第6話 side萌香 妹の心兄知らず1
あの日から、何もかもが私を追い詰めた。
奇妙な放送。
暗い通路。
怪物に食べられた男性。
私の前にだけ浮かぶ半透明の板。
開始制限時間のカウントダウン。
私は物事にあまり緊張したこともないし、平静を崩したことも滅多にない。
今は取り繕う事すらできずにボロボロだった。
止めは今日の日本政府からの発表だ。
頭がおかしくなりそうだ。
とっくにおかしくなっているかもしれないけど。
私も、世界も。
心配する家族にも呪いの言葉をかけてしまいそうだ。
優しくされたら暴言を吐きそうだ。
何もかも壊れて世の中の全員が同じ目にあってほしい。
家族に見るなと言われた動画をスマホで見てしまった。
殆どの人は、あのノコギリみたいな歯の怪物の階層を突破できていない。
無残に食い殺されている。
馬鹿みたいに大きな棍棒を振り回して突破した人もいた。私にはあんな真似は出来ない。
そんな強い人も第二階層に降りた途端に悲惨な死を遂げた。
誰かに助けてほしい。代わってほしい。
でも絶対にそれはいけない。それは殺人だ。
代わりに死んでくれなんて言えるわけがない。許されないことだ。
そもそも代わってくれる人なんているの?私の代わりに死んでくれる人なんて、いったい誰が?
お母さんは頷くだろう『本当に?』
お父さんは分からない『絶対助けてくれないよ』
春香は頷くだろう『まさか』
お姉ちゃんも頷きそう『有り得ない』
莉々は分かっていないだろうな『騙されてくれそうだよね』
幼馴染の二人は断る、と思う『私だってそう』
お兄ちゃんは絶対に頷く。助けてくれる『お兄ちゃんは信じられる』
「それ」は私が口を閉ざしても、陰からそっと囁いてくる。
『お兄ちゃんなら大丈夫。いつも助けてくれる。みんなに優しい。困った人を放っておけない』
『私、困ってる。助けてくれる。助けてって言えばいい。お兄ちゃんはそれを待っている』
………
……
『…でも、なんでこんなに困ってるのに、お兄ちゃんは助けてくれないの』
『いつもならすぐ助けてくれるのに』
『酷い…』
『酷い…酷い…』
『酷い…酷い…酷い…』
『肝心な時に、一番大変な時に手を貸してくれない。忙しそうにして私から逃げている。朝も放課後も通学の時間は別だし、私以外の家族とも碌に話さずにすぐ部屋に行ってしまう』
『お兄ちゃん私のこと見限ったんだ』違う。
『もう死んじゃうからいらないんだ』そんな訳ない。
『あんなにやさしくしてくれたのに』今でもきっと。
『私と春香のこと分かってくれるのに』信じていれば。
『駄目だよ。もうおしまいなの』……私は…。
私は…………
コン、コン、コン
ぐるぐると繰り返す自問自答が、ノック音によってかき消される。
ノックをする人は限られている。
私の心臓はいやに高鳴った。
「萌香、ドアを開けてもいい?」
お兄ちゃんの声が聞こえる。私を呼んでいる。
「……………うん」
私はどういう顔でお兄ちゃんの前に出ていいか分からず、布団をかぶったまま返事をした。
「母さんがご飯どうするかだって。降りられそう?駄目そうだったら部屋まで持ってくるよ」
「……ここで食べたい」
「了解」
お兄ちゃんは扉を閉め、足音が遠ざかっていく。
私はベッドから抜け出し、鏡で自分の顔を見た。
……想像以上にひどい顔をしている。肌は荒れているし目は血走り顔色は悪い。
なるべく見られるようにしようかと思案したが、お兄ちゃんはすぐに戻ってきたため反射的にベッドに隠れてしまった。
カチャカチャとテーブルにご飯を並べる音を聞き、流石に限界だと諦めベッドから抜け出した。
私の顔を見たお兄ちゃんはジッとこちらを見詰めた。
今までお兄ちゃんから向けられたことのない、透明な視線に居心地が悪くなる。
「萌香、一つ提案があるんだ。辛いだろうけどあの半透明の板を出してくれないか」
「え、わ、私」
動揺と不安で体が震える。今更一体なんで、どうして!
