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タスマニアってこんなとこ。

タスマニア≠タンザニア。

タスマニア=オーストラリア。


タスマニア。

普通の人だと、どんな場所にあるのかパッと浮かんでこないだろう、それだけならまだしも、アフリカ大陸のタンザニアと混合してしまいがちな、オーストラリア最小、最南端で、唯一の島州。

でっかいオーストラリア大陸の左下にチマッと申し訳程度に存在する、逆三角形の小さな島(といっても、実は北海道よりも二周りほど小さいだけなんですが)。それがタスマニアです。

州都であるホバートは人口20万ちょい。州全体の人口もたった50万程度という規模も大きさも小さい州なんですが、オーストラリア最古のビール工場、カジノ、石橋、教会(カトリック、プロテスタント両方とも)などを持ってたり、世界遺産も3つ保有してたり(複合遺産、文化遺産、自然遺産それぞれ1つずつ)、世界でも類を見ない規模の冷温帯雨林があったり、あのチャールズ・ダーウィンが訪れたという場所があったり、南半球最大のチョコレート工場もあったりと、自然的にも文化的にも案外恵まれた州だったりします。

……島、ということで、オーストラリアに遊びに来る観光客の大半からは無視されまくりですけどねー……。


そんなタスマニアが誇れるものは「世界でも有数のピュアな空気と水」「ハチミツ」そして「世界遺産」。


タスマニアは「吠える40度」と呼ばれる、強風域の中に存在する島です。

この区域には、あまり陸地がないため、とりあえず風が強い。そして陸地がない=大気を汚す物質がないため、世界の中でも群を抜いての空気と水が綺麗な場所だったりします。

今はどうか知りませんが、過去にWHOで「世界で一番綺麗な空気がある場所」と認定された場所があるのがタスマニア。それだからか、晴れた日の空は本当に広くて綺麗。夕焼けや朝焼けも、日本のものとは全く違う。住宅地からでも結構な量の星が見れると気が付いた時にはかなりびっくりした覚えがあります。

ちなみにこの「吠える40度」にチャレンジする、海の男たちの祭典が毎年クリスマス後に開催されます。

「ロレックス・シドニー・ホバート・ヨットレース」

世界三大外洋ヨットレースの1つでもあるこのレースは、1945年に第一回が開催されて以来毎年欠かさず開催されている、歴史のあるヨットレース。

オーストラリアで一番最初の都市である「シドニー」から、二番目の都市である「ホバート」を目指して、ボクシングデーである26日に号砲。でかくて速くて性能のいいヨットだと、1日ちょっとで辿りつくこともある道のりです。

こうやって書くと、なーんだ。結構簡単なレースなんじゃん、と思われる方がいらっしゃるでしょうが。

……世界でも指折りの過酷なヨットレースだったりします。

大陸からタスマニア島を目指す途中の海路。彼らの行く手に横たわるのは「バス海峡」という、年がら年中海が荒れ狂っている海峡。

普通の天気でも、巨大な三角波が押し寄せてきて、ついでに強風も吹き荒れてるいるというこの海峡。

天気が悪くなれば命取りになりかねません。実際に、ここで命を落とした船乗りたちは少なくありません。

シドニー・ホバート・ヨットレース史最悪の年である1998年、期間中に巨大低気圧来襲。

結果、6人の方がレース中に行方不明、あるいは亡くなるということに(11隻以上が沈没したり転覆したり)。

以降、危なすぎる!!ってことで、最新のGPSだとかビーコンだとかを必ずヨットに付けるように、とルールが改定されました。

他、日本の漁船もこのバス海峡の牙の餌食になったことがあるそうです。

バス海峡だけではなく、海の生物もやっかいな障害になることだってあります。

普通サイズの魚だったら、巨大なヨットにぶつかっても早々ダメージはないかと思われます、が。

サメやマンボウといった巨大サイズの生物だったら、ヨットにも多少のダメージが。

ちなみに去年はサメ、今年はマンボウが海上交通事故の犠牲になりました……。

このヨットレース、ネット上でトレッキングが出来るようになってるので、興味がある人は是非公式サイト(英語ですが)に飛んでみて、ヨットトレッカーをポチッとしてみてくださいな♪



タスマニアには、「タスマニア原生地域(複合)」「マッコーリー島(自然)」「オーストラリアの囚人遺跡群(文化)」の3つの世界遺産がありますが、最も有名なのが「タスマニア原生地域」。

何せ「キング・オブ・世界遺産」とも言われることがあるくらいです。

何故キング・オブ・世界遺産なのか?

