17話
偽王グランダルが崩れ落ちる。
グランダルの体から光が溢れ出す。
そして色が一つ戻る。
青。その一つで洞窟も色味が出てくる。
白黒だけの明暗に青が混ざり、黒にも深みが出てくる。
他のものはいまだに色がついていないが一つの色がつくだけで世界が変わる。
「綺麗だ」
「ありがとう」
「君じゃない」
―
今まで白と黒でしか表されていなかったけど、この防具水色っぽいんだな。
いろんな色。特に原色が開放されていくのだろうか。
「一つの色が開放されたんだね」
「だいぶ苦労したけどな」
「いやー、でも強かった」
「それで…ここから帰るわけだけど…」
「あの中帰るの…?」
「だよなぁ…あ、奥に行けそうな扉がある」
ヴァームを連れて、扉を開く。
―
「ああいう場所ってさ、普通お宝部屋のはずじゃん」
「うん」
「なんで外にいるわけ?」
「まさか扉を開いたら床が開くとは思わないだろ」
「奥に何かあったように見えなくもなかったけど、強制ダメージで残り1しかHPないから一度帰るしかない
よ」
「くそぉ…」
「流石にあの中をノーダメで抜けられる自信がない。せめて薬草とか買って行くしかないだろう」
「すぐ行こう!早く薬草を買って!」
「へいへい」
―
「戻ってこれたけど…床開きっぱなしだな」
「これまた落ちたらやり直し?」
「それはめんどくさいなぁ…」
「飛び越えよう!」
「綺麗だ…」