感情が高ぶって体が震えだしたが、兄に掴まれた肩に掛かる力の強さにギュッと体が縮こまってしまった。
言われるがまま半透明な板を出現させ、前に見た時より減ったカウントを見て気分が悪くなる。
「う、ううぅ……」
「よしよし、偉い偉い」
背中に感じる掌は、先ほどまでとは違い私を安心させてくれる。
不安の種が消えるわけではない。ただのまやかしだとわかっている。
でも縋るものがこんなにも暖かい。
「次は、試練資格を譲渡しますか?のところのYESをタップしてみて」
微睡の中にいるかのようにボーとお兄ちゃんに言われるがままタップする。
色んな名前が並んでいて、お兄ちゃんの名前が一番上だった。
「僕の名前をタップして」
何か知りたいことでもあるのだろうか?余り回らない頭のまま、言われるままタップした。
お兄ちゃんの前に半透明の板が出てきた。
今まで緩慢だった意識が覚醒し、寒気が走る。
「え、まって、ナニコレ、ダメ!」
叫んだ、手を、指を動かすが触れられない。体が震えて目の前が滲む。
私はやってはいけないことをした。
一番、一番負わせてはいけない人に私の重荷を与えようとしている。
「萌香、僕が望んでしていることだから気にしないでほしい。これは僕が選んだことだから、僕が責任を持つから、萌香はもう何も心配しなくていい」
お兄ちゃんは優しい顔で微笑み、指をYESとタップした。
『試練資格受諾を確認
試練資格JPN_No.01023 青野信也を登録します』
「ダメ、返して!お兄ちゃんそんなことしないでよ!」
「残念、それは無理だよ」
お兄ちゃんは拳を開き半透明の板を開く。
『試練資格JPN_No.01023
青野信也 男 15歳
技能:なし
称号:なし
生命:10/10
精神:10/10
装備:なし
保有アイテム:なし
リソース:100P
試練:孤独の迷宮を開始しますか?開始制限時間4日11時27分31秒
YES NO
※開始制限時間を超えた場合、試練資格を喪失します
開いた瞬間には、お兄ちゃんの指は、半透明の板のYESをタップしていた。
「今日の説明で聞いただろ、一度試練を始めたら二度と試練の資格譲渡は出来なくなるんだよ」
お兄ちゃんの体は端から粒子になって消えていく。
私の大切な人が、私の所為で消えていく。
私のために消えていく。
「いやあああああぁ!!」
心が裂けてしまうかのような痛みが襲い、悲鳴を上げた。
部屋に父さんを除くみんながなだれ込んでくる。でも、全てが遅かった。
みんなお兄ちゃんの体を捕まえようとするが、その手はすり抜け、お兄ちゃんは姿を消した。
辺りがしんと静まり返り、静寂が流れた。
何もわかっていない莉々が兄のいなくなった場所で固まっていた。
お姉ちゃんは怒りとも悲しみとも言えない顔で私を見詰めてくる。
春香は顔を伏せて黙っている。髪で顔が隠れて表情は分からない。
お母さんはショックで体も顔も固まっていた。
「……配信」
誰かが、言った。
「お兄ちゃんの配信が始まる。事情は絶対に言ってもらうけど、後回しでいい。配信を見よう」
春香の声だった。
聞いたことのない固く低い声で、誰が喋っているのか分からなかった。
怒っている?悲しんでいる?
いつもなら手に取るようにわかる春香の感情が、この時は分からなかった。
遅れて部屋にやってきたお父さんに事情を説明して、リビングのテレビにパソコンの画面を出力させて某配信サイトを表示させる。
そして一つのライブ配信を見付けた。
画面は暗く何も映し出されていないが、コメントは既に流れている。
タイトルは『【試練資格JPN_No. 01023】孤独の迷宮、本日の最後の犠牲者は君だ!』などと書かれていた。
1,042人が待機中 *******公開予定
コメント
・遅い時間にスタート
・社会人かな?
