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ブレイブソードフロンティア  作者: 川辺 竜介
1/4

冒険の門出

 勇気はきっと人の力の中でもっとも強い決断なのだろう

日々の選択ではなく大事な「なにか」のためにあるから


 冒険を行う開拓者と

開拓者の持ち帰ったものを開発及び解析する研究者

そんな二つの職業で廻る国

「レイドレギオン」

これはレイドレギオンのギルドと関わる者の話


「オペレーターさん? どうかしましたか?」

昼間を少し過ぎたぐらいの時間

木造の宿屋の様なカウンターで少女が専属の指示員つまり

ギルドの職員に疑問符を浮かべる

「どうもこうもないですよ・・・・・・」

呆れた様に続きを述べる

「何回言ったら仕事の内容を確認してからの仕事をしてくれますか?」

ギルドの職員は何回も注意している

【仕事以上の仕事をするな】と

「だって! 子供達が・・・・・・」

言い訳は大体、本当のことなのだが

この少女、クリシュタリア=バンドヒールはお人好し過ぎる

見た目も可愛らしい黒短髪の巨乳少女で

育ちの良さを彷彿とする丁寧な口調からクリシュタリア姫と呼ぶ者も居る

対して冷徹のギルド員こと

クバール、リンタシーは子供扱いが似合う低身長の細いメガネを掛けた青髪金眼で

人気こそないものの仕事の処理が出来るため

他を差し置いてクリシュタリアの担当という次第で困っている

「優しいのは良いんですがね? 他の開拓者達まで無賃で追加業務を求められてましてね?」

圧が徐々に強くなるクバールに事の深刻さがわかってきたのか素直に

クリシュタリアは小さくなる。そんな背中に後ろから声が掛かる

「また怒られてんのか~ 大変だな~」

クバールの上司でギルドの直轄のオーナー

つまりギルド長である長身の女性

セイ=クリア ギルド長が笑いながら続ける

「タリアは優しいから人気は一番なんだけどな~」

「人気は関係ありませんよ『セイ』ギルド長?」

「まあいいじゃないの? タリアは頑張り屋で好きだけどな?」

美人で姉御肌のセイはジゴロ並みの人気があり

異論を唱えるのは合理主義で冷徹なクバールぐらいしか居ない

他は大体、流れるままに通される

大丈夫なのか?と常にクバールは思っているがどうにか廻ってるので

気にしていない

「あっそうだ! タリアのブレイブはどの段階だ?」

思い出したように用事を直球に述べる

ブレイブとは

「勇気の具現化」と言われているこの世界では誰もが知っている現象で

勇気を振り絞り行動すると現れると言われている武具のこと

開拓者になるための必須条件で

依頼ランクの目安にもなっており

若手の指南もしているセイは時折、聞いて回りアドバイスしている

「そういえば宝石の様なものが持ち手に現れました」

「宝石? ああ~属性石か? 何色だ?」

「水色の宝石が柄、黄色の宝石が刀剣の根元にです」

「おお~! 二つはギルド初だぞ! あとで使い方を指南しよう! ギルドの奴らも集めてくれ!」

クバーンに指示を送り興奮冷めやらぬままといった感じで手を後ろでに振りながら

去っていった

「能力だけはすごいんですがね・・・・・・」

皮肉とも褒章とも取れる言葉をつぶやくクバーンに

「ありがとうございますっ」

癖か本気かで喜ぶタリアに呆れたのは言うまでも無い


 カウンターでのやりとりから何時間か経って夜になった

「全員揃ったか?」

ギルド職員に確認を取るセイの姿と円の真ん中で待つタリア

ギルドの面々は何が始まるのか?とざわざわしていた

そんな中でセイが大きく声を出す

「集まってもらったのはブレイブの派生強化【エンチャント】についての教習のためだ!」

派生強化【エンチャント】は

ブレイブの中でも希有だが属性や特殊な性質を与える現象だ

「まずブレイブの基本を説明するぞ~ そこからの方がわかりやすい!」

そしてブレイブの説明を始める

「ブレイブは知っての通り所有者と共に成長するよな?」

ブレイブは発現のあと所有者と共に形が変わったり質があがったりする

「そして派生強化【エンチャント】は勇気の元となる言動により得られるんだが・・・・・・」

そこまで言ってタリアの方に近づき、タリアのブレイブの属性石へ指を指し

「タリアの場合は人助けの際に生じた迅速の黄色と慈愛の水色だ、つまり簡単に言えば

勇気を出して行動した時の内容が関わってくるんだ!」

そこまで言ってタリアに事前に教えた動作を目配せする

タリアの目の前には木偶人形が二体あった

(イメージして動く・・・・・・)

黄色の線がタリアの周りに四本、現れ

木偶人形の合間を縫って線を纏ったタリアが瞬時に移動する

木偶人形は水色の斬撃が襲い四つになった

「タリア、技名は?」

「えっと・・・・・・黄色い水線【イエローアクアドロー】?」

「おお、良い名前じゃねえか!」

こうしてギルドで一番強くなったタリアを遠目に

拍手を送る少女、イシュ=レントギアはつぶやく

「ここから始まるんだ・・・・・・」

そっと手に取った自身の木刀型ブレイブを空に掲げ

「師匠を超える・・・・・・」

そう静かに宣言したあと少し笑う

「師匠みたいに余計なことはしないけど・・・・・・」

そんなイシュに演習を終え拍手を目一杯受けたクリシュタリアが近寄り

「きっとイシュも強くなれる、私はもう師弟関係を続けられないけど・・・・・・

イシュも頑張って!」

そうクリシュタリアはギルド最強となった、故に三つある階級の最上級依頼のみとなる

最上級開拓者だ

イシュも意思の通った瞳をタリアに向け、宣言する

「師匠を超える「全能の勇気」【グラム】を目指して頑張ります!」

おお~っと周りから響めきが生まれる

「ふふっ楽しみに待ってるね!」

そう言い残し待っていたセイのところへ去って行った

この瞬間、様々な者が目標を持った

ただ単に目指す者

次は我こそがと語る者

イシュは前者でも後者でもない

今を超えていく無限の勇気なのだから

そしてこれはイシュ=レントギアの主軸に廻る

成長と超越の物語

さあ、思うがままこの世界を走り回れ

自分の意思というブレイブを持ち

数多の障害を打ち破る最強の力となりて!

ブレイブソードフロンティア、始まる!

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