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果てしなく続く物語の中で  作者: 毛井茂唯
エピソード 混迷の大陸 黎明
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第3話 青野信也と感情



 日原邸に戻れば奏さんや琴羽、一郎さんが既にいた。

 早退の連絡はしていたけど、みんな帰ってきているとは思わなかった。

 僕を見て、全員顔を強張らせた。事情は配信で知っているようだ。

 奏さんに至っては、僕の表情から全てを悟ったようだった。


「信也君は、行くのね……」

「はい、もう決めました。1ヶ月後の試練の内容を確認してから日程は決めます」

「……後悔はないのか」

「あります。沢山ありますけど、この先の出来ることをやらなかった自分の後悔を思えばこそ、ですね」

「信也は全部忘れようって考えないの?」

「考えない。あの世界は、僕の中で全部現実だから」


 その言葉を聞いて、三人の体から力が抜けたのが分かる。説得するのは無駄だと悟られたのだろう。

 それでも琴羽が不安そうに僕を見詰める。


「帰ってこられるの?」

「絶対帰って来る。こう見えて算段はあるんだ」


 それを聞いて、彼女は笑った。

 不格好だったけど、そこには信頼が見て取れた。

 一緒に戦ってきたから、僕の言葉に何の偽りもないことが理解できたのだろう。

 家族からは止められるだろうな。

 でも気持ちを伝えないのは違う。止められると分かっていても、ちゃんと伝えよう。




 その日の夜には日原一家の連れ添いの元、青野家を訪れた。

 僕一人でよかったんだけど、どうしてもついてくると言われて同伴している。

 父さんから玄関を通してもらって客間に入ればみんな揃っていた。


「配信で事情は聞いたと思うけど、僕はもう一度箱庭に行ってくるつもりだから、その報告に……」

「駄目よ、今度こそ許さないわ」


 言葉を切られ、母さんから怖い顔で睨まれる。胸の内に痛みが走るが無視した。


「……それは聞けない。異層空間と同じだ、モラスティア大陸の人たちを侵略者から助けるために戦う」

「全然違うわ。それはやらなくてもいいことよ、分かっているでしょう」

「僕がいかなきゃ不幸になる人が沢山いる。それは僕の恩人たちだ。この世界だって、回り回ればその人たちのおかげで助かった部分もあるんだ。恩は返すものでしょう?」

「信也にとっては、この世界よりその人たちが大切なのね……」

「どちらかなんて選べないし、選ばない。僕は全部終わったら帰って来る」

「嘘よ。どうしてそんな出来もしないことを言うの」

「……やっぱり迷信だ」


 これだけ自信満々に言っても駄目じゃないか。

 母親は嘘が分かるんじゃなかったのか。信じてもらえないじゃないか。

 母さんから目を背けて、その先にいた莉々と目があった。

 

