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森で青年を拾ったら、とんでもないことになりました。

作者: 黒猫ルナ

ふんわりした設定

ノエラ

魔女と呼ばれているが、ギルドの依頼でポーション等を作る仕事をしている普通の女の子。


アシル

森で倒れていた銀髪の青年。チートキャラでネジが色々と外れた人。残念イケメン。脱走してはノエラの家に向かうを繰り返す。


憲兵さん達

アシルを回収しに来る二人。脱走するアシルを連絡を受けてから向かう。アシルの幼馴染みで、ハリセンでツッコミを入れる事が出来る二人。

「私の魔女さんミィツケタ」


薬草を煮込んでいると、銀髪の見目麗しい青年こと、アシルがドアを勢いよく開けた。


勿論、勢いよく開けたドアの蝶番とドア本体が理不尽な壁ドンの犠牲になったと付け加えて。


「こんな生活、もう嫌あぁあ!私はあなたの魔女ではありません!」


──魔女もとい、ノエラは絶叫した。


それもその筈。2度と顔を合わせたくない人物、アシルが目の前にいるのだから。


森で行き倒れていた青年を助けたら、様々な場所を変えても追ってくる。


えぇ、所謂ストーカーと言う奴です。


現代でもアウトな付きまとい行為。良い子も悪い子も真似してはいけません!憲兵さん、自警団並びに騎士団の皆さんこっちです。


そして居場所を突き止められる。──解 せ ぬ 。


アシルが宮廷魔術師と知った時はショックは大きかったけど、納得してしまった自分がいる。


「ねぇ、ノエラさん!いい加減、私の愛に応えて下さい!」


「答えはノーって何回も言っとるやろがい!」


ノエラは思わず言葉を荒くしてしまった。


「そんなつれないトコロも 好 き 」


ポッと頬を紅くしているアシルを後目に、ノエラは煮込まれたポーションを手早く冷やそうとするが、薬草がはねて手の甲に少しだけかかり赤くなっていた。


「熱っ」


「ノエラさんっ怪我は?」


見兼ねたアシルが、ノエラに冷却魔法をかけようとするが、


「これくらい大丈夫です。アシルさんは何もしないで帰ってください!」


彼女は慌ててアシルを止める。何時ぞやはそれで被害にあった。


煮込んだポーションが鍋ごと凍らされたのである。


アシルが薬草を煮込むと鍋(オリハルコン製)が爆発し、市場に出せない代物を錬金してしまったのだ。


試しに鑑定師に鑑定して貰ったら、


『これ、あの人(アシル様)が作ったやつだよね?市場に出すと色々問題あるから……個人でお使い下さい』


と製造元を特定された。


「そんな、ノエラさんの手に怪我なんて出来たら、夜も眠れません」


アシルのしょんぼりとする姿は怒られた子犬のようだが、騙されてはいけない。


「夜はちゃんと寝てください!―――もしもし、憲兵さん?おたくの魔術師を引取って貰えません?ついでにマナ拘束具も用意出来ません?」


『無理ですね。アシル様はマナ測定不能で体力バカの為、この前、マナ拘束具が吹き飛びました。魔物の討伐パーティに入れば、魔物たちが一斉に命がけで逃げるんですよ?ホントは魔王かナニカなんじゃ……もうすぐ着きます』


このやり取りも何回目だろう。憲兵を呼ぶ為にスマホのようなモノを使い連絡すると、ワンコールで出た相手は、ため息混じりに答えた。


「──アシル様も懲りないねぇ。ノエラさん、アシル様回収に来ました。ドア修理代はアシル様が全持ちで支払いでいいですね。はい、このカードにお好きな金額記入してください。アシル様の口座から引き落とされますから。この際思いっきり引き落としても問題はないかと。迷惑料込みで、ね?」


……ソレってギルドカードですよね?アシルさんの? どうして、憲兵さんがそれを持ってるんでしょう?


「良いんでしょうか?」


正直、ツッコミが追いつかない。


「良いんですよ。――ノエラさん、完全に被害者だし?アシル様!ほら、ノエラさんに何回もご迷惑かけて……帰 り ま す よ ? あと才能の無駄遣いしすぎです。帰ったらお説教ですからね?ノエラさんの仕事中に乱入など言語道断です!ノエラさんに謝ってください!」


憲兵二人に言われ、ノエラはおずおずと金額記入すると、自分のギルドカードに金額が振り込まれる。


「ノエラさん、お仕事中に乱入してごめんなさい」


憲兵に言われて謝る姿は、イタズラをして謝る保護者と子供の図そのものだった。


ノエラに呼ばれて、引き取りに来た憲兵二人は、アシルを両側から拘束し、もと来た道を引き返したのだっだ。

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