理由は、UNESCOの世界遺産登録基準が、中国の泰山と並んで世界遺産最多を誇るから。

なんと、登録基準10個のうち7個をクリアーしてます。

このタスマニア原生地域は「クレイドル・マウンテン=レイク・セント・クレア国立公園」「ウォールズ・オブ・ジェルサレム(ウォールズ・オブ・エルサレム)国立公園」「サウスウェスト国立公園」「ハーツ・マウンテンズ国立公園」「フランクリン=ゴードン・ワイルド・リバーズ国立公園」という5つの国立公園を中心とし、他、州の保護区や保護地域、その他諸々ひっくるめた広大な原生林や、大小様々な多くの湖などから成り立っています。

まるでジュラシックパークの世界に迷い込んだかのような冷温帯雨林あり、氷河の忘れものであるたくさんの湖(大概ボタングラスのせいで水が紅茶色)やU字型の渓谷あり、ニョキッとした棒にパイナップルをくっつけたような不思議な形の固有植物、パンダニがニョッキニョキしている湿地あり、ウォーターラフティングには最適の渓流あり、タスマニアン・アボリジニの貴重で珍しい遺跡ありと、本当に様々な顔を見せてくれるこの世界遺産。

魅力ありすぎて、何度行っても、どこの場所に行っても楽しめます。

……天候が読めなくて、天気は運任せというのが玉にきずですが(夏でも吹雪くことあるし、冬でも快晴のこともある)。

1日日帰りツアーみたいなのもありますが、これはもったいない。勿体なさすぎる……っ!!

最低でも1泊はして、ブッシュウォーキングしてみることをお勧めします。太古から続くタスマニアの原生地域を、目だけではなく、五感で感じてみることをお勧めします。

最近、世界遺産の仲間入りした「オーストラリアの囚人遺跡群」。

このうち「ブリッケンドン・アンド・ウルマーズ・エステーツ」「ダーリントン保護観察所」「カスケーズ女子工場」「ポート・アーサー」「炭鉱史跡」の5つがタスマニア州にちりじりバラバラになって存在します。

……タスマニアは元々「監獄の島」でしたので、囚人遺跡があちこちに残ってるのも不思議じゃないんですけどね。

この中で、一番有名なのが「ポート・アーサー」です、が。個人的に一番好きなのは「ダーリントン保護観察所」。

理由は動物の楽園「マリア島国立公園」にあるから。あと、ここの元囚人部屋に宿泊出来るというのも嬉しいですね(有料)。

マッコーリー島は……普通の人だとまず行けない場所なので(政府の許可がいるし、第一、一般人向けの足がない)省略させていただきます。


タスマニアのお土産として定番なのが「ハチミツ」だったりします。

というのも、世界でもここでしか採れない、しかし世界中のハチミツマニアが涎を垂らして憧れるらしいハチミツがありますし、他のハチミツも美味しいのです!!

タスマニア固有の植物「レザー・ウッド」。この花からとれるのが「天使の挑発」とも称される「レザー・ウッド・ハニー」です。

某美食(?)漫画で2度ほど紹介されているので、日本人でもご存じの方はいらっしゃるかもしれません。

かなり癖が強くて独特の味を持つハチミツなのですが、一度嵌まると止められない……っ!!

パンに塗ってもよし、紅茶に入れてもよし、そのまま食べてもよし……っ!!

ちなみにレザー・ウッドはほとんどが世界遺産内に生えているので、許可を持っている養蜂家の方じゃないと採れません。ということで、レア度が確実にアップしてます。

他、プリックリーボックスや、ユーカリの一種であるブルーガム、ティーツリーのハチミツなども美味しいですよ!!

タスマニアを旅行していると、あちこちで目にするハニーファーム。

場所によっては、ハチミツのアイスクリームを販売していたりします。

夏、直射日光にやられてバテそうなときのこのアイスの美味しさは最高としか言いようがありません。


島だからって、小さいからって、無視されることの多いタスマニアですが。

本当に色んな魅力満載だったりします。

だから一方通行だろうがなんだろうが、タスマニアに恋をしました。

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