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カレー食べるだけで村を救えるって本当ですか?①

 目の前に立ちはだかるのは、自分の十倍はあろう巨大な竜。

 鋭い牙からは、よだれが滴り落ち、その大きな目は今にも俺を喰い殺そうかと睨みをきかせている。

 俺のことをエサとしてしか認識してないようだ。

「せっかく元の世界で大往生したってのに、、、」


ー2時間前ー

 「さぁ!第一回大食い自慢大会も残すところ後5分となりました!!初代王者に輝くのは誰だぁぁ!!!」

 大会も佳境に入り、実況の声が会場に鳴り響く。

 「優勝候補は2人に絞られた!!!一騎打ちだ!!!!」

 俺の名前は、食満 大吾郎(くいまん だいごろう)。今日は町おこしの大食い大会に参加している。町の大食い自慢が集まり、大盛り上がりだが、休む暇なく次々と運び込まれてくるホットドッグを前にしてほとんど参加者がギブアップしていた。俺とカレを除いては、、、

 「アメリカからの刺客!外国人留学生のケイン!!さらにスピードアップしていくぞ!!!このまま優勝か!?」

 この町に俺に大食いで敵うやつなんていないと思っていたが、まさかのダークホース登場だ。

 「ボクハ、アメリカノホットドッグコンテストデマケタコトナイデスヨ」

 大会前に言っていたあの言葉は嘘じゃなかったってことだ。

 だが、俺だって大食いでは負けてられない。大食いの大ちゃんと呼ばれ、小さなころからたくさん食べることだけが取り柄で、『美味そうにご飯を食べる』それだけでみんなに愛されてきた。大食いは俺が俺であるという存在証明なのだ。

 「うぉぉおおおおお」

 俺はラストスパートをかけ、死に物狂いでホットドッグを頬張った。

 「大ちゃんそれ以上はやめるんだ!!命に関わるぞ!!!」

 俺の勇姿を見に来てくれた幼馴染の健ちゃんも心配で声を荒げている。だが健ちゃんに大食いで負けているところなんて見せられない。

「美味いもん食って死ねるなら本望さ」

 そう言って俺はさらにスピードをあげた。

「オォゥ…クレイジーボーイ……」

 俺のあまりの勢いにケインも息を呑んだ。

カンカンカン!!!!

「そこまで!!!第一回大食い王者はこの町の英雄!!!大吾郎に決定だぁぁ!!!!!」

 俺の優勝で会場はさらに大盛り上がり、実況の声も聞こえなくなるほどの大歓声が巻き起こった。

「すごいよ!大ちゃん!!」

 健ちゃんは涙しながら俺を讃えてくれた。

「やったぜ健ちゃん…俺大食いでチャンピオンになったんだ……」

 その言葉を最後に俺は床に倒れ込み、意識を失ってしまった……

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