1日1日を過ごすしか無かったのだった。
その日の晩――――――
RRR RRR RRR RRR RR―……
「もしもし。公貴だけど。明日暇?」
「暇だけど……。」
「じゃあさ、遊園地行かね? チケット2枚あるから。」
「うん!行く。」
「それじゃあ明日の朝9時に駅前集合で。」
「了解しました。」
「じゃあね。お休み。」
「また明日。」
公貴から誘ってくれるなんて凄く久しぶりだな・・・
明日なに着ていこうかな
可愛い服?それとも大人っぽい服?…どうしよう、悩むな・・・
公貴が事故にあって3ヶ月。みんなからすれば短いかもしれないけど、私にすればとても長い3ヶ月だった気がする。もう、こんな事は無いと思っていた時の出来事だったから少しビックリしたのと、久しぶりに2人っきりになれるというので、とても嬉しい気持ちになっていたのは確かだった。
そして……
――――――次の日………
公貴遅いな……9時に待ち合わせって言ったのに……
ハア ハア ハア……
「ごめん!遅れた! 待った?」
「大丈夫たよ!私もさっき来たところだから」
「じゃあ行こうか!」
「うん。」
公貴と久しぶりのデート!何か変に緊張してる気が……思いっきり楽しんじゃおう!
「ワ〜 遊園地って久しぶり! 何乗るの?」
「いきなりのジェットコースターは?」
「その意見に賛成! 決まった事だし、急ごう!」
――――――――――……………
「ジェットコースターいきなりはきつかったね……」
「そうかな? 俺次に行きたい所あるんだ。」
「アトラクションはやめて〜」
「それは………お化け屋敷!」
「…えー!やめようよお化け屋敷なんて!怖いから!」
「お化けなんて、俺がついてるから大丈夫。俺がお化けからでも何からでも守りきってやるから!」
「公貴…………」
…………はっきり言うとお化け屋敷はとても怖かった。しかも守ると言った張本人が私より怖がっていたのだった。
「公貴もうちょっと離れて!苦しい!」
「ムリ ムリ ムリ ムリ!めっちゃ怖いって」
「さっき何からでも守りきってやるって言ったじゃん!」
「前言撤回!! やっぱりお化けからはムリです。」
……………………………
こういった感じで大変だった訳であった……
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次は何に乗るのかワクワクしていた私に公貴は待ちに待った乗り物を提案してくれた
「次………観覧車乗らない?」
「うん!」
けど観覧車までの道のりは長かった。歩きながら観覧車に向かう私達は周りから観ると仲のいいカップルに観られるだろう……
でも内心私達は2人とも焦っていた。
(前までは手繋いでたんだろうな……ダメダメ、公貴に任せっぱなしだから私はいけないんだから…でも自分からは手繋ごうなんて言えないよ)
(手繋ごうって言いたいけど何か恥ずかしいし、無理やり手を取るのも強引過ぎて引かれるかも…)
観覧車までまだまだ長い道のりが続いている。私達は2人とも同じことを考えたみたいだった……
――――――スッ
『手繋がない?』
私達はほぼ同じタイミングで手を差し出したのだった。
『ハハ ハハハハハハハハハハ(笑)』
「息ぴったりだったね(笑)」
「本当。前からこう言うようなことでは息が合うんだよね!」
無事手を繋ぐ事の出来た私達は観覧車へ続く道を一歩一歩踏みしめて歩いて行ったのだった。
「観覧車の頂上高けーーー!」
「ちょっと、公貴! はしゃがないでよ ゴンドラ揺れてるから危ないよ〜」
夕方、観覧車からは綺麗な夕日が見えていた。
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「綺麗な夕日・・・。こんなとこにいるとキスしたいとか思っちゃうな。」
「・・・・・・・。」
「ごめん ドラマとか漫画の見過ぎだゃね」
「・・・・俺は・・したいな・・・。」
「えっ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・―――」
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というのは私の妄想に終わってしまった。でも、観覧車の中ではしゃいでいる公貴を止める気にはならなかった。それはこんなに楽しそうな公貴の笑顔をとても久しぶりに見たからだった。
「今日はとても楽しかったね! ありがと、誘ってくれて…」
「――久しぶりにゆうと来たかったんだ…この遊園地。本当に久しぶりだからはしゃぎすぎたけど………――」
「うん。そうだね…………………えっ? 公貴……?」
「っん? 俺何か言った?」
「あっ…いや何でもない……」