「お兄ちゃん、帰って来るんだよね、本当に本当だよね?」

「ああ、絶対に帰ってくるよ。安心して待ってて」

「コクコク」

「莉々、無責任に信也を煽らないで、黙っていて。この子の無茶が上手くいっているのは結果論でしかないの、今度こそ本当に無理よ」


 今まで日原家側の人間は黙っていてくれたが、奏さんは余りに母さんが頑なであることを察し、こちらに目配せしてから母さんに向き直った。


「お言葉ですが、どうして信也君のことを信じてあげないんですか。こんなにあなたに思いを伝えよとしているのに……」

「他人のあなたが口を出さないでください。この子の親じゃないから、そんな無責任なことが言えるんです」

「私は娘の琴羽が同じことを言っても止めません。もし信也君の転移が一人分でないのなら、娘が付いて行こうとするなら、それを止めません」

「信じられないわ。もしそれが本当なら軽蔑します」


 これは不味い。僕と母さんの言い合いに奏さんまで巻き込まれ始めた。

 庇おうとしてくれたようだけど、良くない展開になりそう。

 一郎さんは口を噤んでくれていたが、奏さんに対する母さんの物言いに、段々と表情が険しくなり口を開いた。


「信也君は、あなたが何と言おうと止まりませんよ。覚悟を決めています。あなただってわかっているでしょう。快く見送ってあげられないんですか」


「母さん、僕を信じてほしい。絶対に帰ってくるから……」


 僕の言葉に、母さんは突き放されているかような強い眼差しを返してきた。

 僕の中にある何かが、拒否反応を起こすように、体の熱を奪った。

 その寒さは、久しく感じたことがなかった。


「もし言う事が聞けないのなら、この場で縁を切るわ。あなたは、私の子どもでも何でもないっ!」


「…かあ、さん……」


 反対されても、説得して納得してもらうはずだった。

 喧嘩になる覚悟もしていた。

 今の言葉を聞いても、僕は箱庭に行く意思は何も揺らいでいない。


 だけど、僕の口は言葉を止めていた。

 知らない感情が溢れたことによって。

 

『それだけは聞きたくなかった。だってそれは、ぼくの意思次第でどちらでも受け入れるという事』


『その選択肢を用意されているという事』


『ぼくを捨てても構わないという事』

 

 自分でも、その言葉によってもたらされた感情が理解できなかった。

 ただ選択肢を突き付けられたことに、ショックを受けている。

 

 今まで鳴りを潜めていた、自分の中の青野信也だった記憶が嘆いている。

 「ぼく」が泣いている。

 ただの記憶でしかなく、感情なんて想起したことはなかったけど、母さんの言葉で、悲しみで、古い思い出が悲鳴を上げだした。


 そうか、さっきの寒さは。

 『ぼく』が母さんに会う前にいつも感じていた寒さだったんだ。


「あなたは、なんてことを……信也君、今の言葉は……」

「……信也?」


 一郎さんの言葉、琴羽の声に答えずに、胸の内に木霊す悲しみに耳を傾けた。

 青野信也に残された感情の残滓を忘れないように。

 

 数秒だろうか、数十秒だっただろうか、記憶に宿った悲しみの感情を全て受け止めた。


 今まで思い出すことが出来なかった蓋のされた記憶。

 

 一つ前の僕と同じ、ネグレクトされた末に捨てられた子どもの記憶だった。


 河原で母さんに拾われて、初めて人に優しくされた記憶だった。


 施設に預けられて人並みの生活をして、母さんに家族として迎えてもらった記憶だった。


 青野信也がこの記憶を封じたのは、本当の家族になりたかったからだろうか。

 永く生き過ぎ僕には、彼の思いの重さは分からない。

 だから謝るよ。君を苦しませて済まなかった。

 同じ魂の持ち主であったとしても、君の運命は僕によって選ばされたものなのだから。


 そして、ごめん。

 僕はそれでも止まれないんだ。


『大丈夫、ぼくは君の意志を尊重するよ。ぼくは君でもあるんだから』


 有難う……、君の残した感情は、言葉だけはちゃんと伝えるから。

 

 頭の中でカチリとスイッチが切り替わる。

 演技であって、演技ではない。

 僕はこの場に限り、家族が見て来た正真正銘の「青野信也」になった。


「今、昔のことを思い出した。ぼくは捨て子だったんだね。ずっとずっと忘れてた」

「お、兄ちゃん?」

「まって、それは……」

「みんなは……ああ、知ってたんだね。言ってくれればよかったのに」


 春香と花音姉さんが声を漏らし動揺を露わにする。驚いて、何か言うべき言葉を探している。

 他のみんなも、似た表情をしていた。

 みんなが何を思っていたのかよく分かる。教えてくれれば良かったのに。


「あおのさんに拾われて嬉しかった、会いに来てくれて嬉しかった。家に迎えてくれて、嬉しかった。皆のこと本当の家族だと思い続けて、そう思っていたら昔のことを思い出さなくなった。すごく、幸せだった……」


