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勇者の力は……不必要?せっかく異世界転生したので、新しい人生も謳歌したいと思います。 ……国王死亡!?  作者: 成田楽


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49話──ただいま

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─────




「た、ただいま……」


 恐る恐るリビングのドアを開けると、パジャマ姿の母がソファに座ってテレビを観ていた。


 玄関を開ける音か足音で帰宅には気づいていたのだろう。驚くことなくこちらを見た。


「遅かったわね。連絡もしないで」


「今から帰るってメッセージは送ったでしょ……?」


「夕飯までには帰るってあんたが言ったんだから、その予定がズレるんならちゃんと前もって連絡しなさいよ」


「……ごめんなさい」


 全面的に悪いのはこちら側なので、ここは素直に謝る。


 食い下がろうとすると更に面倒なことになってしまうのは既に経験済みだ。


「まったく、心配させないでちょうだい。ほら、ご飯温めるから手洗ってきなさいな」


「はい……」


 洗面所に行き、小煩い母にあーだのこーだの言われないよう、もし言われても対応できるように、石鹸もしっかり使って手を洗う。うがいして対策は万全だ。


 それからリビングに戻って、いつもの定位置に座る。


「石鹸使った?」


「もちろん」


「最近感染症流行ってるから気をつけなさいよ」


「わかってるわかってる」


 やはり、面倒臭がらずにちゃんとやって正解だった。


「もう少し待っててちょうだい。あんたが遅いから冷蔵庫に入れちゃってたのよ」


「……本当に遅くなってすみません」


「もういいわ。変なことに巻き込まれてないだけ良かったわよ」


「まあ、そうだね」


 このタイミングの母の優しさはかなり効く。罪悪感爆上がりだ。


「……あ、そういえばさ、あの連続殺人事件。朝見たニュースのやつさ」


「うん。それがどうかしたの?」


「犯人見つかったらしいよ」


「あらそうなの」


「友達が言ってた。えっと、ちょっと待ってね……」


 尻ポケットに入れていたスマホを取り出し、そのニュースについて検索をかける。


「……お、これかな?ほら」


 それらしいものが出てきたので、自分でも読みながら、目の前でカフェラテを飲んでいる母に見せた。


「あらま」


「犯人、朝交通事故にあって死んだみたいだね。即死だってさ」


「因果応報ってことねー。あんたも悪いことしちゃ駄目よ?」


「はいはい」


 親の定型文はてきとうに受け流す。


「それでー、犯人は高校生で、事故にあった時に所持してた鞄の中から殺人事件に繋がる証拠品が出てきたらしいね。ホントかどうかわからんけど、人の部位が入ってたとか」


「嫌ねー。なにが目的で人殺しなんてするのかしら」


「なんなんだろうね。犯人にとってはただの娯楽だったりしてね」


「人殺しに走られるくらいなら自宅警備員になってくれた方がマシよ」


「マジ?じゃあ人殺ししたいから代わりに自宅警備員になっていい?」


「馬鹿言わない」


「母さんが言い始めたんじゃ!?」


 辛辣な言葉に、異議を申し立てたくなる。


「冗談は置いといて」


「……置いとくよ。それで、その男子高校生の住んでる部屋にも凶器があったんだってさ。トレンド入りもしてる」


「トレンド入り?」


 SNSに疎い母だ。トレンド入りと言われてもなんのこっちゃといった感じなのだろう。


「まぁ、一部界隈でめちゃくちゃ話題になってるってことだよ」


「へー、そうなの」


「あれだけ被害者が出れば全国放送で話題になるし、変に崇めてる人のグループもあったしね。そりゃトレンド入りするわなー。僕たちには関係ないことだけど」


「そうねぇ。被害者とご家族もそうだし、その犯人の家族の方も、気の毒だわ」


「あんまり良くない言葉だけどさ、死んでくれて良かったのかもね。部外者だからこそ思うことかもだけど……」




「ざまぁ、ってね」


読み終わった方、きっと頭の中は「??」となっているかと思いますが、それで正解です。もし納得している方がいるのであれば、その方はかなりの知識人なのでしょう。


(納得したいと思うくらい読んでくださっている方がいるのであれば、dmとかに問い掛けてくれれば答えます)

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