プロローグ
プロローグ はぇ?ダンジョンの管理人にですか……?
そのダンジョンは50階層からなるダンジョンでした。
じめじめっとした暗い穴の中を3人の冒険者たちが松明とランタンで照らしながら進んでいきます。
この者たちは、ギルドより調査の依頼を受けた中堅のパーティーでした。
「ちょっと、話には聞いてたけど本当に何にもいないじゃない?」
犬耳の若い女子が不満を口にします。
「最後まで何があるかわからないからゆだんはだめですよー」
それをヒューマン【人族】の女子がなだめるように言います。
「そうだぞ。最後まで警戒を怠るなよ。それに何もなく終わるほうが楽でいいじゃないか」
同じくヒューマンの青年が口にします。
「そうだけど……冒険している感じがしないわ」
そうこうしている間に彼らは最下層の一番奥、つまりダンジョンの最奥にやってきました。
「なんかこの部屋だけ魔力を感じるわ」
犬耳の獣人族の少女が驚いたように言います。
「そうだな。でもこの部屋の中を確認しないと調査はおわらないからなー。突入しますか」
「そうですねー」
青年にヒューマン女子が同調します。
「じゃあ、魔力最大限にしてこの結界ごと扉をぶち抜きますからそうしたらとつにゅうしてくださいね」
ヒューマンの女子はそう言うと集中力を高めるためかしばしの間、黙想をしました。
そして、詠唱を唱え魔法を放ちました。
「王者の雷光を穿つ時が来た?ケーニヒスブリッツ?」
その魔法は朽ちかけの扉に弱々しい結界を張っただけのものにはオーバーキルでした。
閃光とともに扉は吹っ飛び剣を水平に構えた【剣士】(フェンサー)の青年と」【弓手】(アーチャー)の犬耳女子は、その瞬間に突入します。
そしてびっくり。
そこには、ヴァンパイア【吸血族】の老人とそれを囲むようにサキュバス【淫魔族】の少女二人とメイド服を着た三人の魔族の少女が頭を垂れていました。
「わしらは金も力もない。許してくれ、頼むー」
覚悟を決めて飛び込んだ三人は驚きました。
「「「はっ……?」」」
「わしはゲルント・ハーガス伯爵じゃ。このダンジョンにはわしと使用人のこの者らしかおらぬどうかお助けを?」
「あのー状況を説明してもらってもいいですか?」
ヒューマンの女子が老人をいたわるように尋ねる。
「うむ、わしらは100年ほど前に人間界に来たんだが討伐対象になったらしくてな……その多勢に無勢でやられてしまったんじゃよ。そこでこうして深い洞窟を運良く見つけてな…過ごしやすく拡張していったんじゃ。ところが今度は吸血せずにダンジョンを建築しておったからか力がなくなってしまっての。その申し訳なかったんじゃがここに来た冒険者から血を眷属化させないくらいにちーびっとずつ頂いておったんじゃよ。しかし、このところ誰も来なくての―金が少なくなって配下の維持が大変になったのでな、魔界に返してやったんじゃよ。そして今この通りじゃ」
少し哀れに思えてしまう話だった。
「魔族も人件費はかかるんですね?」
「そうなんじゃよ。それでじゃ、一つ頼みことがあるんだが……」
すまなそうに、ゲルント・ハーガスは俯く。
「お願いとは何ですか?」
「それはじゃな……、このダンジョンの管理をお願いしたい。それでその……わしたちが、ちからをを蓄えて、魔界に帰れるようにしてほしいのじゃ」
「はぇ、ダンジョンの管理人にですか……?」
予想外の頼み事だった。
「ダメかの?」
「でも、ゲルントさんは、血液を吸うんですよね?」
「いや、トマトジュース、イチゴジュースでも代用は可能で魔力含有石なんかで力は蓄えられます」
血を吸うという問題は回避できそうだ……。
ヒューマンの女子が青年と犬耳の女子をどうします?と言いたげにみる。
「受けりゃ、いいんじゃねーか?これも何かの縁だろう」
予想外に犬耳の女子が口を開いた。
「おおっ……受けてくれるか……?」
犬耳がこちらに目をやる。
何とも言えない顔で犬耳の視線に答えてやると……。
「受けてやろう」
えー受けちゃうの?
「おおおおーーーー受けてくださるか、助けてくれるのじゃな?」
「まっまあなっ……」
犬耳がこちらへ来た。
「なんで受けちゃうの?」
「今更断れないしかわいそうだろ……」
「そうですよねー」
ヒューマンの女子も流されていく。
ハアっ……ギルドに虚偽の報告をしなければ……。