 だから忘れていたんだね。辛い事なんて思い出す必要もなかったんだ。

 ずっと本物だと思っていた。


「もういいよ、もういいから……」


 誰かに抱きしめられている。暖かい。

 追いかけて来てくれた人。とても強くて優しい人だ。

 

「ぼくは誰に聞かれても幸福だったって言えるよ。だけどここで終わりみたいだね」

「違うの、私はあなたのことが心配で……」


 恐れだろう。失いたくはないから怖がっている。

 止めるための建前、例えそうであっても言ってほしくなかった。聞きたくなかった。

 ぼくはそんなに強くないから。

 時代を駆け抜けた英傑じゃない。

 15年生きただけの、ただの子どもだから。


「辛いなら、捨てるつもりなら、ぼくなんて拾わなければよかったのに」

「そんな……」


 信じてほしかったのに。ずっと信じていたのに。

 この人はぼくを助けてくれた優しい人だから、受け入れてくれた人だから。

 ぼくみたいな人間でも、家族になれるんだって思っていたのに。


「ぼくは結局家族にはなれていなかったんだね。ごめんね、あおのさん。ぼくはあなたの息子になってあげられなかった」


 途方もない時間を戦い続けた僕の選んだことだったとしても、それはぼくの望む正しい在り方だ。彼らの不幸を見過ごすなんて出来やしない。

 だからぼくは僕の選択を肯定する。正しく生きる。

 願いによって宿った意識だったとしても、ぼくもまた、沢山の記憶を受け継いだ僕の一部なのだから。


「………」


 もうあおのさんは口を開こうとしても、そこから声が出ることはなかった。

 何かを喪失してしまったかのように、うつろな瞳でぼくではない何かを見ていた。

 言うべき言葉を無くしていた。

 

 ぼくはあおのさんの目を見詰めて最後に一言だけ声を掛けた。


「ぼくを、一人でも生きていけるようにしてくれて、ありがとう」


 さようなら、母さん。ごめんね、あおのさん。

 後はお願い、もう一人の、本当の僕。

 最後にお話しさせてくれて、ありがとう。




 記憶に宿っていた感情が消えた。

 もう悲しみを抱いた青野信也は何処にも存在しない。

 頭の中のスイッチが、感情が切り替わり、僕へと戻って来た。

 悲しみの感情など、どこにも存在しない。

 水気を帯び始めていた瞳は直ぐに乾き、涙は零れることはなかった。

 僕は琴羽の抱擁を解き、青野家のみんなに向き直った。

 

