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魔王軍の人造勇者の軌跡  作者: 山吹色の大妖精
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腕試し! VSセーラ!!

「貴殿達には混沌派を撲滅を頼みたい」


 ホウェル王の依頼の内容はこの世界の秩序を乱す今回の撲滅だった。ホウェル王の発言に先生はというと


「…承りました」


 少し間があったが、了承した。俺は基本的に先生の命令に従うだけなので、俺からは何も言わない。


「しかし混沌派撲滅の組織の段取りは未だ不完全であるため、暫く時間はある。それまでには貴殿達の自由で構わない」

「わかりました」

「それとだ」


 ん?まだ何かあるのか…?


「カルナよ。君の力を見せてもらいたい」

「俺の…ですか」

「そうだ。今から、セイラと一対一で模擬戦を行なって欲しい」

「…どうしよう?」

「何?」


 俺は生まれてからずっと、先生の命令に従って生きてきた。他にはアリシアの助けを求める声には気まぐれってやつかもしれない。だから…どうすれば良いかわからない。そう思っていると先生が俺の肩を掴んだ。


「先生?」

「…カルナ、君はどうしたい?」

「どうしたい…って言われても、わからないよ」

「ハァ…カルナ、命令。王様の言葉を聞きなさい」

「…了解」


 俺は先生の命令にの命令に従うだけ。先生の命令を聞いた俺はホウェル王の頼み事を了承した。しかし、此処で戦うわけにはいかなくて、場所を変えることになった。移動した先には此処の訓練場の広間だった。周りには色んな人達がいる。そんな人達に見られる中、目の前には模擬戦用のサーベルを握っているセイラがいる。


「勝敗は降参するかどちらかが致命傷にあたる部位に攻撃が当たった場合とする!」

「アリシア姫を助けた実力、しかと見せてもらおうか」

「……」


 審判の人のルールを説明を聞いて前のセイラに集中する。この人は前に脱出する時に戦った自称強いヤツより強い。しかし…


「始め!」

「フッ!」

「…」

「なっ…!?」


 俺の敵じゃない。急接近してくるセイラのサーベルの突きを左手で掴んで固定する。そして動揺した隙を狙い、右手で手刀を繰り出す。


「うっ…舐めるな!」


 セイラさんは直ぐに持ち直し、サーベルを手放して後ろにバックステップする。けど逃がさない。サーベルを捨てて、こちらから接近する。しかし、危機を感じたのでブレーキをかける。止まった目の前を青い線が縦に通る。


「…凄まじいわね」

「それって魔法?」

「ええ、私のオリジナルよ」


 彼女の右手から水の剣が形成されている。俺の【Saber()】と似た感じだ。もしあのまま突き進めば、頭に直撃して負けになってしまうところだった。このままではリーチ差でこちらが不利なので対抗策を取る。


「【Saber()】」

「!、魔力の剣・・・私のとガン被りね」

「【Jump(跳べ)】」

「クッ!?」


 セイラに急接近して剣を叩き込む、しかし彼女は右手の剣で防いだ。そのまま鍔迫り合いになる。


「貴方、中々やるわね。けど!」

「!?」


 セイラが声を上げて自身の左手を引っ張ると同時に足が掬い上げられた。下を見ると周りの地面が水になっていた。そして自分の左脚には水のロープらしきモノが絡まっている。体制を立て直そうにも目の前にはセイラの水の剣が突きつけられていた。…何故だ?


「勝者、セイラ!」

「何で負けたか分かってないって顔ね」

「……」

「沈黙は肯定と取るわ、そして答えは簡単よ」


 見抜かれた挙句に単純な理由で負けたのか?そしてその答えに興味がある。


「ふふっ、イイ顔ね。答えは相手との駆け引きよ」

「相手との駆け引き…」

「そうよ」


 そう言いながらセイラは俺の頭を撫でる。


「混沌派撲滅のチームアップはまだ時間があるから、それまでに私と訓練をして身につけてもらうわ」

「…了解」

「王よ、ディバイスの力は磨けば、十分な戦力になり得ます。そして彼を鍛える権利を私に頂きたいです」


 セイラさんにホウェル王にそう言うと、ホウェル王は少し考え込んだ。


「…良いだろう、セイラ。貴殿にディバイスの訓練を任せる」

「ハッ!」


 俺は今日からこの人に強くしてもらうことになった。俺としても自身の戦力向上には歓迎である。


「それでは…娘の帰還を祝って宴と行こうでは無いか!」

『おぉーー!!』

「!?」

「カッカッカッ、すまんなぁ。こっちがワシの本性でな!」


 ホウェル王が急に叫ぶと周りも合わせて大声を上げた。思わず驚愕してしまい思考が止まる。ホウェル王はそんな俺を見て笑いながら謝る。


「ホウェル王は本当は堅苦しいのが苦手でね、彼の性格…豪快さは他の国ですら有名なのよ」

「な、何だと…!?」


 俺はホウェル王の正体に戦慄する。確かに周りの兵士達に慕われているように窺える。…そういえば先生は知っているのか…?そう思って先生の方に振り返ると、先生は笑っていた。


「はっはっはっ、すまんな。知っていたが、お前の反応が気になってな」

「……」


 何だろう…この胸から込み上げるものは…そう思っていると


「宴の食料を買え!今日は気分が良い!俺が払おう!」

『おおぉぉーー!!』

「カルナ!」


 何とも言えない感情に悶々としていると、アリシアが声を掛けてきた。


「何だ?」

「私たちも港に行って何か買いに行こう!」

「は、はあぁ…」


 …何故俺と一緒に行くんだ?


「カルナ」

「せ、先生…?」

「私の命令だけで動くのも正直なところ申し訳なくてな、たまには他の人のお願いを聞いたり、自分のしたいようにしなさい。これは命令だ」

「…了解」

「それじゃあカルナ!一緒に行こう!」

「…了解」


 先生の命令を承認してアリシアのお願いを聞くことにした。


「セイラも一緒に行こう!」

「わかりました」


 こうして俺はアリシアとセイラと一緒に買い物に行くことになった。

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