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異世界行けたが言語が通じねぇ  作者: メルキー
1章 異世界行けました・・・
85/163

約束。しようか

84話

俺は美咲のあとを追いかける。俺が出た時にはすでに夜になっていた。

「あぁ、夜まで寝てたんだ。」そう思いながらなんだかあの光景を懐かしく感じる。いや、違う。先ほどまでの出来事が衝撃すぎだったせいで、あの時の記憶は薄れてきていたのかもしれない。

そして無事、下までたどり着いた。

馬龍も運転手もちゃんと待っていてくれたようだ。俺もそこには感心した。

そして馬車に乗り込む。馬車に乗っているときは美咲から積極的に話しかけてきた。

「ほんと、あんたが無事で何よりだよ。

私も心配してたんだよ。あんたがいないと寂しいし。」

彼女はほんとに寂しがっていたのかもしれない。その目や声には少し暗さがあったから。

「俺もお前が助けてくれて良かったよ。

スゲェ嬉しかった。あとっ、、」

ポケットから薬草を取り出し渡す。

「これ。偶然見つけて、偶然ポケットに入ってたんだ。ほんと、凄い偶然だよ」

少し笑ってみせると、

「ほんとありがと」そう言い突然抱きついてきた。

なぁっ!!!やばいやばいこれは照れるな〜

俺がそんなことを思っていると、

「私が2人別々に探そうなんて言わなければこんな事にならなかったのに…ごめん。また、大切な仲間を失うところだった。」と顔は見えないので、よく分からないが少し涙混じりの声だったような気がする。

俺もこのまま彼女がなぜあんな殺意を向けていたのか聞いてみる。

「なぁ?さっきなんで、あんな怖かったんだ?」

「あ、怖かった?・・・ま、そりゃ山賊相手だから怖くなるか」

えっ?どういうことだ?なぜ山賊だとあぁなるんだ?

そして続けざまに

「私ね昔、ほんと昔。ここに来て1年とかそんぐらいで今よりも強くなくて1人でもつまらないから、なんだからパーティを組んでみたの。」

パーティ?あぁ3人以上から構成されるやつか

「パーティはね、特別なクエストとか用意されて結構楽しかったんだ。その時のメンバーは私入れて3人。初めての仲間だったから、すっごい嬉しかったの。

でも、あれが起こったの…」

「あれ?あれって?」

「それは、山で行われるクエストだったの。まぁ、いわゆる狩りをしてたの。

私はその山に山賊が出るなんて知らなかったの。私は結構下の方で狩りをしてた、2人は上の方でしてたの。

そしたら、上から突然悲鳴が聞こえたの。私は急いで向かった。でも、植物が生い茂っていてなかなか行けなかった。

そして、悲鳴があったところに向かうと

2人が死んでいたの…」

「・・・・・」

「私は山賊がやった。そう思っていた。いや実際今も思ってる。だから、絶対許さない。今後も」

ん?今の言葉には俺も少し反論をしたい

「なぁ?それって本当に山賊がやったのか?」

すると彼女は俺から離れ、真剣に目を向き合った。

「どういうこと?何が言いたいの?」

「俺は、よく分からないが。それだけで山賊を疑うのはよくないと思う。

だって、実際証拠は何も無かったんだろ?」

「それはそうだけど・・・・」

「あと、さっきだって俺は殺されなかった。むしろ何もされなかった。」

「だって、それは山がち・・・・」

「あと、憎んでる?それだけであいつらをあんな風にするのはもっと良くない。確かに最後はあいつが悪かった。悪かったけど。でも、お前もお前だ。」

「いやだってあ・・・」

・・・言ってやる・・・

「俺はお前にはあんなことをして欲しくない。俺はお前に人殺しをして欲しくない」

・・・ここで・・・

言いたいことすべて言ってやる

「俺はお前にだれも殺して欲しくないんだ。可愛くて、性格酷くて、寝る顔が可愛い。俺はお前の手を汚したくないんだ」

俺は全てを言い終わった

すると彼女はこれまで見たことがないほど涙を流した。

あっ、、やべ、泣かせた…

「あんたがそう思ってなんて・・・。

はぁ〜私もまだまだだなぁ。

あんたにこんな風に言われるなんて。

あんたの気持ちよく分かった。

ごめん。ほんとごめん。反省する。

そうだね。私に人殺しは似合わない。」

「分かってくれたならよかった。」

「なら、これから約束しよ。

私はあんたをこれから絶対守る。

だから、あんたは私を見守っといて。

ね?約束しよ?」

これはいい約束だ。

「あぁ、もちろん。俺も頑張るからお前も頑張れよ」

俺は握手を求め手を出した。

彼女も手を差し出し握手した。

「約束成立ね。

ふぁ〜疲れた。ほんと疲れた。

・・・てかあんたさっき性格酷いみたいなこと言ったわよね」

「あ?覚えてた。ごめんごめん。」

そして、何気ない会話をしながら

俺たちは町に帰っていった。



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