43話──後を追わされ
《死の告:ロク》
スィッタ・シェ―チス:死亡
彼女の死の第一発見者は副団長のサマーニャ・ゼウォミー。彼と会わずして、第二発見者となったのは勇者の枝石誠と三番隊隊員のザアファ・ミーセ。
死の現場に居合わせたサマーニャだったが、彼は死の真相を知らない。
ザアファは喉の傷に気付いたが、これまでの被害者の死体を詳しく知らないため、その繋がりに気付けない。
気付いたところで、真相には届かない。
「……」
沈んだ心のザアファとは反対に、太陽は登っている。
それを前を向けという天からの啓示と受け取るか、ただ眩しさに煩わしいと感じるかはザアファ次第。
ただ、少なくとも、今のザアファが前者を選ぶことは難しかった。
「スィッタ隊長……」
書斎だった場所から離れた、ザアファもよくわからない部屋。ただ開いていたから入っただけの、なんの思い入れも無い部屋。
そこの窓際で、外の空気を吸っていた。
窓枠に肘を乗せて、ただ外を見ていた。
誠の前では耐えていた涙が頬を伝い、やがて腕に落ちる。
「……ッ、だめだよね……迷惑かけちゃう」
一瞬考えたのは、このまま飛び降りること。
しかし、それは他の隊員たちへ迷惑を掛けてしまう。きっとベルクに文句を言われてしまう。
なにより、ついさっき誠に助けてもらったばかりなのに、自ら命を絶つというのはあまりにも最低な行ないだ。
スィッタが死んだ。それはもう覆せない事実だ。
この世に死者蘇生ができる能力なんて無いのだから。
だから、諦めるしかない。
敵討ちという選択肢は残っている。だが、ザアファにはそんな力なんて無い。
あるのは、いつ来るかもどこに来るのかもわからない。ただ危機がわかるだけの能力。
未だ消えない疼きだけ。
「なんでまだ、危機察知が疼いてるんだよ……!」
スィッタの死が、まるで危機じゃなかったと言われているような気分だった。
ザアファにとってどうでもいいはずではないのに、能力がスィッタを他人呼ばわりしているように感じられた。
「なんでこんな使えない能力なんだよ!」
攻撃ができない。
防御もできない。
情報としても役立たない。
いくら努力して隊員になっても、限界は既に迎えていて、強くなれる兆しは一切無かった。
自分はふさわしくないとわかっていながら、ただ下で働けているだけで十分だと思いながら、結局なんの役にも立たずにスィッタを死なせてしまった。
「なんでもっと!!……つよく、ないんだよ……ッ」
努力してなければ言い訳になった。でも努力した上でザアファは弱かった。
(ザアファという人間が……ぼくが駄目なんだ)
自己否定はよくないと、何度己に言い聞かせても、何度でも己を否定してしまう。
ベルクには気付かれているかもしれない心情。
「……もう、な……どうしよう……」
(生きる意味って、あるのかな。申し訳ないってこの気持ちも、僕の見栄っ張りなだけじゃないの?でも、でも……王国騎士団ならここで挫けちゃダメだし……でも、僕は……そんな器じゃないし……楽になりたいよ。そしたら、ままもぱぱも悲しんでくれるのかな……。期待に応えられない僕に、ぼくを、愛してくれてるのかな……)
「ぁ……ぁ──……」
(だめだもう。なにも見えないし、なにも聞こえないや)
「…………──?」
俯いているせいで涙が黒目のところで留まって、そのせいで見えなくなっているのかと、そう思ってザアファは一度瞬きをした。
でも、なにも見えないままだった。
日の光が世界を照らしているはずなのに、ザアファの視界は暗闇の囚われている。
それだけじゃなく、周りの音が聞こえない。自分の声も聞こえない。
(あれ?なんで……)
不思議な感覚だった。
まるで夢の中にいるような、意識と体が分離されたような気持ち。
(……そっか。これはユメなんだ。全部悪いユメ。……ユメなら、覚めたらまたいつもの日常に戻るのかな。……弱い僕の、いつもの……いつも……あれ?……?……………………?)
体重を支えていた腕の感覚が消え、足も床を見失い、重力が無くなってふわふわして、無くなった。
(ユメ……ユ……────────)
──ドサッ、バタ……
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《死の告:シチ》
ザアファ・ミーセ:死亡
落下して、首の骨を折り、そのまま息絶えた。
それだけで、付随する要点は無い。
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サムハ陣営
該当者なし
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サマーニャ陣営
副団長──サマーニャ・ゼウォミー:能力──怪力?
勇者──枝石誠:能力──怪力?視覚妨害?
目的:
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無陣営
姫──スィフル・スクッシャ
目的:未来を見る。
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死者
国王──ワヒュード・モロ・スクッシャ
一番隊隊長──ナースィン・ヴァドー:能力──五感強化,消音,消震,脱兎,縮地,幻影,etc?
二番隊隊長──ササーラ・トリー:能力──固定
一番隊隊員──アルバァ・チェトィリエ:能力──炎操
団長──サムハ・ピャーチ :能力──破壊,再生
三番隊隊長──スィッタ・シェーチス:能力──結界
三番隊隊員──ザアファ・ミーセ:能力──危機察知
目的:死人に口なし。
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犯人
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目的:■■
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