・ニートだろ
・相変わらずのタイトル。間違っちゃいないが
・養豚場の豚さんを見る気持ちだもんね、ここの人たち
・ちょっとは善戦してほしいけどな。すぐ死んだらおもんないし
胸に氷が差し込まれたように冷え、頭が沸騰するほど熱い。
試練資格No.は私のものだった。
タイトルはいったい誰が考えたか分からないが、センスを疑う。
コメントの言葉に神経が逆なでさせられる。
「気分が悪いわね……他人事だからでしょうけど」
顔を顰めるお姉ちゃんは、莉々のことをあやしながら画面を睨みつけていた。
莉々はお兄ちゃんが目の前で消えたため動揺が大きい。それでもこの場にいれる位の精神の強さを持っているようだ。
「そうだよね。本人たちがどれだけ苦しんでいるかなんて知らないで」
春香は小さく呟くが、その声には毒がタップリと含まれていた。
「お願いします、信也を守ってください」
お母さんは両手を合わせて祈っている。私たちの中で一番辛そうだった。
「大丈夫だよ。あいつは器用な奴だ。案外うまくいくかもしれない」
お父さんはお母さんの肩を抱き、気休めを言っている。
そんな無責任なことよく言えたものだ。
お姉ちゃんや春香は冷たい目で父さんを一瞥し画面に視線を戻した。
画面が切り替わり暗い通路の扉が開いた。
そこにはマントで体を覆い、袋を背負ったお兄ちゃんがいた。
概要の情報が更新される。
青野信也 男 15歳
技能:なし
称号:なし
生命:10/10
精神:10/10
装備:鉄の片刃短剣 ジャージ フード付きマント
保有アイテム:背負い袋 携帯食料(15) 水筒大(2) ポーション(2) 紙束 ペン ナビゲートピクシー
リソース:10P
コメント
・技能なし初めて見た!
・近年まれにみる雑魚。まあ15歳なんて技能無くて不思議じゃないけど
・12歳でもあったぞwww
・その子は第七階層まで辿り着いた猛者だろ
・いや、そんなことより装備ヤバ。迷宮舐めすぎww
・遠足でお弁当と食べて写生大会ですね。分かります。
・初コメ、この子なに?笑いとるならもっと尖ったことしたら?つまんな
・ブホォ!早速奇行開始したぞ。ちょっとオモロイ
・ナビゲートピクシー?
・取った人はいたな。すぐ死んだから詳細は不明
お兄ちゃんは辺りを確認した後、早速マントを泥だらけにした挙句ガシガシと踏んでさらに汚した。背負い袋は土を被せてその場に放置。
お兄ちゃんは満足そうにして汚れたマントを被って歩みだす。
その足取りは慎重ではあるけど、迷いはなく堂々としている。
動画を見たことあるはずなのに、あんな気味の悪い怪物がいる場所なのに。
十字路についた段階で、紙とペンを取り出して何か書いているが、手元は映されていない。
それからも移動して部屋や分かれ道があるたびに、紙に何か書いている。
視聴者数はいつの間にか1万を超え2万に届きそうになっていた。
コメントを見るに他の試練の配信が終わったから流れてきたようだ。
「あ、しゃがんだわ。怪我でもしたのかしら……」
「そんな素振りなかったぞ。あれは隠れてるんじゃないか?」
お母さんとお父さんが言うように、お兄ちゃんが通路の端に座り込み動かなくなった。
それから少しして例の怪物が画面に出てきた。
余りの醜悪さにお母さんや春香、私の口から悲鳴が漏れる。
怪物は通路を出た途端、お兄ちゃんとは真逆の方向に向かって走り出した。
お兄ちゃんはその背に向かって音も無く一足で飛び上がり、剣で怪物の首を切り裂いていた。
「すごっ……お兄ちゃん剣術なんて出来たの?」
春香が思わず感嘆の声を漏らす。みんな言葉を失っていた。
武術に縁遠くても、今のが素人が出来る事じゃないことはハッキリと分かった。
ほんのわずかな出来事。
掌に汗が滲み心臓が強く脈打つ。
何か駆け引きがあったかもしれないけど、私には分からなかった。
画面越しでもここまで緊張してしまう。私はきっと怪物を前にしたら恐怖で動くことすらできない。
どうしてお兄ちゃんはあんなことが出来るの。どうしてあんなに迷いなく怪物の首を切れるの。
お兄ちゃんはもう死んでいるように見える怪物に執拗に短剣を突き刺し、怪物の着ていた汚い布で短剣を拭った。
コメント
・今度は腹でも壊したか?遠足の前にトイレを済ませろとあれほど
・うわ、バケモンじゃんキモイ
・急に走り出したぞ
・はっ?首に一撃って、どこのアサシンだワレ
・ていうか今の動きヤバくない?これで技能無し?