あの話し方は確かに事故にあう前の公貴のものだった。けど本人に自覚は無いみたいで、無意識の内に前の自分に戻ったみたいだった。
「―――うっ………頭が……割れるみたいに…痛…………い…」
「公貴!大丈夫? 今から病院に電話するから!」
―――――――――――…………ポタ ポタ ポタ ポタ ポタ ポタ
点滴の音がなる病室にまた公貴は戻ってきた
「事故前の思い出が詰まっている場所に行った事によりふさがれていた記憶への道が示され、その記憶に触れたことにより前の事故の恐怖感が思い浮かべられ、一時的に記憶が戻ったものの、自分の感情に負けまた記憶への扉が閉ざされてしまったからこう言う事がおこったのだと思われます。よくある事ですし、記憶が戻るための小さな一歩とも言える現象なので、記憶の回復からするといいこととは言えるのですが……」
「言えるのですが…どうしたんですか!?」
「そういったことを繰り返すと、もう二度と記憶が戻らなくなる恐れもあるんです。なのでなるべく事故前の記憶が詰まっている場所には行かない方がいいかと……特にあの日行った場所には行かない方が身のためだと思われます。」
公貴の記憶が戻る手掛かりでも記憶が戻らなくなるかもしれないなんて………
「先生! 公貴の記憶は必ず戻ります。私が戻して見せます!絶対に。」
病室に戻ると公貴が目を覚ましていた。公貴に先生の話をつげるとき申し訳がない気持ちでいっぱいだった。
「ごめんな、俺のせいで……でも心配するなよ! 俺は絶対お前の事を思い出すから。任せとけって!」
「………………………。」
公貴は変わった。
事故直後からどんどん性格や考え方が昔に近づいていく。これも公貴の日に日に事故前の自分に戻ろうという努力が彼を変えたのだろう。さっきの気遣いの言葉も、私を困らせないためなのだろう
―――その日の夕方……
私は公貴のお母さんに
「ゆうちゃん、いつもいつもお世話になってるから今日はもう帰っていいわよ。公貴にまた何か変化があったら連絡するから。」
と言われ、早めに家に帰ることになった。
「ゆう? ゆうだよな!? 久しぶり。あの事故がおきてから話してないよな。今病院行った帰り?」
「…あっ レイ!久しぶり。今病院の帰りだよ。」
彼は部活仲間の笹木 羚。男子だけどとても仲がよくて、頼れる人なんだ……。
「何、そんなに暗い感じになって。何かあった?」
「公貴の事が心配なんだ・・・」
「今は確かに公貴くんのことで大変なんだよな・・・」
ギュッ
「えっ! っっっっ」
「少しでいいからこのままでいさせてくれないか? ゆうの事好きなのは、守ってやりたいって思ってるのは公貴くんだけじゃないんだ…。」
「…………………………………」
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羚の突然の行動にビックリした私は抱きしめられたまま固まっていた。
「…………………っ! 離して!こんなのレイじゃない。私の知っているレイじゃないよ!」
ドンッ
「ごめん……。」
「…………………………」
(このまま羚にしたほうが……)
私には公貴がいると分かっていながらも強引に迫ってきた羚に自分を任せた方がいいと想っている自分がいたことに、自分自身が一番驚いていただろう……
(………何考えてるんだろう…。駄目じゃん。公貴を守って決めたのに、自分がこんな事じゃ…………。)
「…………レイ、ごめん。私には公貴しかいない。公貴しか愛することが出来ないの。今、公貴の力になれるのは私だけだから。公貴を裏切るような事はできない…。」
「……そうだよな……………………。何でゆうが落ち込んでるんだよ…! ごめんな…ゆう。」
「レイの気持ちも嬉しいけど、今はどうしたらいいか自分で考えないといけないって公貴のおかげで学ぶ事ができたんだ。」
「やっぱり俺、公貴くんより上にはなれないわ。だって公貴くん、ゆうをかえたから……。俺がゆうを好きになったのも公貴くんのおかげかもな……。」
「うん。公貴の事、この世界の誰より大好きだよ!! その次……くらいにレイかな(笑)」
「…何だよその合間の沈黙は!今迷ったな。次かどうか!」
「バレたか〜(笑)」
『ハハハハハハハハハ(笑)』
(ゆうありがとな。そう言ってくれただけで嬉しいよ。公貴くんの事任せたよ。)
―――その頃病院では………
「ハァー、ゆう帰っちゃったな……外にジュースでも買いに行こ。」
…………ガタン パシュ
「やっぱりこのファタグレープ最高ー……………ん? あれ、ゆう? もう一人は……羚!? 何で羚がこんな所に? もしかして、俺の事が心配でお見舞いにでも来てくれたかな(笑)」
…………………………ガバッ
「あいつ! ゆうに何しやがるんだ! 」
…………ドンッ
………………………
(ゆう何言ってるんだ?)