「伝えたいことはこれでおしまい。僕は箱庭に行くよ。青野信也じゃなくて、ただの信也になってでも」

「待ってくれ、紀子は本気で言ったわけじゃないんだっ」


 父さん、いや敏夫さんの言葉に首を横に振った。


「そうだね……でも僕は前の両親に捨てられた時と、無いものとして扱われていたときと同じだけのものを感じ取ったみたい」


 嘘だ。そんなものとは比べ物にならない。

 家族として愛された記憶が、青野信也の傷を致命的に深くしていた。

 僕と混じり合った意思さえ消え去るほどの深く。


 敏夫さんも、言葉を探していた姉妹も何も言えなくなった。

 幸せに生きてきた人間には想像できるはずもない例えだ。

 卑怯だけど、そう言わせてもらった。


「仮に家族を続けたとしても、それは偽物だよ。折り合いをつけ続けるだけの関係だ。お互い不幸になるだけで何もない」


 青野信也はどう思っていたのだろうか。

 10年以上の時を家族として一緒に生きて来たのに、ただ一言で壊れてしまったと思えてしまうなんて。

 大事なのに、脆い絆だったのだろうか。

 分かってあげられないことが、心苦しかった。


「僕は戦うことを止めない。だから僕のことは気にしなくていい、他人の苦労も苦悩も辛いなんて思わなくてもいい、背負わなくていい」


 僕はこれから、この手で夥しい数の箱庭の人間を手にかけることになるかもしれない。家族が大量虐殺者なんて、誰だって嫌だろう。

 それならここで突き放してしまった方がいい。

 青野家の人たちを守るという意味では、最適解だったかもしれない。


 感情が限りなく希釈された冷たい目で一人一人と視線を合わせた。

 僕たちの間に情なんて存在しないかのように。


「さようなら。青野家の皆さん」





 何も言葉が返せなくなった彼らに別れを告げて、青野家を出て車に乗り込んで帰る。

 後部座席に琴羽と二人で座っているが、琴羽はずっと僕のことを抱きしめて離してくれない。

 柔らかな胸に包まれて、一定のリズムを刻む心臓の音が良く聞こえてくる。恥ずかしいというか、気まずい。

 普段はそんなに意識しなくても、こういう時ばかりは彼女も女性なのだと失礼ながら思ってしまう。

 いつもは男女と言うには、お互いが自然体過ぎるのかもしれない。


「琴羽、そろそろ離していただけると……」

「うん」


 素直に解放されるが、代わりに手を繋がれてしまった。

 隙間なく繋がれた掌には、熱く熱が籠っていた。


 琴羽の顔は、風のない湖面のように凪いでいる。

 何を思っているのか分からない。

 沈黙が気まずかったわけじゃないけど、口が自然と言葉を紡ぐ。


「記憶って不思議だね。普段気にもしてなかったけど、昔のことは全然憶えてなかったんだ。でも言葉一つでブワーって思い出してビックリした」

「血が繋がってないって、知らなかったの?」

「うん、まったく。知ってたとしても本当の家族みたいに思っていただろうけど、今は何なんだろうね。10年間以上一緒に暮らしてた他人なのかな……」


 僕は青野信也の振りをして琴羽に語っていた。

 振りというには、無感情で、酷く拙いものだった。

 もう彼の意思をこの身に落とし込むことは、ただの演技であってもしたくない、してはいけない。


「あの人たちのこと嫌いになった?」

「それはないよ。ただこれからは関わり合いにはならない方がいいと思った。きっと辛い思いをさせるだけだから。離れていれば、いつか記憶も薄くなって何も思われなくなる。そうなればいいかな……」


 異層空間の物品のお陰で、莉々や春香たちの心配事はほぼ無くなった。

 ダイヤモンド以外の資産も権利も、僕に何かあれば安全に相続できるようにフランスにも頼んである。

 もう僕が居なくても大丈夫だ。

 勿論表立っての話なだけで、陰ながら見守りはする。

 それでも直接関わり合いになろうとはしないだろう。


 琴羽は堪えるように顔を伏せ、手を強く握った。


「……信也は辛くないの」

「それは過ぎちゃったみたい。拒絶の一言が、一番辛かった。心の一部の感覚が無くなったみたいに。そのおかげで、今はもう……何も感じないんだ」


 青野信也の感情は無くなったけど、僕にはそれまでの感情はある。

 だから割り切れてしまえている。

 僕はずっと昔からそういう人間だったから。


「……じゃあ、止めとこうかな」


 琴羽は寄り添うように、僕の肩に頭を乗せ目を閉じた。

 彼女は何を思い止まったのだろうか。

 

 奏さんや一郎さんは、何も言うことなく前を向いている。その表情は分からない。


 僕は傍らの温もりを感じながら、静かに目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カバーストーリ―:追憶』



 ぼくが青野家に来てから1年が経った。

 莉々は無口だけど、ぼくによくくっ付いて来る。特に右手がお気に入りみたい。


 春香と萌香たちは言葉をたくさん喋るようになってきた。


 花音姉さんは僕の世話を焼くのが好きみたい。でも、もうちょっと妹にも構った方がいいと思う。


 父さんはあんまり家に居ないし、そんなに喋らないけど、母さんに隠れて手伝いのご褒美にジュースをくれたりする。

 母さんは家事に育児に大忙し、僕も母さんを手伝いで大忙し。

 

 毎日がとっても楽しい。

 たくさん、たくさん良いことばっかりだ。

 幸せってこう言う事なんだろうな。

 

 ぼくは、いつまでここにいていいんだろう? 




