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秘密売り場の少女  作者: 和音
5/13

第五話

前回の続きー

読んでない人は読んでみてね


ジリリリリリリリリリ!


…………ほんとに……もう……


カチッ


時刻は午前6:53、あいつ、何時に目覚ましかけてんだ?

もうこの目覚まし時計隠してしまおうか……

あー、全身が痛い。


「雨か……」

寝室からリビングへと続く廊下についている窓が、雨の景色を映し出す。

土砂降りだな。

うーん、憂鬱だ。

布団買いに行けねぇじゃん。

梅雨だから仕方ないんだろうけど。

あれ?梅雨って7月もだっけ?


「おう、起きたか、慎也、おはよう」

怜は、テーブルに朝飯を並べているところだった。

早起きすぎやしないか?

いったい何時に起きてんだ?

「……あのさ、なんで目覚ましかけるの?」

「なんで?決まっているだろ、早起きは、いいもんだからな」

……なるほど、これが俗に言う『ありがた迷惑』ってやつか。

「休みだぞ?寝させてくれよ」

「休み、こそだろ」

……なに言ってんだ?

「さあ、そんなことは、置いといて、朝食に、しようか」

「……そうだな」

なんか、しっくりこないな。

朝食はいつも通り白米、味噌汁、鮭……まあ、いつも通りって言っても、まだ2日目だが。

「「いただきます」」

うん、やっぱり美味いんだよな、こいつの作る料理。

俺が作るのとなにが違うんだ?

水?火加減?分からないや。


「よしっ!」

今日は何するか……英語……英語だな、うん。

さあ!終わらすぞ!

「お、慎也、今日は、英語か、手伝って、やろうか?」

「いや、その必要はない」

フッフッフ、何せ俺は英語が大得意なのだ!

高校受験だって、ほぼ英語だけで合格したと言っても過言ではないくらいにはな!

昨日は恥をかいたが、今日は違うぜ!

「そうか、まあ、必要なら、声をかけろ、手伝って、やるから」

怜はソファの上に寝転び、眠りについた。

手伝ってやるとは一体……?

まあいい、どうせこいつの手は借りないし。


「……や、おい」

おいおい、なんだこのサービス問題は。

どう考えてもof以外あり得ないだろ?

「おい、慎也、おい」

ハハハッ、なんだよこの例文。

almost にしたら全員女装男子になっちまうぞ。

「おい!」

「んおっ!?」

びっくりした!

「慎也、昼食が、できたぞ、食うぞ」

「お、おう、わかった、ありがとな」

あんな大きい声初めて聞いたな。

あんな声出せるんだ……

時刻は午後1:07、だいたい午前7:00くらいから始めたから……まじか、もう六時間近くやってるのか。

すげーな、俺。

えーっと、昼食は冷やし中華か。

二日連続で麺類……まあ好きだからいいけど。

そもそも作ったの俺じゃないし。

「「いただきます」」

ズルズルと麺を啜る音が鳴る。

怜はスッゲー笑顔だ。

相変わらず美味しそうに食うな、こいつは。

まあ実際美味しいんだけど。


「ふーっ、再開するか」

あと三分の一くらいか?

いやー、午前中の俺、ナイスだ。

あと三時間くらいで終わるか?

まあ、とりあえず、始めるとするか。


「よしっ!終わりっ!」

時刻は午後4:32、まあ、概ね予想通りの時間帯だ。

これであとは古文に生物観察に歴史。

偉いぞ、俺。

「おう、慎也、終わったか、おつかれ」

「ああ」

うーん、なんて清々しい夕だ。

あいにくの雨だけど、心は晴れやかだ。

「そういえば、慎也、この家、テレビないんだな」

「ん?あー、まああんま見ないし、ゲームとかはスマホでいいし、お金は俺が稼いでるわけじゃないしで、確かに買ってないな」

「つまらんな、退屈だ」

なら帰ってくれ。

「明日、買いに行くぞ」

「……ん?」

「聞こえなかったか?買いに行くと、言ったのだ」

「いや、聞こえてたよ、ハッキリ聞こえてたよ、逆にお前は俺の話聞いてたか?要らないって言ったんだけど」

「私が、欲しいのだ」

なんてわがままな……

「安心しろ、金なら、ある」

「え?」

「なんだ、お前、気にしたこと、なかったのか、あんなとこで、『秘密売り場』なんて店を、やってたというのに」

「いや、だって俺の時は金請求されなかったし」

「そりゃ、そうだ、だって、お前は、自分で、気がついていたからな」

「そんな適当な……」

「まあ、とにかく、テレビ一台分の金なら、余裕で、ある、ゲームも、買おう、退屈は、一番の敵だ」

……まあ、こいつの金ならいいか。

なんならゲームもできて一石二鳥だ。

にしても、そんなに稼いでたんだな、こいつ。

この家に住みついてていいのだろうか?

俺の知ったこっちゃないが。

「あっ、そうだ、怜に言っとくことがあったんだ」

「なんだ、もしかして、愛の、告白か?」

ニヤニヤとした顔を浮かべ、俺の顔をまっすぐに見る。

残念ながら、言いたいことはそれじゃない。

「布団を占領するな」

怜は、ハァッとため息をついて、

「なんだ、そんなことか、別に、一緒の布団で、寝ればいいだろ」

と言った。

それが嫌だから言ってるのだが。

「とにかく、今日は俺が布団を使う。体全体が痛いんだよ」

「ああ、別に、いいぞ」

なんだ?やけに素直だな。

とにかく、これで今日はぐっすり眠れそうだ。


時刻は午後10:46、風呂には入った。

家事も2人であらかた終わらせた。

飯も食った(ちなみにたこ焼きだった)。

うん、あとは眠れば明日が来る。

今日は布団が使える、ああなんていい日なんだ!

「じゃ、俺はさきに寝るから」

「おお、そうか、おやすみ、慎也」

怜はソファの上に座ってた。

そういやあいつ、暇な時何してんだ?

スマホは持ってないようだし、この家には娯楽なんてほぼないし……

まあ、考えたって仕方ないか。


「あー!」

俺は布団にダイブする。

三日ぶりの柔らかい地面!

二日間よく耐えた、俺。

怜にはちょっと申し訳ないけど、まあ明日買うし、一日ぐらい我慢してもらおう。

俺なんて二日我慢したんだし。

家主なのに。

とりあえず寝よう、今日はもう疲れた。



時刻は午前0:23、深夜だ。

なんだ?目が覚めたぞ?

久しぶりの布団だからか?

それに、なんか右腕が重い……

「いっ!」

俺の右腕の上に怜がいた。

「ん……」

怜は寝返りをうって、顔をこちらに向ける。

俺の腕を枕にしたまま。

腕枕ってやつか。

なるほどな……あれ?俺一緒に寝るの嫌って言わなかったか?

言ってなかったっけ?

でも心の中では思ったし、こいつは心が読めるって言ってたんだけど……

はあ、腕動かせないじゃん、これじゃあさ。

朝までこのままか……


うーん、やっぱ可愛い顔してんだよな、こいつ。

死んでも惚れないけど。

俺の頭の中の畏怖羅怜は、ちっちゃくてめっちゃ可愛い子供なんだよ。

で、外国人で金髪で青い目の。

俺が最上慎也だったら多分襲ってるけど、こいつはそれをしないんだよね。

なんでだろうね。

ま、とりあえず、読んでくれてありがとうございました!

感想とか書いてくれると泣いて喜びます!

じゃ、またいつか!

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