新キャラ?聞いてないぞ
86話
「おーい?どこ行くんだよ〜?そんなに行くと俺追いつけないんだけど〜」
必死に声をデカくする。
「どうした〜遅いぞ〜」
いや、無理だから。追いつけないから
「仕方ないな。止まろっ」
彼女は俺に気遣い止まってくれた。
そして、なんとか追いついた。
「ハァ、ハァ、、、疲れた。
ところでどこ行くの?」
「逆にどこ行きたい」
えっ?!行き先決まってないのに走ってたの…
「俺はどこでも、そんなに行きたい場所ないし。」
「そう?なら・・・」
と行き先を言おうとしたが止めた。
なぜ?理由を聞こうとしたら親指で背後を指した。よく見るとそいつはいた。
物陰に隠れて俺たちを見ているやつ。
いや正式には美咲を見ている
そして、彼自身は見事に隠れているつもりだろうが見事にバレバレだ。どうやったらあんなにバレバレになるのか聞いてみたい。
あいつの名は「トロイ」
ギルドに最近顔を出すようになった
駆け出し冒険者。
そして、彼女を初めて見た時、一目惚れされ
このストーカーじみたことを頻繁にされている。
ちなみに俺はあいつの中ではライバルになっている。俺は恋人でもなんでも無いって言ったのに、ライバルになっているんだ。はぁ…酷いもんだ。俺はただの下僕・・・とも思いたくないけど、まぁそんな立ち位置なんだ。
「どうしようかな?あいつを絶望のどん底に突き落としてやりたいな。
・・・ねぇ?鳴海くん?」
急に甘えた声で言う
「キスする?」
「・・・・・・・・・」
ナニヲイマイイマシタ?
ヨクワカンナイナァ・・
「反対意見は無いね。じゃあ」そう言い、俺の顔に手を持ってきて、顔を近づけてきた。
「ちょっと、まてぇぇ!!!」
顔を後ろに下げる。
ふぇ、あぶね。冷静さと意識を取り戻せた。
「そんな甘えた声で言ってくるんだから
意識どっか行きかけたよ。
あなた、中々残酷っすね。
それされたらあいつ絶望はもちろん多分
俺を殺しかねんぞ。」
顔から手から離し
「そう〜?ツマンナイなぁ。外でやるからドキドキしたのに。」
「家の中でもしても良いんだよ」
「バカ。ほんと、バカ。でもそこがあんたの良いところ。」
「そう?ありがと。なら、とりあえず稽古場いこ。」
「そうだね。行こっか」
俺たちは目的地を稽古場に決め歩き始めた。
さぁて俺は、いつあいつに、刺されるのかなぁ?