お前にはもう飽きた
98話
ゴリラの片腕は見事に吹っ飛び美咲もなんとか解放された。
「キサマ!!どうやって俺の。俺様の腕を!!!!」
「・・・・・・・・」
「聞いているのか?!!」
「お前、闇がなんでも出来るって知らないのか?もし知らないなら教えてやるよ。ホラッ」
少年が指を振った途端、ゴリラは身動きが取れなくなった。
「マタこれか。こんな小細工
ウォォォォォ!!!」
最初みたいにまた馬鹿力でなんとかしようと思ったらしく、全身に力を込める。
だが、いつまでたっても身動きが取れないままだ。
「おい!!どうした。この程度か?」
「なめるな!!!」
「はぁ…うぜぇ。もういいや。飽きた」
少年はゴリラに近づいて行った。
歩いている時、2本とも折れた剣をなぜか持ち歩いていた
「そんな使えない剣デどうするつもりダ?」
「・・・・・・・」
少年は無視をし歩く。
その途端、「なに?!!なんだと!!」
壊れた剣の刃が少年の元に集まり元どおりになった。
「どうだ?すごいだろ?これが闇の凄さだよ」
そして、ゴリラの前にまでたどり着いた。
だが、少年は何もしない。
ゴリラは少年を襲いたい。殺したいのだが、やはり身動きが取れない。
「その腕邪魔だな。殴られたら厄介だし」
少年は持っていた剣でそいつの腕を切った。
「グァアアアアア!!!」
声が響く。まるで雄叫びのようだ。
「オイ、待て。話・・・・」
「待たない。だって、お前は俺が待てと言ったのに待たなかった。
美咲を、彼女を苦しめた。」
「あぁ、すまない。ソレは悪いと思う。ダカラ、殺すのはやめろ。お前だって俺に力を与えたヤツのこと知りたいだろう?」
「・・・・・・」
少年は終始無言になった。そして、
「いいよ。そんなのどうでもいい。でもとりあえずお前には死んでらう。美咲を傷つけたから」
そして、両手の剣で一気に首をはねた。
ゴリラはその場に倒れた。
少年はその場で立ち止まったあと彼女の方を見て歩きだす。
そして、たどり着くとすぐさま倒れこんでしまった。
「ふぅ。息はある。良かった。安心だよ」
だが、遠くから何かが見えた。
「うわ…タイミング悪りぃよ。」
俺たちの方向に向かってきたのは
獰猛で知られる、ファウンドウルフ。
それも三体。
「あ、詰んだよ…でも、最後に美咲の側に入られて良かった。」
1匹が俺たちに食らいつこうとしたその時。
「危ない!!『ラインルーツ』」
と聞き覚えのある声が聞こえてきた。
その途端そのウルフは倒れ、動かなくなった。
「大丈夫かい?鳴海?それに美咲さんも」
意識が閉じそうなその瞳に映ったのは
ランドロフだった。
「俺たちもいるぜ!!」
あとそこら辺の冒険者も
「とりあえず、この場から帰ろう」
そう言われ、俺は安堵したのか、目をつむる。
次目覚める時は、死の世界かな?それと現代に戻っているかも?
そんなことを思いながら、完全に意識を閉ざす。
次起きた時には知らない天井が広がっていた。
「あれ?ここどこだ?見覚えがあるような無いような?」
立ち上がろうとしたが体が痛む。
だが、それでも立ち上がり扉まで歩く。
痛い、身体中が痛い。なんで、こんな痛いんだ?
扉を開けるとギルドの仲間たちがいた。
「あっ!!!鳴海さん!起きました!!!!!!」
フォリアが凄い喜んでる
「なぁ?俺って何があったんだ?」
するとそこにいるみんなが「え?!!」
と言った。
「なんだよ、、」
「ほんとに覚えてないのかい?鳴海?
まぁ、無理も無いか。2日も寝るほどだから記憶も曖昧か。」
おい、今なんて言った?
2日?なんで?なんでそんな寝てんだ?
すると近くの扉から誰か出てきた
「騒がしいな〜?何があったの?
・・・・あっ!!!!」
その扉からは美咲が出てきた。
リアクションは、、フォリアよりも凄い
「なぁ?なぁ?何があったか教えてくれよ」
「え?覚えてないの?てか私より寝てるってどんだけ死にかけだったのよ。あんた…」
そして、話の前半は美咲が、話の終わり辺りはランドロフが話した。
肝心の後半はだれも分からない
「俺もね、ビックリしたんだよ。外から叫び声が凄いしたから急いで向かったんだ。皆んなで。そしたらこれだ!」
「ほうほう。話は分かった。でも、そいつは誰が倒したんだ?」
すると今まで喋らなかったトロイが喋りだした。
「そ、そ、それは君がやったんでしょ?
てか、き、き君以外に誰がいるんだい?」
いたんだ…影薄いな
「え?俺?なわけ、、だって俺だぞ!!」
「でも、でもさ。あんた。いや、鳴海が助けてくれたんだよ。だって、私を助けるならなんだってするもんねぇ〜」
なんだか、この場で言われると照れる。
そして、彼女は続けて
「で、これは、、、、ご褒美」
突然美咲の唇が俺の唇を重ねてきた。
え?!!ちょっと!!!こんな所で!!
「あらあら、まぁまぁ、美咲さん。大胆」
「ウソだろ。あ、、、、僕無理だ」
「どうしたトロイ?!!なんで倒れた?」
あー外野がうるさい。
「私、やっぱあんたのこと大好きだよ
鳴海♪」
超飛び切りの可愛い笑顔で言ってきた
「あ、あぁ、お、俺も…」
「何〜?聞こえな〜い?」
「いいだろ。やめろよこんな所で!!」
俺と彼女。2人は大変な戦いをしたが
2人ともこの世に残れた。
それが、ただただ、すげぇ嬉しい。
またこの世界で過ごせる。
ほんとに良かった
最後のあれはダイレクトに言いませんでした。
恥ずかしいので