神職になろう。いざ!
⑦ 神職になろう。いざ!
神主になる方法は三つある。
①高校を出て、その系の大学に行く。
②指定機関で定められた講習を必要期間受講する。
③通信教育とスクーリングを定められた期間受講する
私の場合、①は頭になかった。その時期が来たと思い立ったのは、ぼちぼち子どもたちの手が離れ始めた頃。それでも主婦が長期間家を不在にすることは無理なので、②はパス。残された③の道に挑戦することに決めた。
神主の資格をとれる大学は、伊勢の皇學館と、東京の国学院だが、通信教育は大阪の国学院のみである。
まず、神主として適正な人物であるかどうか。条件としては神職の家筋で、後継が必要とされ、神社支部長の推薦が受けられることが必須。神社に興味あるからだけでは就職できない世界なのである。
平成十九年のまだ寒い二月の上旬。推薦状を持って大阪国学院へ赴き、面接と簡単な試験を受ける。
男性五十人くらいの中に女性は十人ほど。私ともう一人、榮倉奈々そっくりの女性との間にいた真っ赤なスーツ姿の男性がやけに目立った。
結果を待つこと二週間。合格通知とともに、入学式の案内が届いた。これからまずは、神職としていちばん下の階位である「直階」という資格を、一年かけてとり、次年で、「権正階」をとることが目標である。
一か月に一度、レポート提出。試験を含め、年間に五~六回の大阪へのスクーリング、指定神社実習と、二年間はハードになることを家族に宣言し、覚悟を決める。そこで決心したことは、同人誌活動の二年間休会だった。一度休会するとそのまま辞めてしまう例がほとんどなので不安だったけれど、資格がとれたら必ず活動を再開しようと決めた。これも自分の中で、大きな励みとなった。