「……私公貴の事、この世界で誰よりも大好きだよ!!…………」
(ゆう…………………ゆうは俺のことそんなに想ってくれてるんだ…………俺ちっとも知らなかった……………)
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RRR RRR RRR RRR RR…………
「もしもし、起きてる?」
「起きてるけど、こんな時間にどうしたの公貴?」
「いきなりごめんな………、ゆう、今日の帰りに羚に抱きつかれただろ………」
「公貴それは・・・」
「ごめんな俺ばかり心配かけて………。でもありがとう。俺の事世界で一番大好きって言ってくれて。嬉しかったよ。」
「そんなの当たり前だよ! 公貴は私の一番大切な人。私の命を繋げてくれた、それと私のことを愛してくれているから…………」
「当たり前だろ! 俺はゆうしか愛することが出来ないんだから。俺が愛したいのはお前だけなんだから…………」
「私も公貴の事が大好きだし、公貴しか愛したくない。」
「俺たち」 「私たち」
『の愛は一生続くから』
『ハハハハハハハハハ(笑)』
『またハモった(笑)』
「俺たち本当に息ピッタリだな(笑)」
「うん、うん(笑)」
「あのさ……」
「何?」
「明日さ……あいてる?」
「あいてるけど……。どうしたの?」
「………明日さ……映画見に行かない?」
「っ!!!!」
「俺が事故にあった日に映画見に行ってたって聞いたから…何か昔を思い出す鍵になればと思って……」
「行ってもいいんだけど、あんまり無理しないでね…………。」
「分かってる……。けど、ゆうのためにも思い出さないといけないって、そう想うんだ。だから俺の願いを聞いてくれないか……?」
「…………うん。分かった。」
「じゃあ明日朝10時駅前集合にしよう。」
「了解です。」
「それではお休み。」
「また明日ね………。」
この時私は感じた。公貴は現実を受け止める覚悟をしたのだと、改めて想ったのだ。
(公貴は自分の事を受け止める覚悟がある。だから私も公貴を受け入れないといけないんだ。)
何があっても私が公貴を守る。
絶対に公貴の記憶は戻るはずだから………………
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あの日行った場所……
それは思い出であり、悲しみでもある所………
だが人は皆、そう言う場所に戻って来るという風習があるみたいなんだ……
私たちだってそう……
あの日、悲劇の幕開けとなった場所に戻ることになったのだった…
(……公貴…遅いな…………10時に駅前集合って言ってたのに………)
タッ タッ タッ タッ タッ ハァ ハァ ハァ
「ゆう、ごめん。遅れて。あの……これ受け取って!」
「?」
「今日は、ゆうの誕生日だろ。だからプレゼント買いに行ってたら時間の事忘れてて……………。」
「ありがと! 公貴。私、自分が誕生日だって事忘れてた……。 覚えててくれたんだね!」
「当たり前だろ。自分の好きな奴の誕生日は覚えとくもんだよ。」
「そー言えばさ、公貴の誕生日っていつだっけ?」
「えー! ゆうもしかして……俺の誕生日忘れたの(泣)」
「へへへ(苦笑)」
「5月13日だよ〜(泣)」
「ごめん……………………………………プッ………………ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(笑)なわけないじゃん、ちゃ〜んと覚えてるよ。プレゼントあげたじゃん。」
