肛門学園
時間は夕刻になり、空は石楠花色に染まる。そして、不自然な形のその校門から、数多の生徒が吐き出されていく。
それは、紛れも無い肛門であった。校門ならぬ肛門である。また、明らかに『へも』のそれだということも判る。そこから排出される子供らは、何ら不思議にも思わず、ただ他の学校と同じように、騒々しく歩いているだけだった。この学校は、どうやら幼稚園から大学まで兼ね備えているようで、幼稚園から入学した子供は殆ど大学まで持ち上がるらしい。学生時代の全てをここで過ごすのも、また一興かもしれない。だが、あらゆる建物が下品な見た目であった。校門は先述の通り、建物は明らかに大便と思われるものや小腸・大腸を模ったものなど。腸はまだしも、あの形状の大便が肛門内に存在するのはおかしい。そして何よりもおかしいのが、生徒の髪型である。遠目に見ればわからないものの、よく近づいて見てみると大便の形をしており、さらに側面はそれぞれの性器を形どるように髪を剃ってある。常人には到底理解できない精神の持ち主である。だが、この学園ではそれが苛めの原因になったりすることはない。寧ろ、髪型をこうしていないと苛められてしまう。それが為にほぼ全ての生徒は髪型を変化させるのだが、それによって学園外での嘲笑いに苛まれる羽目になってしまい、結局のところこの学園には入学しないほうがいいようである。だが、この学園に入学することの唯一の利点は授業料が非常に安いことである。生徒にとっては迷惑だが、親の懐は安心である。こうしてたくさんの純粋な可愛い子供達が無理矢理入学させられ、貴重な青春時代を奪われていくのであった。
それにしてもこの学校、進学実績が芳しくない。というのも、先述したとおり肛門大学に入学する生徒が多いからであるが、それ以外の生徒も碌な学校には行っていない。しかも殆どが浪人している。恐らく、授業料が安いかわりに履修漏れは沢山あるのだろう。
さて、話はこの学園に通うある一人の生徒『へも』から始まる。彼は、高校入試間近の中学三年生である。入試を目前にして遊び呆けているこの哀れな男は、放埓で、自己中心的で、性格も捻じ曲がっていて周りの人間には嫌われ、彼女等も当然出来ず、毎日苛められる日々であった。この頃は、まさか高校受験直前に転機が訪れるなどは思ってもいなかった。