・ワザマエ見せられて感心したら唐突にグロ見せつけてくるコノ
・オロロロロロ
・あの布に触るとはソナタ勇者じゃなオロロロロr
お兄ちゃんは辺りを確認して、音を立てないよう注意しながらも、即座にその場を後にする。今までの慎重な歩みと違い大胆な動きだった。
目の前には、次から次へと怪物が現れるが、お兄ちゃんは作業みたいにそいつらを倒していく。
最初の怪物を倒した場所まで戻ってきて、死体がないことを確認した後は来た道を戻って、別の倒した死体を切り刻んでその場を離れた。
コメント
・圧勝ではないか我が友よ
・一人だけエンカウント温くないですかねー。敵が集まってこないじゃん
・毎回後ろ取れるとか豪運かよ
・怪物を誘導してる?
・たまたまだろ
・また死体掻っ捌いてる。これって何かの宗教の儀式ですかwwww
・もしかして血の臭いじゃない?
・そういえば最初の怪物の死体が無くなってるの確認してたな
何度も繰り返すことでこれが意図した行動だと気付き始めて、コメントもざわついている。
流血と怪物の中身が何度も画面に映り込み、気持ち悪くなってくる。
お母さんは今にも倒れそうなほど顔色が悪い。
「うっ……」
「母さん、無理に見ない方がいいわ」
「大丈夫よ。あの子が危ないのに、目を逸らすなんてできないわ。例え何もしてあげられなくても」
「……そうね。なら、もう何も言わないわ。倒れたらベッドまで運んであげる」
「有難う、花音……」
階段を見付けてもお兄ちゃんは降りることなく怪物を倒し続けた。
もう怪物が出てこなくなってからしばらくして、階段の入り口で紙にペンを走らせている。
完成したそれを確認して、こちらに紙の表を見せてから初めてお兄ちゃんが口を開いた。
「第一階層の探索が全て終了したのでその結果を紙に書きました。通路の距離、分かれ道、部屋、第二階層への階段の位置など記していますのでご覧ください」
それは詳細な地図だ。線は少しよれているが歩数から割り出された距離が細かく記載されている。
「あともう一枚はここに出る怪物、名前は分からないので歯の怪物と呼称します。その特徴や数、習性、倒し方について分かる限り書きました。僕なりの解釈なので、そこはご留意を」
歯の怪物については数と特徴、倒し方を詳細に書いていた。妙に似ているイラストも添えて。マントを汚した意味や歯の怪物を傷付けた意味も解説してある。
「第一階層は以上となります。階段を警戒しつつ休憩を取って回復したら第二階層に進みます。それでは」
お兄ちゃんはそう言い残して、階段の脇に座り込んで目を閉じた。
「お兄ちゃんは馬鹿だよ。馬鹿だ、本当に馬鹿だ……どうしてそんなに誰かを助けようとするの。私の代わりに、誰かの代わりになんてならなくてもいいのに。どうして人の苦労を持って行っちゃうの……」
「それが私たちのお兄ちゃんだからね。絶対に変わらない、長所でもあり、短所でもある」
「そうね。信也は筋金入りのお人好しだから。何も考えてないんでしょうね」
「考えてないんじゃなくて悩まないのよ。自分の心に素直な子よ。だからすぐ答えが出せる」
「そうだな……あいつは、悩まない。いつだって判断が早すぎて困るくらいだ。今だってそうだ」
私は自分の事で一杯一杯だった。見るべきものが見えていなかった。