「………………そんな〜ひどいよ〜でも確かにプレゼントはもらった……。」
「逆に、私がプレゼントあげた事忘れたの!?」
「いや〜そう言う事では……」
本当に私は自分が誕生日である事すら忘れていた。だが公貴は、そんな事さえも覚えててくれたのだった。
映画館ではあの日見た映画の続編を鑑賞した。
「あの場面から、あんな事がおこるなんて、まったくわからなかった!」
「そうだね……。でもさ、あの主人公って、あの王女様の事より、あの町娘の方が好きみたいじゃね? 主人公と町娘が結ばれて、王女様は主人公のお供の青年と結ばれると思う………」
「もーーーー! 先々言わないでよ! 続編が楽しくなくなるじゃない!」
「あ………ごめん。」
そんな事を話ながら私たちは映画館を後にした。
「明日早いからもうそろそろ、帰る?」
「うん。」
あの日と何かが似ている……けどそれを公貴に言うのが怖い。もしもあの日と同じように、あの場所で事故がおこってしまいそうで怖かった。
「ゆう、さ……今日何か暗いけど、体調悪いの………?」
「違うよ。私は大丈夫。それより公貴は大丈夫なの? この場所は………………」
「…………………………あのさ……………ゆう…………………俺………ゆうに……言わないといけない事があるんだ………。」
「? ………どうしたの?」
「あのさ………実は俺………今月に引っ越すんだ……」
「え…………」
「……でも…必ずゆうを迎えに来る…。必ず、ゆうの事を思い出して。」
「公貴…………」
「絶対誰か別の奴の物になるなよ。ゆうは、俺のだかんな!」
「公貴こそ…女の子について行かないでよ………」
「何かおかしいね……こんな別れ方………もう少し一緒にいたかったのに………」
「大丈夫。俺は必ずお前を迎えに戻って来るから。それまでのお別れだから。」
「そうだよね……あの日約束したから。あの日のようなあの青空の下でもう一度一緒に過ごそうって……」
「俺たちは離れたとしても、ずーっと心は繋がってるからな。」
「そうだよね! 悲しむ事なんて何もないんだから………」
――ポロ ポロ ポロ ポロ ポロ………
「…………嫌だよ…公貴と離れ離れになるなんて…………」
「…俺だって……………俺だって嫌だよ………ゆうと離れ離れになるなんて………。」
「でも………でも……………」
「俺たちはどこにいてもいつも一緒だよ。どこにいたって繋がってるから。……………俺が引っ越すまでもう会わないようにしないか? ………会うと、また別れがつらくなる気がするんだ。」
「けど……………」
「大丈夫。絶対に俺たちはまた巡り会う日がくるから! 言っただろ、運命は誰にもかえられないって。」
「そうだね。そうだよね! 私たちは見えない糸で結ばれているから、離れても一緒だもんね。」
「そう言うこと。」
「青空がどこまでも続いてるのと同じように私たちの絆も、どこにいても通じ合ってるんだもん。」
「ゆうの事は羚に任せとくから、何かあったら羚に言うんだぞ! でも羚に気移りするなよ。あいつもカッコいいからって!」
「そんな事はないです!」
「それじゃあな。迎えに来るその日まで。」
「バイバイ。」
『あの空の下でもう一度。』
一緒に過ごせる事を願い続ける。
その願いが叶うその日まで………
それまで少しのお別れだけど、君のことを思い続けると淋しくなんてない。
また君と会えることを信じ続けるから。
その時には少し大人になった君と一緒に
唐突な終わりたかたすぎてすみません(°∇°;)
じぶんでも訳わかんなくなりました
また続きかかせてもらいます!