作者による解説 in 2021
自主怪獣映画「レドラ2-機生虫起動-」リメイク小説。何度でも言うけどこのネーミング2011年につけてるんですよ。漢字オンリーなのが何とも中二病感を(以下略
自分の初期作品では自他ともに評価の高い作品というのもあって、大分力の入ってることが窺えますね。気付いた人いるか分かりませんが、冒頭で『対超常生命体特別法』が出てくるのは『ゴジラVSビオランテ』冒頭で第一種警戒態勢……第二種警戒態勢……と出てくるアレのオマージュ。考えたらあの文面とか我ながらよく考えたなぁ。
裏設定を明かしますと、前作『真・烈怒龍 第一幕』以後の数年間で太平洋沿岸都市にデスジラスが何度も襲来する様になり、それに対処するために対超常生命体特別法が制定、一作目でデスジラスに対処したメンツが怪獣専門特捜チームみたいになり、その過程で起きた事件のひとつが、栗原真琴老人が巻き込まれた『東神奈川超常生命体事変』だったという構図。
そして劇中登場する『ディアーロイド』たちですが、実は彼らを開発した企業は軍の高官と癒着関係にあります。科学分析も兼ねてデスジラスの残骸を横流しして貰った彼らは、廃棄物ゴーレム=疑似生命を生み出すコアユニットを半壊状態で回収、内部から電気信号=ある種のプログラムを抽出しロボットの人格プログラムの基礎に利用した……と、つまり劇中のロボットたちの正体とは『怪獣の遺伝子を受け継ぐ存在』だった訳です。
それから数年後、企業と軍高官が秘密裏に開発していた戦略ロボット=怪獣バグラが暴走を始めて工場を脱走、その電磁波(思念波?)を浴びたロボットたちは怪獣だった頃の本能を呼び覚まされ人間を襲いだす……とまあ、オリジナル版『レドラ2』を再解釈して描こうとしてたのです。
割とよく考えられてる訳ですが、結局本作は大学2年時にたった半年書いただけで終わってしまい、真・烈怒龍シリーズ自体も企画自体が中断という結果に。これはもう単純にスケジュールの問題ですね。当時は大学でローカルヒーローを作るサークルにいたんですが、それに加えて大学の課題やらアルバイトやら…もうなんか処理する事が多くなり過ぎちゃった。
この後、自衛隊側の特捜チームサイドが出て来て警察サイドとカットバックで話を進行する予定でしたが、プロットから計算したら今回公開した分を全部合わせても全体の八分の一しか達しておらず、大学生活全部使っても終わらない! おまけに前作『第一幕』を改稿する計画まである! …と、なんかもうパンクしちゃったんですよね。
更には『レドラ3』でもあったCG担当の方の「新たなる門出現象」が再発。そもそもこの計画、こちらのシナリオや絵コンテを元に戦闘シーンだけその人に映像化して貰う前提だったんですよね。ところが計画開始から3~4年経過してるのにミニムービーひとつ形にならない。
「これ以上はない最高のCGモデル!」→こちらからの依頼に意気揚々と着手→いつの間にやら音信不通→不意に戻って来て『新たなる門出』宣言→音信不通→「これ以上はない最高のCGモデル!」→また依頼に着手→やっぱり気がつきゃ音信不通→ふいに戻ってきて『新たなる門出』宣言……
ひらすら無限ループだと、流石にちょっと頼みづらくなってきまして。
まあそれでも文中挿入されたCGイラストや人物画も充分すぎるぐらいで、今思えば何もかも任せようとしてるのは贅沢もいいところ、完全にこっちのワガママなのですが(苦笑)、本人の作品ですら毎年リセット繰り返してるような状態じゃ、もうこっちの依頼は望み薄だなと思った部分もあって。企画の目玉だったハズの内容が事実上放棄じゃ、この辺が諦め時かなと。
しかし改めて見ると短い話にも拘わらずキャラは前作以上に濃いメンツになってて、単なるリメイクに終わってなく、それなりに読めますね。テーマとかは完全にオリジナル版の流用だけど、シンプルだから映えやすいのかな。ボロ子とか、完全に当時ハマってた「がんばれ!ロボコン」がモチーフですけどね(笑) 昭和版最高。冒頭に出てくる栗原真琴って爺さんの名前も、昭和ロボコンと平成ロボコンの登場人物から引用して合成したもの。まここはロボコンの永遠の友。
この際これも言っちゃいますけど、実はボロ子自身は真琴老人を殺してはいないんですね。第四話で空き巣で捕まった男・中田が出てきますが、本当はボロ子が暴走させられたのと同じタイミングで中田が栗原家に押し入っており、こいつが鉢合わせた真琴老人を殺害した真犯人なんです。ボロ子が暴走時に襲い掛かった「男」の正体は他ならぬこの中田で、ボロ子を見てバケモノ呼ばわりするほど怯えたのは数時間前に殺されそうになったばかりだから、怪我をしたのはその時だった、ということで無邪気なボロ子を救済する仕掛けもちゃんと入れてあったのです。…つうか本当にすごいな当時の自分。我ながらよくこんな複雑な真相思いついたもんだ。
ラストに掲載した番外編ですが、これは企画停止から大体一年後に、大学のシナリオ制作演習の課題用に執筆した短編脚本です。細かい設定とか実は微妙に変えたりしてますが、ボロ子と栗原真琴の出会った場面だけなら単発でも成立するかな…と想定したら上手くハマった感じ。何気にこれは初公開なので、当時読んでた人達にはちょっとしたサプライズになったんじゃないかな。