 ぼくが青野家に来てから3年が経った。

 あんまり昔のことは思い出さなくなってきた。

 あれは夢だったんじゃないかなって思い始めた。

 今の生活を考えると、信じられないようなことばかりだったんだもん。


 母さんにそれを話したら「辛いことは忘れてもいいのよ」って教えてくれた。

 辛いことだったのかはよく分からないけど、母さんがいうなら忘れちゃった方がいいのかな。

 うん、忘れちゃお。





 その日は試練が始まった日。

 ぼくの中に眠っていた意識と融合した日。

 恐らくその表現が正しいと思う。

 僕の方の意識も、ぼくの影響を受けて性格が違うものに変化している。

 元が同じだからか、芯の部分は変わらないようだけど、今がどんな状態かよく分からない。


 ただ不思議なことに、ぼくという意識の残滓ははっきりと残り続けていた。

 俯瞰し、僕の目を通して世界を見続けていた。

 僕の心を知り、たくさんの思い出に触れた。


 僕は、ぼくなんかよりずっとお人好しだった。馬鹿みたいにお人好しな人だった。

 自分の命なんて誰より軽い。

 命がけで人助けして、酷い仕打ちを返されたって、仕方ないかと直ぐまた誰かのために行動してしまう。

 傷付いても、傷付いても、前に進む。

 忘れ去った何かをただ追いかけ続ける、悲しい在り方。


「もし言う事が聞けないなら、この場で縁を切るわ。あなたは私の子どもでも何でもないっ!」


 その言葉はどうしようもなく、世界が壊れるほど悲しかった。

 それでも、ぼくだけのことだったなら、対話が出来たと思う。

 折り合いを付けられたと思う。

 ただの喧嘩で、仲直り出来たと思う。


 でも違うんだよ、母さん。

 今その言葉を言った相手は、ぼくじゃない。

 僕なんだ。


 母さんに対して初めて怒りを抱いた。涙が流れるほどの怒りを。

 こんなにも人を思う彼を傷付けるなと。

 生まれては死に、化け物を狩ることを宿命付けられた僕の苦悩を知らないで。

 僕には家族を愛する記憶が、愛された記憶が何処にも無いんだ。

 

 漸く辿り着いた平穏で、僕がどれほどみんなを大切にしようとしていたか知らないで。


 感情が乱れないのは、心が傷付かないからじゃない。傷付いても分からなくなるほど傷付いてしまっているからなんだ。


 ぼくと合わさってしまった分だけ感情が戻り、悲しみを背負わせてしまっている。

 だからぼくは、融合し切れていなかった意思であったぼくは、僕の中から消えることを選んだ。

 異分子だったぼくが持っていた余計な感情を、全て引き受ける。


 家族の情に流されず、正しくあれるように。

 余計な重みを背負わせないために。


 それでも僕はお人好しだから、家族を気に掛けてくれるんだろうね。

 辛いのに、ぼくの感情をのせて家族に言葉を届けてくれたのは良い証拠だよ。

 それにただの意識であるぼくにまで同情しちゃって。

 ホント、悲しいくらい優しい人なんだから。


 青野信也になった僕。

 君の中にぼくが居なくなったとしても、君にはちゃんと感情がある。

 誰かを愛し、愛されることが出来る。

 

 消えるぼくには、それを見届けることが出来ない。

 試練を越えた先で、君の人生が幸福と愛で溢れることを祈っている。


 バイバイ。


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