47話──告
《死の告:ハチ》
サマーニャ・ゼウォミー:死亡
死体は王国民によって発見された。服も肉も、全身ボロボロ。唯一無事なのは顔だけ。
不可思議にも、サマーニャが死亡していた地点の周囲の建物は破壊されていたにも関わらず、誰もその瞬間を認知していなかった。
窓ガラスの破損や、屋根の崩壊、壁のヒビ等、色々な被害を受けたものがいた。なのに誰も気付いていなかったのだ。
朝、起きてからやっとその状況に気が付いていた。
何故かその日に限って皆、異常なほどまでの眠りの深さだった。
だが、気付かぬうちにそんな被害を受けていたからこそ、自身の所有する建物の裏側がその被害を受けていないか確認しようと、普段は通らないような路地裏へ入った者がおり、それによりサマーニャが早期発見されることに繋がっていた。
目を瞑り、眠るように死を受けいれていたサマーニャ。彼を副団長だと知るものは少なくない。
その死の報は騎士まで届き、その騎士らが己の属する隊の隊長へと報告せんと動いたところで、全てが明らかとなった。
急な武器のメンテナンス、国王の病、侵入不可命令、アルバァの失踪、ある日を境に途絶えた隊長からの連絡、サマーニャの死。
それらが積み重なり、疑心暗鬼となった彼らは命令を無視した。結果、指示を仰ごうと王城を登り、死を目の当たりにすることとなった。
ワヒュード国王やサムハは優秀だった。国民からの支持も高かった。国民にとっての理想に限りなく近かったのかもしれない。
だからこそ、落差による反動は凄まじい。
結果、王国は国として機能しなくなっていくだろう。
今はまだ顕著に表れていなくても、果ては確定している。
物語は既に始まっていた。
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