お兄ちゃんはさっき決断したんじゃない。
ずっと前から決めていたのだ。私から資格を貰うことを。
そのための準備をしていた。
それだけじゃない、お兄ちゃんはこれから試練を受ける人たちのために動いていたのだ。
お兄ちゃんは私が物心ついたころにはもう、誰かを助けることが当たり前の行動をしていた。
お母さんやお父さんが強く促したわけではない。自然にそうだった。
損をしようと、馬鹿にされようと、勘違いされようと、利用されようと、見下されようと変わらなかった。
ずっと優しくて、誰より暖かかった。
コメント
・階段見つけた後も念入りに見て回ったね
・もう虫一匹いないぞ
・第一階層の怪物全滅のお知らせ。怪物に親でも殺されたのかこいつ
・ありそう。冗談ではなくありそう
・また何か書いてる
・見せてくるのか。お、喋り始めた
・うわ、まじかよ
・すっご、こいつ頭おかしい
・あーやっとナゾい行動の意味がわかった。土も血も臭い対策か
・これが本当なら第一階層の難易度下がるんじゃね
・情報があっても実行するできるかは別問題
・弱そうなこいつが出来るならなら俺でもやれるわ
・お、そうだな(こいつ何言ってんだ?
・確かに強くはなさそうだったな(怪物50体以上の虐殺
・確かに(なお一度も後ろ取られてない。傷ひとつない
・弱いな(2時間歩き詰め、地図や攻略法の作成
・これ、下手すれば戦闘なしで階段まで辿り着けるぞ
・初の孤独の迷宮突破は日本人じゃけん!!
・盛り上がってきたぜ!!!
・と思ったら休憩に入りましたwww
・ズコー
・ズコー
・寝顔可愛いねww
・うふふ、そそられますな~
・15歳に手を出したら犯罪だぞ、オバサン
・オマエノナマエオボエタ
視聴者数のカウントがどんどんと上がっていく。
もう20万人を超えているのに、カウンターの勢いが止まらない。
お兄ちゃんは休んでいるだけなのに。
最初の雰囲気とは違う。
お兄ちゃんに対して好意的なコメントがある。
勿論、否定する声も多い。
ただ大きな、何かが起きようとしていることは分かる。
私は思うのだ。きっと家族のみんなも思っている。
お兄ちゃんはきっと帰ってくる。
怪物なんかにやられない。
試練を超えて、孤独の迷宮から帰ってくる。
そう信じている。
『カバーストーリー:技能について研究レポートその1』
試練が始まり、技能という未知の力に注目が集まっている。
技能とは何か。言葉で表すなら鎧であり、剣であり、……眼鏡だ。
試練資格者の協力を得て解析した結果、人間に外付けされる能力という結論が出た。
いわゆる下駄を履かされた状態と言える。
本来の能力でないため、技能を十全に発揮するには修練が必要だ。
例えば近接格闘LV4の技能を持つ一般人と、何の身体技能ものないプロボクサーが喧嘩した場合、プロボクサーが圧勝してしまう。
あれは酷いものだった。豚に真珠とはこのことだろう。
近接格闘の技能を持つ者は運動と無縁の一般人だったが、一般人を遥かに超えるパンチ力があった。
だが技術もなく威力もプロボクサーには及んでいなかった。
才能と言っていいかもわからない代物だが、未知の可能性を秘めていることは間違いない。
解析を進めることで人類への貢献となるだろう。
だからケチケチせずに予算と被検体をもっと寄こせ!




