第3話
第3話 小遣い稼ぎをする
ギルドへの報告書は無事に書き終えることができた。
虚偽の報告をすることだけは回避できたのだ。
多少嘘は混ぜてはあるが……嘘も方便ということで。
「ギルドに報告者を提出しに行くのとこっちで生活できるよう生活用品を買いに行くぞー?」
ダンジョンを経営することになったので管理人としてダンジョン内で暮らすことにしたのだ。
魔族たちに欲しいものはあるか?と尋ねたところ、ヴァンパイアからは、イチゴジュース、トマトジュース、鉄分が豊富なものが欲しいといわれ、メイドからは負の感情、サキュバスからは精気が欲しいといわれた。
メイドとサキュバスたちからのオーダーには応えられそうにない。
っていうかどこでそんなもん買うんだよ?というような注文だ。
「んじゃぁ、3日間くらい留守にするんで、ゲルントさん留守をたのみますよー」
「おう、勇者と神の力を帯びたものには気を付けてな!!」
いつから俺らは魔族になったんだろう。
勇者と神に気を付けるのは俺ら人間じゃなくてお前ら魔族の方だろうが、と内心突っ込みながら出発する。
思えば、一晩でよくこんなに仲良くできたもんだな……。
ここから俺らの街のギルドまでは一日あればたどり着ける。
「おいっあれ見ろよ。最近街道で暴れまわってるていう噂の盗賊団か?」
ミーナは、街道を指さして言う。
山から下りて街道にぶつかった辺りで盗賊が商人の荷車を襲っている姿が見受けられた。
「確かあれ、ギルドの依頼書の中に討伐してほしいっていうのがありましたよ」
リタは、記憶力がいいなんて知らなかったぞ。
「おおっマジか!小遣い稼ぎにはなるな。よっしゃ行くか!」
ミーナは討伐すると報酬が出ることを知った瞬間、目が輝きを帯びた。
「はい、行きましょう!」
リタもながされていく。
「俺ら徒歩だから馬が欲しいしな」
盗賊たちは、鎧は来てなくても馬には乗っている。
「おっしゃ―!」
ミーナは弓に矢をつがえた。
そして、弓を引き絞り矢を放つ。
ヒュッ、狙い通り一人の盗賊に当たった。
矢の当たった場所は、首だったので、血を噴き出し倒れる。
「なんだ?」
盗賊がこちらを敵と定めたか、10騎あまりが馬首をこっちに向けて走ってくる。
60メートルぐらいしか離れていないので、馬ではあっという間だ。
そこにリタが魔法を放つ。
「怒れる火炎、ブルムフランメ!」
火炎に焼かれ先頭を走っていた3人ばかりが落馬する。
そして俺も、双剣を鞘から抜いて突っ込む。
俺は、【剣士】ではあるが乱戦の時は双剣を使う。
刀の数が多いと、受けと攻めの両方をできるからだ。
右手の剣で相手の剣を受けつつ、左の剣で相手の喉を掻き切る。
直後、鮮血を噴き上げるとともに、落馬する。
「うおおおつ」
相手が突っ込んでくる。
相手は騎乗、俺は徒歩。
しゃがんで腰を落としつつ、相手の馬の足を薙ぐ。
馬が、切られた足をバタバタさせて、乗りてが落馬する。
リタは俺を巻き込まないように攻撃はしないが、ミーナは俺にお構いなく矢で敵を射倒していた。
気が付けば、敵は残り二人になっていた。
「退くぞ」
頭目がそう言うと元来たほうへと馬首を返して駆けだした。
「怒れる火炎、ブルムフランメ」
リタは、それを魔法でぶっ倒した。
「えへへっ、私一人倒した敵が少なくて活躍の場がなかったなので、撃っちゃいました」
いい笑顔でそう宣言するリタ、はっきり言って怖いぞ……。
「じゃ、馬に乗っていくぞ」
そう言って、馬り乗ろうとしたとき、商人が声をかけてきた。
「皆さん、危ないところを助けていただきありがとうございました。これは僅かばかりですが謝礼金です。商人は歩み寄ってきて革袋を渡してきた。
触った感じだと、金貨15枚は入っているだろうか……?
「こんなにいいんですか?」
「いくらもらったの?」
ミーナは、若干食い気味に覗いてくる。
「命を救っていただいたのですから安いもんです」
商人はそういうと行ってしまった。
俺は、その金を懐にしまうと馬に乗った。
「さっさと行くぞ」
ギルドのある街までは、50km。
徒歩だと一日かかるその道のりも、馬では二時間足らずだった。