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空と大地の境界

作者:memimura
「空を飛ぶ鳥を見て『ああっ、自由だ』って思ったんだ。だから……」

 少年はただひたすらに空に憧れ、ガラクタの翼を携えて大地を蹴った。

「いつか、きっと、絶対ぜったい、僕の造ったこの翼で空を飛ぶんだ!」

 少年の名はテテン。
 御年十六歳。身長体重ともに平均値よりやや低め。
 職業、修理工。
 頑固者の祖父と酒飲みの父とお調子者の弟と、男ばかりの四人暮らし。
 友人少なめ、恋人無し。
 趣味、ガラクタ集め。
 夢、空を飛ぶこと。
 周りの人から馬鹿と言われ、空想屋と言われ、掴み所が無いと言われて、
 ついたあだ名が“空っぽ頭”



「草原を駆ける獣を見て『ああっ、生きている』って思った。だから……さ」

 彼の者は大地の雄大さに焦がれ、自前の翼を折りたたみ、不器用に足を伸ばした。

「ただ見送り続けるだけの毎日。そんなモノに何の価値がある。大地を蹴って、俺は生を実感したいんだ」

 彼の者の名はアザナミ。
 境界に生きる者。
 行き交う者達の案内人。
 背中に翼を持つ浮遊人。
 彼は退屈していた。
 堂々巡りの毎日に。
 どこまでも広がるだけの、何も無い“空”に……。



 さぁ。物語を始めよう。
 空を目指す少年と、大地に焦がれる彼の者と、境界を越える魔女の物語を。
 彼等の交わる、その先の物語を……。
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